ヒット習慣予報 vol.425『産後ゆとりリカバリー』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です。
最近、友人たちの出産ラッシュがありました。独身時代から仲良くしている友人たちが母になり子育てをしている姿に、時の流れと感慨深さを感じています。またSNSや日々連絡を取り合っている中で、子供が生まれた後の日々の暮らしの様子を割とタイムリーに知ることができ、勝手ながら成長を見守り喜んでいる今日この頃です。そんな中、彼女たちから話を聞いたりSNSでの日常を見ていると、産後の大変な時期の中でも“自分自身のケア”を大切にしながらできるだけ無理なく子育てをするための工夫をしていることに気が付きました。実際、googleトレンドで「産後ケア」を調べてみると、右肩上がりで検索数が伸びており世の中的にも注目度が高まっていることがわかります。

出典:Googleトレンド(「産後ケア」で検索)
もちろん様々な家庭や状況があることは重々承知の上で、今回は産後の暮らしをできるだけ無理なく自分らしく過ごすために行われている習慣について「産後ゆとりリカバリー」と名付け、いくつかの事例をご紹介します。
まずは「着ながら産後リカバリー」です。
疲労回復をサポートするリカバリーウェア自体は少し前から浸透し始めていますが、そこからさらに産後のリカバリーとして衣服で自分を労わる人が増えてきています。一般的なリカバリーウェアを活用するほか、授乳や体型・体質変化といった産後特有の状態に配慮された専用ウェアも登場しています。手間なく授乳できるよう片手で扱えるスナップボタン仕様や締め付けないデザイン、保温性や吸汗速乾性に優れた素材など、暮らしの変化に寄り添う嬉しい配慮がされていることが特徴です。
また、来客対応などもできるようなワンマイルウェア風なデザインのものもあり、日中から夜までそのまま着続けられるため、普段の生活の中で無理なく無意識にケアできることが支持を集めているのではないでしょうか。
続いては「産後おうちフィットネスリカバリー」です。
外出や事前にまとまった時間を確保することが難しい時期に、その日ごとに生まれるすき間時間を活用し、オンラインでヨガや骨盤調整などを行う人が増えているようです。赤ちゃんの睡眠タイミングに合わせて行うことが多いため、5~15分程度の超短時間で完結するレッスンや、赤ちゃんを抱っこしたままでできる呼吸法、授乳や抱っこによる肩こりや腰痛を和らげられる育児に特化したコンテンツなどが見られました。事前に予定が立てづらい日々の中でも短時間で自分のためにケアをするひと時になっているのかもしれません。実際に子育てのすき間時間にオンラインヨガを行っている友人に話を聞くと「簡単なストレッチや呼吸法をするだけでもとてもリフレッシュできる」「サクッと見れて5分とかでできるようなものもありお風呂上りのタイミングでルーティンとしてリズムを作っている」「すき間時間で自分の時間を作るだけでも、メリハリが作れるのがよい」と熱弁してくれました。

最後は「産後の脱おうちリカバリー」です。
これまでは実家への里帰りや医療機関への入院が一般的だった産後の休息ですが、助産師さんなどが常駐するホテルや専門施設で数日過ごすスタイルが広がっています。さらに日帰りのホテルステイを楽しむ短時間ローカルケアや、地域の施設を活用した産後ケア銭湯、お散歩のついでに数時間プロに赤ちゃんを預けて連続睡眠をとったり自分時間の息抜きをしたりするなど、日常の延長線上にあるサービスを使ってプロや地域の手も借りながら自分のケアをしていく人が増えています。数年前まではこのような施設は認知率や利用率もかなり低く、民間ラグジュアリー系の施設しかなかったそうですが、現在は自治体の補助などが拡充されてきていることもあり、多くの人が手軽に利用できるようになってきたという背景も脱おうちリカバリーを行う人が増えていることに影響していると考えられます。
自宅にいるとどうしても家事をこなしたり、赤ちゃんの様子が気になってゆっくり休めないときに外部の力を頼って自分の状態をリカバリーすることで余裕を取り戻せることが支持を集めており、SNSでも束の間の自分時間を堪能し、心身ともに満たされ楽しんでいる様子が多く見受けられました。
ではなぜこのような「産後ゆとりリカバリー」が広がりを見せているのでしょうか。
背景のひとつとしてはコンディショニング意識の高まりがあると考えています。核家族化や共働きの家庭が増えていることに伴い、実家で産後の期間過ごすのではなく夫婦中心で産後を乗り切る家庭が増えてきているのではないかと推測されます。そうした中で、自分がもし倒れてしまうと家族や赤ちゃんの生活が回らなくなるという危機意識から、自分の調子を整えること自体が赤ちゃんや家族を守ることにもつながるという認識が浸透してきているのではないでしょうか。また、タイパ(タイムパフォーマンス)やメンパ(メンタルパフォーマンス)意識の高まりも影響しているのでは、と思っています。多少の課金があったとしても、産後の不規則な生活の中で自分の体力の回復スピードが早まったり、自分自身のメンタルが安定することのほうが、結果として自分自身や生活全体に良い影響を与えるため重要だというように感じる人が増えてきているのではないでしょうか。そのため、商品やサービスを賢く頼りながら自分らしく暮らしをまわしている人が増えてきているのだと感じています。
最後に「産後ゆとりリカバリー」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。
「産後ゆとりリカバリー」のビジネスチャンス例
■ 産後の回復を早めつつリラックス効果も得られる入浴剤の販売
■ 自分のことだけに没入できるリラックススペースの貸し出し
■ 全国の湯治施設と組んだ産後特別プランの開発
これまでと生活が大きく変わる産後のタイミングで、もっと多くの人にとって過ごしやすいように変わっていけばいいなと今回のコラムを書くにあたってヒアリングや調べ物をしていて感じました。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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ストラテジックプラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ちのマーケター10年目。ヘルシー&ビューティー関連が大好き。推し活で年代問わず友達が増え、日常生活がとても活き活きしています。


