AI時代、音楽の価値はどう生まれるのか?―生成AI時代の美的リテラシー
生成AIの進化がクリエイティブのあり方を激変させている昨今。テキストや画像、映像など、あらゆる領域で自動化が進む中、音楽の世界でも「テキストを入力するだけで、数分でプロ顔負けの楽曲が完成する」という音楽生成AIが急速な台頭を見せています。
誰もが瞬時に一定レベルのクオリティの音楽を作れるようになった時代、私たちは音楽の価値をどこに見出すのでしょうか。
そして、表現者や送り手、さらには聴き手に求められる「審美的判断力=美的リテラシー」とはどのようなものなのか――。
2026年5月、UNIVERSITY of CREATIVITY(以下UoC)にて開催されたセッション『AI時代、音楽の価値はどう生まれるのか?生成AI時代の美的リテラシー』では、そんな正解のない問いを巡って、音楽ビジネスの最前線に立つ方々による濃密なトークが繰り広げられました。
メインのトークセッションのゲストには、Chara、星野源、米津玄師、あいみょんなどのプロデュースワークでも知られ高い支持を得るインディーズ・レーベル「origami PRODUCTION」代表の対馬芳昭氏、数多くのエンタテックの起業家/スタートアップや作曲家を育てる「Studio ENTRE」代表取締役社長の山口哲一氏が登壇。モデレーターはUoCディレクターの前原双葉が務めました。さらに後半には、レジェンドギタリストのいまみちともたか氏(BARBEE BOYS)ほか客席からも説得力のある声をいただき、和やかながらも、密度が高く鋭い視点も交差する 90 分となりました。

音楽生成AIがもたらす構造変化と現在地(レポート・ダイジェスト)
第一部は、2026年3月に事前公開した音楽生成AIの音楽・産業・文化への影響に関するグローバルリサーチのレポートを、執筆者であるUoC前原よりダイジェストで共有した。日本国内ではまだ体系的な情報が少ない中、海外の最新動向やヒアリングを基に、今セッションの前提となる現状の輪郭が示されました。
「音楽生成AIの何がこれまでのAIと違い、何が問題で、何が可能性なのか」という視点から提示されたデータは、すでに音楽生成AIが「日常のインフラ」として凄まじい量と質で社会に浸透しつつある現状を表しています。
この爆発的な変化により、従来通りプロが作った楽曲と並列で、生成AIで作られた素人の曲がプラットフォームに日々大量に投入され等価に扱われるという、ドラスティックな環境の変化が起きています。生成AIによる楽曲自体は問題ではないが、大量投入される多くの曲は意図的に悪用される可能性を持つことも問題となっています。さらに、インプット側(学習データ)の「権利問題」も深刻です。多くの音楽生成AIプラットフォームで既存楽曲が無断で学習データとして使われている可能性がありますが、生成された楽曲の中に「元ネタの成分が何%含まれているか」を現在の技術で完全に判別することは極めて困難です。そのため、由来元への正当な収益配分(レベニューシェア)のルールが未整備のまま、プラットフォーマーと権利者側の間で激しい対立が続いています。アメリカやドイツでは国会での法案検討が始まるなど、まさに世界中がルール作りの大激変期にあります。一方で、生成AIによる新たな可能性の視点も。「音楽の民主化」による裾野の広がり、プライベート利用での「ギフト的音楽」という新たな価値、ブランドが独自の音楽を活用できる「ブランド・サウンドOS」などが挙げられました。
前原は、「技術やルールは日々変わっていくが、最終的に最も重要になるのは、音を創る側・聴く側が、何を選択・判断するかという人間の『美的リテラシー(Aesthetics Literacy)』ではないか」という問いを投げかけ、メインのトークセッションに移りました。
テクノロジーの受容と、「スキル」と「クリエイティブ」
AIによって、これまで専門的な教育や訓練が必要だった「作詞・作曲・編曲」という行為が、技術的には誰にでも開放されました。この変化をプロの現場はどう捉えているのでしょうか。
- 前原
- まずこのセッションですが、音楽生成AIをめぐってはまだ世界中で誰も行方がわからないテーマです。なので今日は正解を求めるより、「問い」を考えて共有する場にできればと思っています。
さて、ひとつ目の問いですが、「誰もが簡単に音楽を作れるようになった環境の中で、そもそも『創作の意味』はどのように変わっていくのか」―ここから伺えますか。
- 山口
- まず大前提として確認しておきたいのは、ポピュラー音楽の歴史とはテクノロジーが音楽を進化させてきた歴史そのものであるということです。
例えばエレキギターがなければロックは生まれていませんし、リズムボックスという機械がなければハウス・ミュージックというジャンル自体が存在していませんでした。つまり、新しい表現は常に新しいテクノロジーが引っ張ってきたわけです。そして音楽の歴史を振り返った時、新しいテクノロジーを頑なに拒否した音楽家というのは、だいたい歴史の闇に葬られていくという厳然たる事実があります。本物のクリエイティブを志す人間にとって、好奇心こそが最大の原動力であるはず。今この時代に、AIというテクノロジーに対して好奇心を持てないというのは、僕の感覚からするとちょっと理解ができないですね。
- 対馬
- 僕も山口さんと全く同じで、AIに対しては基本的にポジティブなスタンスを取っています。ただ、この質問は今日のセッションにおけるある種の『究極の問い』ですよね。誰もが音楽を作れるようになった時に、創作の意味が変わるか……と言われれば、僕は『根本的には変わらない』と思っています。なぜなら、すでに現代のDTM(パソコン制作)の環境では、音楽はクオリティはさておきある程度までは誰でも作れる状態にあるからです。AIの登場は、純粋に『創作の選択肢が新しく一つ増えた』という現象に過ぎないのではないでしょうか。
- 山口
- 現代の音楽制作において、完全にAIを排除することはもはや不可能です。プロが使っている主要なダウソフト(Digital Audio Workstation)は、今やAIツールのインターフェースといっても過言ではありません。例えばアイゾトープ(iZotope)という自動マスタリング・エフェクトツールを使っている時点で、そのクリエイターはすでにAIの恩恵をフルに受けているわけです。だから、『私は一切AIを使わずに音楽を作っています』なんていうプロの音楽家は、今の時代、ほぼ一人も存在しないんですよね。
- 前原
- プロの現場でも、すでにそれだけAIがインフラとして溶け込んでいるのですね。ビジネスの視点からはこの変化はどう捉えていらっしゃいますか。
- 山口
- ビジネス面でも同じことが言えると思います。
以前、音楽をクラウドで聴くようになった(サブスクリプションの登場)時は、それまでのコンテンツ権利のコントロールやビジネスの形態が大きく変わりました。そこから色々あったけれど、結局それに対応する形でどうにかアジャストしてまわるようにはなっている。今回のAIもコペルニクス的な変化で、今はその最中ですけれど、おそらくどこかで着地点ができていくのだろうと思います。
その上で、AIが我々に突きつけてきていることって、『スキル(技術)』と『クリエイティブ(思想・表現)』を明確に分けろ、ということだと思うんです。『スキル』の面においては、AIは人間よりも圧倒的に仕事が早くて便利です。一方で、ブラックボックスであるAIをコントロールし、最終的なジャッジを下す『クリエイティブ』の領域は、依然として人間にしかできない部分。ここはきっとまだ100年くらい変わらない。ただ、これまで私たちが『クリエイティブな仕事だ』と錯覚していたことの多くが、実は単なる『スキル』に過ぎなかったという事実が、AIによってはっきり可視化されつつある。これが現在の混乱の本質だと思います。
たとえばハリウッドの映画業界での近年のストライキの背景にも、この『スキル』と『クリエイティブ』の境界線をめぐる議論がありました。これまで彼らが手掛けてきた高度な技術(スキル)と考えられてきた仕事のかなりの部分がAIが代替可能となる中で、人間ならではの創造性とは何かを巡って激しい交渉が行われたわけですよね。結果として、本当にクリエイティブな一流のクリエイター(おそらく全体の1-2割)は、AIというスキルを使ってさらに効率的にたくさん作品を作れるから年収が上がるけれど、一流以外の人はAIに負けてしまうという、残酷な二極化が進んでいるのでしょう。
- 対馬
- これはヒップホップにおける『サンプリング』が登場した時のカルチャーの揺れにとてもよく似ています。70年代のマイルス・デイヴィスの音源の一部分を切り取ってループさせた音楽に対して、当時は『あんなものは手作りじゃない』『楽器を弾かない奴は泥棒だ』という拒絶反応を示す人もいました。しかし、今やサンプリングは立派なクリエイティビティの表現の選択肢として確立されています。AIも「自分はどこまでを創作したいのか」という、その創作意欲の中での新しい選択肢のひとつ、という考え方に落ち着いていくのかなと思っています。
- 前原
- 今の「スキルとクリエイティブ」の視点を具体的に音楽で当てはめると、何がそれぞれにあたるんでしょうね?
- 対馬
- いわゆるプロンプトの打ち方のような新しいスキルは必要になってくる可能性はあります。でも、既存のミュージシャンと
してのスキルという意味で言うと、僕はうちにいるアーティストたちを見ていて、やっぱりどんな時代になっても「楽器の練習は必要だな」と思っています。たとえAIがものすごい倍速の、人間には不可能な速度のソロを弾いたとして、人間がその半分の速度で弾いたソロとどちらが感動しますか、という。結局はそこの話になってくると思うんですね。人間だからこそやれるもの、感動させられる演奏ができるかどうかが、スキルとしては一番大事なところとして残るはずです。
- 山口
- 音楽家に関して言うと、楽器が上手なことの価値って、逆に上がりましたよね。フィジカル、身体性というAIにはできないところですから。じゃあ、作曲や編曲に関してどこがスキルでどこがクリエイティブなのかというと、やっぱり『最初のグー(プロンプト)』と『最後のディシジョン(判断)』だけは人間にしかできない。そして著作者となって印税を受け取ることは今のところ人間しかできないので、それがクリエイティブなんだと思います。その間のプロセスは、だんだんAIでいい場合が多くなってきているのが現状ですよね。
- 前原
- いまおっしゃった「プロンプトの新しいスキル」って、実際プロの方々はすでに「オレ流」みたいなものを創って活用していらっしゃる状況なんですか?
- 山口
- 現場レベルで言うと、ルールとしてのレギュレーション(規制)の過渡期でもありますね。現在、多くの楽曲コンペティション等では、権利上の安全性を考慮して生成AIの利用を不可とするような、厳格なレギュレーションが設けられているケースもある。僕も今日みたいに日頃はAIの推進派として発言をしているものの、そういった現場のルールとの関係で、プロの作曲家を育成する立場としては、現場の人間には『コンペでは絶対にAIを使うな、事故ると迷惑がかかるからダメだ』と指導しています(笑)。
ただその一方で、AIツールが叩き出してくる『仮歌のクオリティ』なんかは非常に優れていて、『ここのフレーズ、めちゃくちゃ良いじゃないですか』と、クリエイターが現場レベルでインスピレーションの参照元として使いそうになる瞬間は多々ある。非常に悩ましい、変化の最前線に僕たちはいるんですよね。

「聴き手」の目利き化と、AI時代におけるプロの役割
- 前原
- 今の「創る側」のお話に対して、次の問いになりますが、「『聴く側』の変化、そしてプロの役割や期待はどうなっていくのか」。だんだんその境目も曖昧化してはいますが……。
- 対馬
- この『誰もが作れる時代』というのは、創り手だけでなく『聴き手』にとっても大きな変化があると思っています。僕は、聴き手の人たちがプレイヤー(表現する側)になってもらうことが、実は一番大きなことなんじゃないかと考えているんです。例えば、スマートフォンで誰でも簡単に綺麗な写真が撮れるようになったことで、世の中全体の『写真に対するリテラシー』が圧倒的に上がりましたよね。みんなが日常的に写真を撮るからこそ、プロの写真家が撮った写真の凄さや、ライティングの技術、構図の美しさがより深く理解できるようになる。
これと同じことが音楽でも起きると思うんです。コロナ禍で楽器がものすごく売れたという現象がありましたが、みんなが少しでも音楽を自分で作ったり触ったりするようになると、プロのミュージシャンがいかに超絶なことをやっているか、どれだけ深いこだわりを持って音を作っているかが、聴き手側にもリアルに分かるようになる。AIの登場によって、聴き手が単なる受動的な生活者から、一種の『目利き』へと変化していくのではないか、とむしろ期待しています。
- 前原
- たしかに写真の話はその通りですよね。音楽でも、聴く側も作って目利き化していくとすると、プロってどんな役割になるんでしょうね。
- 山口
- プロの定義ってもはや難しいですよね。年収とかでも語れない。副業などで音楽に関わることもある時代だし、結局プロという自覚があるかですかねえ。
- 対馬
- 難しいですよね。でも結局、一人でもその人の音楽を聴きたいというファンがいるか、求められているか、というのがプロの意味かもしれないです。そのアーティストの持つ物語性も含めて。
- 山口
- さきほどの第一部の話を聞いて思ったんですが、AI時代の音楽市場を考えるとき、すべてを一緒に考えるのではなく、音楽を『3つの領域』に分けて考えると、非常に議論がスッキリします。
1つ目は『ストーリーテリング(物語性)の音楽』。作り手の人生や背景を消費する音楽。アーティストの世界観やキャラクターがリスナーにとっても必須な領域です。
2つ目は『匿名性の高いBGM(機能としての音楽)』。映像やCMなどのバックミュージックやカフェの環境音楽など、作家性はあまり重要ではない音楽。 3つ目は『コミュニケーションのための音楽』。SNSを通じて盛り上がるための音楽。
この中で、2つ目の『匿名性の高いBGM(機能としての音楽)』に関しては、近い将来、そのほとんどが生成AIに置き換わっていく可能性があると思います。これは『映像クリエイターが自ら作曲家になる時代』の始まりを意味していると思うんです。これまでは、映像作家が動画に合わせる3分のバックトラックを必要とした時、予算を割いてプロの作曲家に発注していました。しかしこれからは、映像作家自身がAIを使って、その場で自分の映像に100%マッチするBGMを数秒で自作すればよくなる。クリエイティブ全体で見れば大きな効率化であり解放にもなり得るような、大きな構造変化が起きると予測できると思いますね。
- 対馬
- その通りですね。一方で、だからこそ1つ目の『ストーリーテリング』の価値は、AI時代において相対的に爆発的な高まりを見せると思っています。リスナーは、純粋にサウンドに感動する事もありますが『このシンガーソングライターが、人生最悪の失恋をして、ボロボロになりながらあの街を歩いて書き上げた曲なんだ』という、血の通った背景や文脈(ストーリー)を知る事でよりその曲への理解を深める事もあります。 生成AIには人生がありませんから(笑)、どれだけ完璧なメロディを作れても、この『ストーリーテリング』を自発的に生み出すことは不可能です。僕たち音楽レーベルの本質的な仕事は、まさにこのアーティストの生き様という物語を世の中に届けること。AIが街に溢れるからこそ、人々は『本物の人間の物語』をより一層強く求めるようになるはずです。
- 山口
- そして3つ目の『コミュニケーションのための音楽』。これは非常に巨大な新しい市場になる予感がしています。ヒットチャートで1位を獲るとかビジネスになるとかそういう話ではなく、仲間うちやSNS上で楽しく会話したりするために、その場でサクッとAIで曲を作って共有し合うような世界です。従来の音楽産業の枠組みとは全く違う、言語に近い機能としての音楽の使われ方が、AIの民主化によって爆発的に増えていくでしょうね。

音楽の「身体性」――空間性、空気の振動、ポケット
- 前原
- 音楽といえば、やはり「『身体性』」とは切り離せないと思いますが、AI生成音楽における身体性、あるいは人間が肉体を使って音を鳴らす意味はどうなるのでしょう?
- 山口
- 愚直に身体性でいうなら、楽器を演奏できるフィジカルAIもあるんでしょうが、まあ、これが大きく普及するイメージはないですよね。技術面でも需要面でも(笑)。
- 対馬
- 聴き手の変化という部分で言うと、最近、スタジオのエンジニアと空間オーディオ(Dolby Atmosなど)の話をしたんです。多くのアーティストは、2ミックス(従来のステレオ)のドンとくる塊感が好きで、空間に音が広がってしまうのを嫌う傾向がまだあります。でもそのエンジニアが『最近、2ミックスが古く感じてきた』と言うんですね。イヤホンで鼓膜に直接ドンと当てる2ミックスはある種麻薬的だけれど、空間オーディオに慣れてくると、空間の空気を感じる音楽の方が心地よく感じてくると。そもそも音楽は、ライブハウスやスタジオなど、その部屋ごとの空気の振動を前提にして、気持ちいいリズムの生まれ方が変わるものです。
- 山口
- 音楽好きな人は、『空気の振動』が好きという側面もあると思います。不正確であるということが音楽の楽しさの前提としてあって、AIはその不正確さまで計算できるようになり始めている面白さと気持ち悪さがありますけれど。
- 対馬
- 海外のアーティストがよく言う『ポケット(グルーヴの中の気持ちいいズレ)』ですね。例えばディアンジェロ(D'Angelo)というアーティストは、かつてJ Dillaがサンプラーという機械のクオンタイズ(自動のリズム修正機能)をわざとオフにして作った不規則なヨレたリズムを、今度は人間の生演奏のドラムで再現しようと血眼になって練習して、あの独特のグルーヴを生み出しました。
どこに音を入れたら気持ちがいいか、人間は感覚的にそのズレを探りながらセッションしている。AIがこれを学び始めることは可能だとしても、一回AIの正確な音楽が世の中を席巻した後に、人間の感覚は必ず『巡って』、肉体的なズレの心地よさに戻ってくるはずです。スピーカーから出るデータだけで、その場にいる人間同士の肉体のキャッチボールや、空間の振動までを代替することはできないと思います。

生成AI時代に大切な美的リテラシーとは
- 前原
- いまの身体性や感性といった話と繋がるのですが、最後の問いになります。「このAI生成音楽が世の中に溢れる時代だからこそ、なぜ『美的リテラシー』、つまり人間の審美的な判断力がこれまでより重要になるのか」について、お考えを聞かせていただけますか?
- 山口
- これからの時代を生きるクリエイター(プロデューサー)に必要な美的リテラシーとは、何よりも『たくさん音楽を聴いて、たくさん感動していること』だと思います。これまでは、音楽大学を卒業して、スコアが書けて、アレンジの専門技術(スキル)がある人がプロになれました。しかし、これからは『かっこいいストリングスを作って』とAIに頼めば、AIが瞬時に出してくる時代です。
その時にもっと具体的に『何年にカラヤンが指揮したベルリン・フィルのあのバージョンの質感にして』とプロンプトを出せるか、提示された選択肢から『これだ!』と選べるか。それはつまり、百科事典的な知識ではなく、どれだけ優れた音楽を聴いて感動したか、その感動の質を整理して伝え、アウトプットできるかという話なんだろうと思っています。
- 対馬
- 本当に同感です。うちのレーベルにいるドラマーのmabanuaもすごくて、過去の古いライブ音源のドラムソロを一瞬聴いただけで『これは誰の何年のソロだ』と全部当てるんですよね。それだけたくさんのインプットを理解しているからこそ、AIという引き出しから良いものを導き出す力も強くなる。目利きとしての力、良いものを見つけ出す力は、これからの時代に最も大事なリテラシーになると思います。
- 前原
- もともと暗黙知として個々のアーティストの中にあったのが「美的リテラシー」なのものかもしれませんね。でも生成AIの時代には、創る人も、もしかしたら聴く人も、その引き出しの使い方や言語化なども新たに大切になってくるのかもしれませんね。
- 山口
- 好みもあるので「これがいい音楽」などという定義は誰も決められないけれど、やっぱりたくさんの素晴らしい音楽に感動している人がいい作曲家になれる時代が来たというのは、いいことなんじゃいかな、と僕は思うんですよね。

※肩書は取材当時のものです
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山口 哲一StuioENTRE代表取締役/音楽プロデューサー/エンターテック・エバンジェリスト/ 内閣府「知的財産戦略本部」コンテンツ戦略ワーキンググループ委員/プロ作曲家育成「山口ゼミ」主宰/MusicLaneFestival沖縄プログラムディレクター時代の変化に鋭敏に対応した音楽プロデューサーとして活動する。2010年頃から著作活動を始める。国内外の音楽ビジネス状況の知見を活かし、エンターテイメントとテクノロジーの関係について提言を続けている。 『AI時代の職業作曲家スタイル』『音楽未来会議』『音楽業界の動向とカラクリがわかる本』他著書多数。 公式サイト https://entre.studio
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対馬 芳昭origami PRODUCTIONS代表 / ASTERI ENTERTAINMENT((株)FRAGMENT代表))世界レベルの東京ジャムセッションムーブメントに魅せられ、2007年に音楽レーベル/プロダクションチームorigami PRODUCTIONSを設立。自由で型破りなレーベルスタイルが音楽ファンから支持され、所属アーティスト(Shingo Suzuki〈Ovall〉、mabanua、関口シンゴ、Kan Sano、Nenashi a.k.a. Hiro-a-key、Michael Kaneko)は国内外のフェスに数多く出演すると共にメジャー、インディーズ問わず多くのアーティストのプロデュースも手がけている。 公式サイト https://ori-gami.com
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UoCディレクター博報堂にて営業経験ののち、R&D局にて新しい体験価値型マーケティングの方法論「ライブマーケティング」開発と実装、欧米クリエイターとのネットワーク構築、社内ベンチャー育成制度「AD +VENTURE」企画・運営・育成、QUANTUMでのスタートアップ育成と企業連携推進などを経て2025年にUoCに参画。 幼少からの音楽への深い愛から、昨今の音楽生成AIの影響をどう捉え、何ができるかを考えるため、国内外を幅広くリサーチし、2026年初現在、AI生成音楽に関する研究レポートを執筆。


