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365日×360°の生活者データとマーケティングの進化

生活者の行動をいかに捉えて戦略・戦術に落とすか。
生活者の行動を捉える方法はマーケターの興味であり続けているのではないでしょうか。デジタル化の進展により、取得できるデータも飛躍的に拡大しビッグデータ化しました。これらのビッグデータの活用はマーケティングにとって必要不可欠なものになりつつあります。また、デジタルデバイスの普及によって、個々人の様々なデータが取得され、最適化された情報配信の試みも多くみられます。

デジタル化、モバイル化によって365日×360°の生活者データの活用が、生活者を知る方法の一つとして重要になってきています。
博報堂は生活者という概念を提唱し、消費者ではなく生活者として捉える“生活者発想”でマーケティングを推進してきました。博報堂の生活者を起点としたマーケティングでも、データが生活者の行動やインサイトを知るための強力な武器になっています。

図1 365日×360°の生活者データ

では、具体的にどのようなデータを活用して生活者を把握し、マーケティングを実現しているのでしょうか。

Webサイトの行動履歴などのオンラインデータを分析・活用することはもちろん必要ですが、生活者は当然オンライン上だけで行動しているわけではありません。オフラインでの行動が生活者の一日のうちほとんどを占めています。オンラインとオフラインのデータを統合して分析することで、より生活者の動きが見えてくるのです。(図2参照)
ここでは数多く存在する生活者の行動データの中でも特に、マーケティングの“結果”を表すデータに注目したいと思います。

多様な“結果”を表すデータ

マーケティングの“結果”を表すデータと言われたときに何を思い浮かべるでしょうか。
オンラインではサービスの利用や課金などのコンバージョンデータがその代表だと思います。オフラインのコンバージョンデータにも様々なものがありますが、その代表的なものは店頭の購買データではないでしょうか。一言に購買データと言っても、POSデータ、ID-POSデータなどの購買のアクチュアルデータや、調査パネルのデータなど、その種類は多岐に渡ります。

図2 様々な“結果”を表すデータ

これらの購買データからわかることは非常に多様です。
例えば、買われたという“結果”をKGIとして効果検証のために活用することもできますし、どのように買われたかという“買い方”から生活者の嗜好性を分析することもできます。また、広告・プロモーション等の施策のデータと組み合わせれば、メディアの効果可視化や予算最適化を目的としたマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)にも活用できます。
※博報堂のMMMサービス「マーケッターの意思決定を支援するMMMサービスm-Quad」

さらに、購買データを中心としたオフラインのコンバージョンデータがオンラインデータと統合されてきており、マーケティングの可能性が大きく広がってきています。「オンラインコンバージョンで変わる新しいデジタル広告の可能性」でも触れられているように、オフラインのコンバージョンを示すデータが起点となって、オンライン広告の新たな可能性も見えてきました。

購買データのオンライン統合で広がるマーケティングの可能性

オフラインの購買データとオンラインデータが統合されることで、具体的にどのようなことが可能になるのでしょうか。オンラインデータとしてWebサイト行動履歴、オフラインデータとして来店・店内行動や購買データを統合した事例を、量的側面と質的側面から簡単にご紹介します。

量的側面:購買ファネル分析と効果測定

ショッパーの行動をオンラインからオフラインまで統合して追うことで、購買に至るプロセス(購買ファネル)を具体的な数値で追うことができます。ファネル分析を行うことで購買までのボトルネックの発見にもつながりますし、新たな課題を発見してマーケティング戦略や施策の改善につながる可能性もあります。

図3 購買ファネルと分析の視点の例

質的側面:カスタマージャーニーとタッチポイントプラニング

オンライン行動から購買までを詳細に分析することで、どのようなタッチポイントにどう接触して購買まで至ったかという、カスタマージャーニーの可視化も可能です。カスタマージャーニーを分析することで、思いもよらなかった購買までの道のりが見え、新たな生活者インサイトの発見につながることもあります。

また、購買データを分析する視点を工夫して再解釈するだけでも、新たなマーケティングの指標の可能性が広がります。
例えば、“買い方”からその人の人となりが見えてくることはないでしょうか。あなたの周りにも、一つのブランドを好きで買い続けている人もいれば、特定のブランドだけではなく様々なブランドを買う人(バラエティシーカー)もいるでしょう。さらに、海外では購買データをはじめとする“結果のデータ”をマーケティングだけに留まらず、サービスのあり方そのものを変えるようなダイナミックな活用をしている事例も見られます。
次回以降ではこれらの事例を中心にご紹介したいと思います。

プロフィール

諸橋 直也(もろはし・なおや)
博報堂DYホールディングス
マーケティング・テクノロジー・センター 開発3グループ 主任研究員

2009年博報堂入社。本社マネジメントスタッフを経て、2012年よりマーケティングプラナーとして、通信、自動車、日用消費財など諸分野での戦略立案、コミュニケーションプラニング、ブランディング、商品開発を担当。2015年より現職。様々なビッグデータ分析やマーケティングテクノロジーソリューションの開発に従事。

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