おすすめ検索キーワード
ヒット習慣予報 vol.310『思い出アート』
PLANNING

ヒット習慣予報 vol.310『思い出アート』

こんにちは、ヒット習慣メーカーズの山崎です。
先日、ずっと気になっていたアルコールインクアート体験をしてきました。アルコールに溶いたインクをキャンバスに垂らし、ドライヤーで風を当ててその波打つ彩りを楽しむアートです。持ち帰って枕元に飾ると部屋がぱっと明るくなって嬉しい気持ちになりました。
自身で製作したアートは、製作中の楽しかった思い出も含め、なんて心踊るんだろう!と思いました。

世の中を見ても、その良さが広がり自分でアートを作る体験が増えているようです。

「ものづくり」の検索数推移

出典:Googleトレンド(値軸:件)

最近では、特別な「思い出」をアートにしてそばに置いておく習慣が広がり始めています。今日はそんな「思い出アート」についてご紹介いたします。

1つ目は、ご祝儀袋アート。
結婚式などお祝いの席でいただいたご祝儀袋の水引を集めて製作するアートです。水引は配色が豊かできらきらしていて集めると華やかに仕上がりそうですね。色とりどりの水引を集めてハートを形作って額縁に入れたり、花束のようにまとめてみたり、フォトフレームの枠に貼り付けて結婚式の写真を飾ったり、と創作の幅が豊かです。
贈ってくれた人の気持ちも大切にとっておける素敵なアイデアですね。

2つ目は、ファーストカットアートです。
赤ちゃんの生まれて初めての散髪をファーストカットといいます。一生に一度だけのその髪の毛を大切にとっておくためのアートです。少し前までは赤ちゃん筆が一般的でしたが、最近は赤ちゃんのイラストの髪の毛部分に実際にカットした髪の毛を差し込んでフォトフレームに入れて飾る人も増えているようです。頭の上でぴょんっと1本に結んだイラストやツインテールのイラストが人気のようです。イラストレーターに依頼して、名前や誕生時の身長体重などの大切な記録とともに特注することも可能です。
大切なわが子のふわふわな髪の毛をおしゃれに飾って置けるのは嬉しいですね。

最後は、動物の抜け毛アートです。
春と秋の換毛期に犬や猫などペットの抜け毛を集めて、アートにする遊びが流行っているようです。抜け毛を丸めてそのペットのミニ分身を作ったり、猫の毛を集めて猫耳帽子を作りその猫本人に被ってもらうのも話題です。
お掃除が大変になる換毛期ですが、アートを取り入れることで季節の変わり目を楽しめるお茶目なアイデアですね。(特にふわふわの冬毛が抜ける春がおすすめらしいです…!)

このように人生や暮らしの節目節目をアートで彩る習慣が広がりつつある理由はなんでしょうか?
それは写真や手帳、日記など生活を記録する様々なものがデジタルに置き換わってゆく中で、それでも形に残したいものの価値を改めて考える人が増えているからではないでしょうか。また、アートにすることの素晴らしい点は、いつも目に見えるところに飾っておけることです。かつてタンスの奥に仕舞い込まれていたご祝儀袋や赤ちゃん筆は、アートに形を変えることでいつも暮らしのそばに置くことができます。

最後に、今後の広がりについて、考えてみました。

「思い出アート」サービスの例
■頂いた花束を送付すると花びらとラッピング紙を再利用したアートボードを製作してくれるサービス
■毎年子どもの成長手形を送るとその記録を絵画にしてくれるサービス
■サイズアウトした子どもの洋服からクッションやカーテンなど日常で使えるアートを製作してくれるサービス

アートの定義は、「美的価値を持ち、人々の感性に訴える創作物*」という意味 だそうです。思い出はまさに感性に訴えるもの、それを美しい形でそばに置いておくことができる「思い出アート」はアートの根幹をなすものかもしれないな、と思ったりしました。
わたしもいつか猫と暮らすことがあったら、抜け毛アートをやってみたいです。

<参考文献>
Weblio辞書 (2024/4/1)
https://www.weblio.jp/content/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88#google_vignette
 

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 博報堂 第一ブランドトランスフォーメーションマーケティング局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2021年博報堂に入社。マーケター3年目を日々奮闘中。生き物が好き。最近気になっているのは、掛川花鳥園のハシビロコウ。