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ヒット習慣予報 vol.308『テック温活』
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ヒット習慣予報 vol.308『テック温活』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの平石です。ようやく寒かった冬も終わり、春になりましたね。私は寒いのも嫌いですが、重度の花粉症なので“一難去ってまた一難”という心境です。ただ今年の冬は去年よりも寒くなかった気がします。暖冬といわれていたことに加えて、入浴時間を長くすることやショウガ湯を飲むことを意識するといった温活に本格的に取り組んだ結果かなと思っています。日々調子の良さを感じているので、夏前までは温活を続けていき、夏には昨年ご紹介したvol.276『夏の涼温活』 に取り組もうと思っています。
どうやら温活に興味を持っているのは私だけでなく、世の中の関心事になっているようです。Googleトレンドで「温活」と調べてみると、2010年代から右肩上がりで検索数が増えていることがわかりました。

「温活」の検索数推移

出典:Googleトレンド

また最近では、私が実践している入浴や飲み物といったアナログな温活だけでなく、テクノロジーを活用した温活が浸透してきているようです。その習慣を「テック温活」と名付けてご紹介していきたいと思います。

最初に紹介するのは「ヒーター付きウェアでテック温活」です。これは最近増えている電動ヒーターが付いている服を着ることで、冬に体を温める習慣です。これは夏のファン付きウェアにも同じことが言えますが、少し前まではファンやヒーターのついている服を着ている人はまだ珍しく、外で長時間作業する方などに留まっていたように思います。しかし最近ではオシャレなヒーター付きダウンや、一見普通のものと変わらないヒーター付きのスーツが登場しているようで、室内でもテック温活ができるようになっています。また子供用の商品も売られており、幅広い年代に広まりつつあるといえます。

次に紹介するのは「こっそり内側でテック温活」です。温活は体の冷えを解消するだけでなく、女性の生理痛を和らげるといわれています。最近は貼るカイロや腹巻きだけでなく、テクノロジー感のある温活装置が女性に売れているようです。具体的には、充電式の電熱腹巻やインナーに装着する温活装置が挙げられます。アナログな温活手法とは異なり、温度を調整できるため特に冷える日や寒い場所ではしっかりと温められますし、必要ない時は一時的に停止することもできます。またEMS機能付きの商品まで出現しており、こっそり温まるだけでなく筋肉に電気刺激を与えてこっそり鍛えることも可能になっているようです。

次に紹介するのは「お灸でテック温活」です。元々ハードルが高かったお灸がセルフでできるようになったことで人気になっていることはvol.247「薬草で冬支度」 でも紹介されています。事実、Googleトレンドで「お灸」という検索ワードを見ても、美容業界でひそかにブームが来て書籍発行もされた2016年あたりからグッと検索数が増加し、今も持続的に検索され続けていることが伺えます。

「お灸」の検索数推移

出典:Googleトレンド

さらに最近では薬草を使ったものだけでなく、「電動お灸」と呼べるようなテクノロジーも登場しています。名前の通り、火を使わずに繰り返し使えるデジタルお灸で、ボタン一つで手軽に気になる部位を温めることで血行を良くするそうです。肩こりや腰痛にも効くとのことで年間を通して使えそうなのも魅力ですね。お灸が家電にまで拡大しており、家電量販店でも売られているようなので「お灸でテック温活」は今後さらに浸透していくかもしれません。

最後に紹介するのが「アプリでテック温活」です。食事管理アプリなどと同じように、その日の自分の食事や体重、体調悩みなどを入力することで、おすすめの温活法を教えてくれるアプリが出現しており、私の周り含めて少しずつ浸透してきています。その日の天気予報とも連動しているようで、特に冷えが激しい日には通知をしてくれるので備えやすく、他のテック温活習慣とあわせて利用すると効果的です。他の方の温活情報も知れるようになっているので、自分の体調や気温に合わせて適した温活方法や、他の人が実践している温活情報をリコメンドしてくれることでテクノロジーの力を使ってその日の自分に合った温め方に調整できることが魅力になっています。

ではなぜ今このような「テック温活」が習慣化してきているのでしょうか。
習慣化した要因としては、大きく2つあると考えています。
まずひとつは、テクノロジーの進化です。体を温める装置の持続時間が長く・軽く・小さく・安価になったことで、誰でも気軽に着用できたり、持ち歩けたりするようになったことが大きいです。例えばヒーター付きのダウンやベストなどは大手ファッションブランドにてお手頃価格で展開されたことで、日本中で手に入りやすいものとなり一気に定着したように感じます。
もうひとつは、秋冬シーズン内での寒暖差の激しさです。暖冬といわれた今年の冬ですが、実は月内の旬(上旬・中旬・下旬)ごとで平年より気温が高い時期と低い時期を繰り返したそうです。1日のうちの日中と朝晩だけでなく、日や週といった単位でも寒暖差が生じていることから、柔軟にオンオフを切り替えられるテック装置や天気予報と連動したアプリのリコメンドが求められているのだと考えます。


最後に「テック温活」習慣を活かしたビジネスチャンスを考えてみました。

「テック温活」のビジネスチャンスの例
■指先が冷えた時に自動で温めてくれる「あたたか指サック」
■寒い日の切れ痔を防ぐ「お尻ぬくぬくテックパンツ」
■体質や体調、時期に合わせた温活ドリンクの素を届ける「パーソナル温活サブスク」
など

心も体もポカポカで、ヘルシーに過ごしていきたいですよね。
テック温活、はじめてみませんか?

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 関西支社第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2020年博報堂中途入社。前職から継続してストラテジックプラナーとして働く自称「関西支社の元気印」。4つ下の弟・9つ下の妹がおり、家族揃ってカープファン。コロナ禍で始めたゴルフのベストスコアはついに100を切って93に(正直まぐれです)。