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ヒット習慣予報 vol.198『ソロ充』
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ヒット習慣予報 vol.198『ソロ充』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です。

最近急激に寒くなりましたね。みなさん体調など崩されていないでしょうか。
先日、私と「急に寒くなったよね~」という会話をしていた先輩が、ウキウキした様子で「気温も冷たくてちょうどいいから、仕事終わりに一人でサウナ行って整えてくる」という話をしていました。
その言葉につられて、私も急に岩盤浴に行きたくなり、(サウナより岩盤浴の方が好きなので…)一人岩盤浴デビューを果たしたのですが、岩盤浴の施設に行くと、私のように一人で施設に来て岩盤浴を満喫している人が一定数いることに驚きました。
最近「ソロ活」という言葉を耳にする機会が増えてきている人も多いかもしれません。
今回はそんなソロ活の幅が広がり、ソロ活を楽しんでいる人たちに注目をしてみました。

まずは、ソロ活の定番ともいえる“ソロ食”の増加です。
焼肉や、お鍋など、これまで「複数人でワイワイする」場としてよく選ばれてきたこれらの飲食店ですが、最近、一人専門のお店や一人専用のメニューを用意するお店が増えてきています。
私の家の近くにも最近、一人焼肉の専門店がオープンしました。
従来の焼肉屋さんなら、一人だとそこまで多くのお肉の種類を食べられなかったのですが、一人専門のお店は少しずつ色んな種類のお肉が食べられるようメニューに工夫がされていたり、肉を焼くロースターも一人用サイズになっていたりと、おひとりさまにカスタマイズされたサービスを提供していて、毎回多くの人でにぎわっている様子でした。
一人専門店というような、専門性を推しだす店舗が増えてきたことで、一人で店に入ることに対するハードルを下げるという工夫も功を奏しているのかもしれません。

また、これは店舗に限った話ではありません。
外食での焼肉や居酒屋のようなメニューをおうちで楽しみたい、というニーズに応えるよう、天然石プレートを用いた一人焼肉用の焼肉プレートや、コンセントにつなぐだけ、1台でおでんや焼鳥、炙り、熱燗などが一人でおうちで楽しめる電気調理家電が登場し、話題になっています。
家でフライパンで肉を焼いたり、電子レンジで調理したりするのとは熱の伝わり方や雰囲気の違いなども加味されて、おうちにいるのに外食している気分になれることが人気の秘訣だそうです。
店や企業側の工夫もあり、一人でも美味しく食事を食べて楽しめる環境が整ってきていることも一人“食”増加に影響しているのではないでしょうか。

*写真はイメージです

また、食事に限らず、ソロキャンプやソロアウトレット、ソロ温泉やソロサウナなど、複数人で行くことが従来の楽しみや価値だったアクティビティーもソロで行う人が増えてきています。
さらにはおひとり様限定旅行プランなど、企業としても“一人”に限定したプランを出すなどソロでの市場が現在活性化しています。
みんなでワイワイすることとは別の、その人それぞれに合った楽しみ方や、自分のやりたいことをやりたいように、遠慮なしに行動できること、一人でいることで生まれる新しい出会いや発見を楽しむことがソロアクティビティーの特徴のようです。

そして、以前よりソロ活をすることに対して抵抗感を感じる人が少なくなってきた中で、今度は自身のソロ活の様子をSNSにアップする人が増えてきています。
SNSを見ていると、食事や旅行先でのシーンを切り取った様子を投稿している人が多く、文面を読んでも「楽しい」「リフレッシュ」と言った、ポジティブな言葉を用いた投稿をされています。
このように、完全に一人で完結するのではなく、旅行に行ったり、食事をするのは一人でも、その思い出を他人とシェアするハーフ・ソロ活も増えてきています。

なぜこのようなソロ活をするような人が増えてきているのでしょうか。
やはり、新型コロナウィルス流行によって、複数人でワイワイすることにうしろめたさを感じる世の中になってしまったこと、それにより強制的に一人で何かをしなくてはいけない状況になったことが大きく影響していると考えます。
従来あった「一人」に対する周りの目線や、「一人で何かをする」ということに対しての気持ちのハードルが下がり、一人で行動することにチャレンジする人が増えた結果、意外と一人でいると自分のペースで行動できて楽だということ、みんなでワイワイできる楽しさとはまた違う、自分に向き合い、マイペースでいられることでリフレッシュできる楽しさに気づいた人が多くなったのではないでしょうか。
これまでより、ソロ活に対してポジティブな意識を持たれてきていることが、ソロ活=楽しいこと=SNSでのシェアで楽しい気持ちを記録・共有ということに繋がっていったのではないかと考えます。

最後に、「ソロ充」から見るビジネスチャンスについて考えてみました。
「ソロ充」のビジネスチャンスの例
■高級店のおひとり様専用コースを開発
■自分の推しが自分のためにコンサートを開いてくれている感覚になるアプリ開発
■ソロ活できる場所をみんなでシェアできるサービス

私もソロ岩盤浴デビューはしたので、次は何のソロ活をしようかな、とこの記事を書きながらワクワクしています。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 関西支社第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ち。社会人の4年間をかけて習得した標準語を、支社転勤により順調に失いつつあると実感したことが最近の少し悲しかったことです。