おすすめ検索キーワード
ネットにつながるテレビで変わるマスマーケティング~Atma開発の意味~
MEDIA

ネットにつながるテレビで変わるマスマーケティング~Atma開発の意味~

生活者のメディア接触行動は複雑化しています。
その複雑化しているメディア接触行動を把握して、コミュニケーションデザインすることにより、より高い広告効果を追求していくことは大きなテーマです。
とりわけ、多くの広告投資がされているテレビとデジタルの接触行動を把握し、双方での広告接触をデザインすること、そして、その後の生活者のアクション(広告主サイト来訪、購買、来店等)との関係を解明すること、また、そこで得られた分析結果を次のプラニングに活かすことが非常に重要だと考えています。
そのためには、テレビでの接触を大規模に把握し、デジタルでの閲覧データとつなぐことが必要でした。大規模でないと、生活者の接触、並びにその先の行動を見逃してしまうからです。テレビの接触データは、今までは調査パネルに対する数千サンプル規模のデータしかありませんでしたが、地方波放送、BS・CS放送を受信して視聴するオフライン機器であったテレビ受像機が、インターネットに接続され、オンラインで利用される環境が進んできたことにより、大規模なテレビ接触データが生まれてきました。

テレビのインターネット接続が増えている理由としては、「視聴可能な動画サービス、情報サービスの充実」「家庭のwifi設置、テレビへのwifi搭載の増加」「テレビに搭載されるチップの向上(処理スピードの向上)」などがあげられます。それによって、テレビを販売している店頭でも、インターネット接続して利用する機能が説明され、テレビ購入後の設置時に、テレビ受信設定と同時に、インターネット接続の設定がされているのです。

このテレビのインターネット接続率の増加は、テレビメーカーが利用許諾を取得した上で収集している視聴ログデータの増加につながります。
我々の調査※では、2015年以降に購入された大型テレビの5割以上(全国を対象にした調査)が、インターネット接続されているという結果がでています。また、総務省の予測では、2020年の4Kテレビの累計出荷台数が2,300万台程度とされていて、その5割がインターネット接続されているとすると、2020年には、テレビの視聴ログデータの規模が1,000万台を超えていると捉えています。
(※2016年3月、インターネット調査)

2017年9月にリリースしたAtmaは、増加していくインターネット接続されているテレビとPC・スマートフォンとの間をクロスデバイスで紐づけすることによって、生活者DMPに大規模なテレビ視聴ログを連携させ、アップデートさせたソリューションです。
Atmaのポイントは
① テレビ×デジタルの広告接触把握が全国レベルで可能に
② 大規模だからこそわかるテレビ広告×実行動の実態とそれに基づくPDCA
③ テレビ広告接触状況に応じたデジタル広告配信により、可能になるテレビ広告×デジタル広告の詳細設計
にあると考えています。

Atmaによって、マスマーケティングも大きなアップデートができると感じています。
それは、大量に、画一的に、同報するテレビによるマスマーケティングの力を最大限高めるアップデートです。

広告主のターゲット含有の多いテレビ広告の出稿プランは、以前から行われていましたが、実際のテレビ広告接触状況を把握し、その接触状況に応じたセグメントによるデジタル広告プラン、デジタルマーケティング施策までを直接つなげてコミュニケーション設計することはできませんでした。また、テレビでの広告接触状況とWeb上での検索や広告主サイト来訪などの実行動、購買や来店などの実行動を365日24時間モニタリングすることにより、今まで把握できなかった実行動ベースでのテレビ広告効果の確認と実行動をベースにしたテレビ広告プランも可能になると考えています。

既に、複数の広告主に、テレビとデジタルの最適な広告接触回数(フリーケンシー)の分析や、広告主サイト来訪や来店などのKPIにしたテレビ番組の評価などを提供しはじめています。

Atmaのテレビ視聴ログデータは今後も増え続けると同時に、それとつながる行動データも増やしていきたいと考えています。目指すは、マスマーケティングのさらなるアップデートです。

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 博報堂DYメディアパートナーズ  データドリブンビジネス開発センター  センター長代理兼テレビテクノロジー&データ開発部
    1999年より、メディアプラニング業務・プラニングシステム開発業務に従事。
    その後、新しいテレビプラットフォームの研究・開発、動画ビジネス開発、メディアプラニング、メディア価値証明、テクノロジー進展のビジネス活用などの業務に幅広く携わる。
    現在は、Atmaの開発責任者を担う。