2018.07.24

記事・コラム

ヒット習慣予報vol33 『限界食』

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こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。

いよいよ夏本番。皆様いかがお過ごしでしょうか?
今年関東甲信越は観測史上最も早い梅雨明けということで暑い期間が長く感じられ、私はお盆を前に既に夏バテ気味です。。。

「そんな夏バテ防止に効くのはなんといっても辛いもの!」と思いコンビニやスーパーに立ち寄ってみると、実に多くの「激辛」をうたった商品があることに気づきました。もちろん夏は辛いものが食べたくなる時期なので自然なことだとは思うのですが、試しに「辛い」で検索をかけてみるとここ数年で検索数が上がっていることがわかりました。

「辛い」検索推移

出典:Topic Finder

少し周りを見渡してみると、最近は「辛い」以外にも食や飲料に対して強めの刺激を求めた、少しエクストリームなものを好む傾向があることに気づきました。そんな食べ物を「限界食」と名付け、今回は考察してみたいと思います。

例えばあるインスタント焼きそばの商品は、通常の4倍サイズの商品の発売で話題になりました。特盛りサイズのその焼きそばのカロリーは実に2142kcal!成人男性の1日の摂取目安カロリーは2,600kcal、女性は2,000kcalと言われているので、まさに一日分の「限界」を追い求めた食べ物になっています。

また、最近では「強炭酸」もブーム。より強く炭酸を感じられる商品が人気を集めています。あるメーカーは、ペットボトルのボトルとキャップの形状を変更することで限界まで炭酸を楽しめるような工夫をするこだわりようです。

また、「ストロングチューハイ」と呼ばれるような、7〜9%の高アルコールの缶チューハイも節約志向を追い風に市場を大きく拡大しています。今月には、あるコンビニチェーンのPBとしてアルコール度数12%の限界に挑戦した商品の発売も発表されています。

「高アルコール」「強炭酸」「カロリー」検索推移

出典:Topic Finder

これらの商品の人気もあり、「辛い」に加えて、「高アルコール」「強炭酸」「ハイカロリー」等のキーワードの検索も上昇傾向にありました。

それでは何故人はこのような「限界食」を食べるのでしょうか?
具体的にtwitterで限界食を取り入れている人の声を検索してみると、

・ストレス発散のために辛いものを食べる!スパイス効果で汗をかき、代謝を上げている。
・次の日仕事でお酒が飲めない時は強炭酸水のスカッと感でストレス解消をしている。
・仕事帰りの強アルコールチューハイを楽しみに今日も頑張る。
・深夜に大盛り焼きそばを食べきれるか、チャレンジをして楽しんだ。
等の声が見られました。

どうやら皆さん日常のストレス解消や、ちょっとしたエンタメ性を求めて「限界食」を取り入れているようです。

そんな、日々の抑圧から解放されたいという話と近しいテーマで、「アダストリア スタイル研究所」が実施している「リアルスタイル・サーベイ」では以下のようなリリースが発表されていました。

このリリースでは、「周囲に合わせたり、空気を読んで生活するのに疲れる」という「同調圧力」の反動で、日々のしがらみからちょっとだけ解放されたい、働く女性の「プチ解放」を紹介しています。リリースでは「プチ解放」の一例として、「コンビニのスイーツ大量買い」「ラーメンに他の炭水化物をつけること」等が調査対象者の声として上がっており、皆さん思い思いに「限界食」を楽しんでいるようでした。

このように、「限界食」は日常の中の小さな抑圧やストレスからの解放のためのツールになっていることが伺えます。そして、今の「限界食」はたまたま「辛い」「お腹いっぱい」「スッキリ刺激」「酔っ払える」がトレンドになっていますが、今後は「甘い」「苦い」「ヘルシー」等、新しいジャンルの「限界食」も誕生していくかもしれません。

これまでのヒット習慣予報でもビジネスチャンスの例をいくつかご紹介しましたが、
「限界食」にも色々なビジネスチャンスがあると考えます。

「限界食」のビジネスチャンスの例
■ 限界まで糖度をあげたスイーツをコンビニで販売し、働く人の味方になる。
■ 限界まで苦味をあげたパクチー茶でリフレッシュし、強い効能を感じる。
■ 限界までコクを感じる、超長期熟成チーズ。
など

お腹を満たすだけではなく、少し荒んだ気持ちをポジティブに展開してくれる「限界食」。
皆さんもぜひおいしく、楽しく生活に取り入れてみてください。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

プロフィール

鈴木 康司(すずき・こうじ)
博報堂 統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2007年 博報堂に入社。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。

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