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ヒット習慣予報vol.229 『最先端レトロ』
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ヒット習慣予報vol.229 『最先端レトロ』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの村山です。

いよいよ8月にはいり、夏真っ盛りですね。毎日暑すぎて、ちょっと外出しただけでも汗ダクダクになるので、ビショビショのハンカチをどうやって持ち歩くべきか困っている今日この頃です。少しでも涼しい環境で生活をしようと自宅でのテレワークでもついつい冷房を強めに設定してしまいますが、環境負荷を減らそうという機運が高まるなかで、「冷房を強くする代わりに、もっと環境にいいことできないか…!?」と、考えてしまうこともあります。

今回のヒット習慣予報のテーマはそんな環境負荷にも関係するテーマ「最先端レトロ」です。どこが関係あるの!?と思われるかもしれませんが、そもそもこのテーマは考えるきっかけになったのがレトロでかわいい・かっこいい旧車の外側を活用して中身をEV化(電気自動車化)してしまう「コンバートEV」事業者が増えている、というニュースを見かけたからだったりします。

「EV」の検索数推移

出典:Googleトレンド

Googleの検索数推移をみてもわかりますが、2020年あたりをきっかけに徐々に検索数の上昇が見受けられ、現在では5年前と比較すると約2~3倍の数を記録していることが分かります。コラムを読んでいただいている方の中にも、CMやニュースで「EV」という言葉を見聞きしたり、もしかしたら購入を考えている方もいらっしゃるかもしれません。EVは、自動運転技術などと合わせて、自動車業界を代表するまさに最先端の技術だと思いますが、それをあえてレトロな旧車に適用するという発想。このレトロな物性/情緒価値と、これからの社会に求められる最先端技術を融合した新潮流が「最先端レトロ」です。以前に、ヒット習慣予報でもvol.184「平成レトロ」というコラムがありましたが、日々加速的にテクノロジーが進化する中で、どこか温かみを感じる過去の文化をあえて楽しむ習慣が広がり、テクノロジーによってさらなる広がりがでてきているようなのです。古い欧米の車などはデザイン面で個性的・唯一無二の価値がありますが、どうしても「燃費が悪い」とか「修理部品がない」など様々な理由で諦めざるをえなかった人もいそうです。それが、走りの味は違うものの外装や内装はできるだけそのままに自分らしく楽しむことができるようになったのです。

この古いものにも価値を見出し長く愛しながら使う、という考え方は日本よりも欧州のほうが進んでいるのか、旅行しながら街を眺めていても、とても古く歴史的な住宅街のほうがむしろ高級住宅街だったりすることもありますよね。最近では日本でもビンテージの商品の価格が高騰しているようで、高級腕時計などは数十億円まで価格があがっているモデルがあったり、ビンテージのデニムも数十万円以上するものがよく売れているといいます。もちろん、投資対象として購入している人も多そうですが、(そもそもビンテージデニムがコレクションの範囲を超えて、投資の対象になっていることがすごすぎるのですが)、手触りがなく移ろいやすいデジタル社会において、テクノロジーでは再現できない“時間の経過”と“人間の技術”の結晶であるものの価値が見直され始めているのはとてもおもしろいなと思いました。(NFTアートのような、形のないアートへも投資が進んでいることを考えると二極化がすすんでいる、とも言えるかもしれません。)

他にも、アナログ・レコードがデジタル化された商品も発売されているようで、USBに対応したモデルであればレコード音声をスマホやオーディオプレイヤーに“持ち運んで”聴くこともできるようですし、カメラでもインスタントカメラ風の写真をスマホに転送する機能が搭載されている商品が発売されています。レトロなインターフェースもテクノロジーでアップデートされることで、復活する、なんてことも次々と生まれそうです。さらにレトロ、とはまだ言えないかもしれませんが、スマートフォンのリペアサービスもはじまってきているようです。スマートフォンもいま見返してみると初期の方が少し野暮ったくて!?かわいいかもしれませんし、廃棄しないので電子ゴミをへらすことができる、というサステナブルな社会への実現にもつながる技術だと思います。

なぜ今回ご紹介したような「最先端レトロ」に注目が集まっているか、その理由はいくつか考えられますが、その一つは(前述のように)デジタル化した社会における“手触りのなさを補う欲求”が生まれ始めているからではないでしょうか。デジタルでできることが無限大に増えているからこそ、自分だけがリアルに所有しているという感覚や、この社会に唯一(もしくは少ししか)存在していないもの、PCやスマホの画面では表現できない風合い、などに対しての憧れや欲求などが高まっているのではないかと思います。もう一つがサステナブル社会も見据えて、「すぐ捨てる」ということではなく「長く使う」というライフスタイルへの共感が生まれ始めていることもあるかもしれません。ただ環境負荷を減らしましょう!と言われてもやる気が起きない方もいるかと思いますが、趣味や所有欲がきっかけになればもっと意識も変わるかもしれません。

最後に、「最先端レトロ」のビジネスチャンスについて、少し考えてみたいと思います。

「最先端レトロ」のビジネスチャンス例
■昭和のヒーローガジェットにヘルスケアアプリをインストールして健康玩具として発売。
■インターネット接続できる昭和ブラウン管テレビを発売。
■茅葺屋根がひろがる地方の集落を5G/IoTでサステナブルな街に。

最近は自宅の植物がふえすぎて最高です。日々何も考えずに植物を眺める時間がぼくにとってはデジタル疲れを癒やす時間なのかもしれません。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂 PR局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    車からお菓子に至るまで様々なクライアントの情報戦略、企画立案に携わる。運動不足でたるみきった体と気持ちを鍛え直したいと思い、筋トレを始めました。