おすすめ検索キーワード
連載【企業の「稼ぐ力」を最大化するRevOps】Vol.1 「RevOps」と何か?
BUSINESS UX

連載【企業の「稼ぐ力」を最大化するRevOps】Vol.1 「RevOps」と何か?

日本において企業が収益性を高めていくには、たんに商品やサービスを売るだけではなく、顧客との長期的な関係をつくることが必要とされます。マーケティング活動によって認知を広め、セールス活動によって顧客を獲得し、顧客を継続的にサポートしていくカスタマーサクセス活動によって長期的関係を構築する──。その一連の取り組みを「収益の最大化」という視点で連携させる新しい考え方が「RevOps(レブオプス)」です。
企業のRevOpsの取り組みを支援するソリューション「HAKUHODO Marsys Assessment for RevOps」をリリースした博報堂マーケティングシステムコンサルティング局、および協業パートナーであるバーチャレクス・コンサルティングのメンバーに、RevOpsの概要とソリューションが目指すものについて聞きました。

森田 智史氏
バーチャレクス・コンサルティング
常務執行役員/ビジネスインキュベーション&コンサルティング部 部長

白子 義隆
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局長代理兼
マーケティングプラットフォーム部長

荒井 友久
博報堂  マーケティングシステムコンサルティング局長代理兼
コンサルティング部長

ビジネスプロセスを統合し、収益向上を目指す

──はじめに、「RevOps(レブオプス)」について解説していただけますか。

森田
「Rev」はレベニュー(収益)、「Ops」はオペレーションのことで、RevOpsとは、「企業が稼ぐ力」を最大化するための仕組みをつくり、それを運用することを意味します。

RevOpsという言葉と考え方は、もともとアメリカのSaaSやサブスクリプションサービス業界が発祥であると言われています。それらの業界は「The Model」と呼ばれる事業スタイルによって拡大してきました。The Modelとは、顧客との関係づくりを、「マーケティング」「セールス」「カスタマーサクセス」といったプロセスに分け、それぞれのパフォーマンスを上げることで、ビジネス全体を成長させていくという考え方です。

RevOpsは、そのThe Modelの発展形と考えられます。分かれていたプロセスを「収益の最大化」という視点であらためてつなぎ直そうというのがRevOpsの考え方です。マーケティング、セールス、カスタマーサクセスのそれぞれの活動を、データや組織、オペレーションをつなぐことによって再統合し、稼ぐ力を最大化していくことをRevOpsは目指します。

荒井
The Modelの基本にあるのは、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスの各プロセスを個別に最適化していくというコンセプトです。しかし、個別最適が進んでしまうと、それぞれのプロセス間の連携が取れなくなってしまいます。

例えば、マーケティングのKPIが「問い合わせ数を増やすこと」だとして、その問い合わせを確実に売り上げにつなげるには、問い合わせをしてきた見込み顧客に対してセールス側がしっかりアプローチして、顧客化していかなければなりません。しかし、セールスのリソースが不足していたり、成約可能性の低い見込み顧客であったりする場合、マーケティングとセールスの有効な連携は難しくなってしまいます。

同様のことは、セールスとカスタマーサクセスの間でも起こりえます。RevOpsは、そのようなプロセス間のミスマッチが起こらないよう、全プロセスの連携を前提として個別部門を最適化し、収益を上げていくという手法です。

白子
RevOpsとは、トータルなCX(顧客体験)の価値を上げることで収益向上を目指す取り組みであると私は捉えています。マーケティング、セールス、カスタマーサポートという一連の流れによって企業が目指すのは、顧客に優れた体験を届けることです。しかし、それぞれのプロセスが分断していては、体験を統合的に届けることはできません。その統合化を目指すのがRevOpsであると言ってもいいと思います。

──RevOpsに注目が集まるようになってきた背景についてもご説明ください。

荒井
従来、カスタマーサクセスに取り組んできたのは、主にBtoB企業やサービス型の企業でした。つまり、商品の売り切りモデルではなく、顧客との長期的な関係の中で収益を上げるモデルでビジネスを展開してきた企業です。

しかし近年になって、BtoC企業の多くも売り切り型からサービス型にモデルを変えつつあります。顧客との関係を継続し、それぞれの顧客のLTV(生涯顧客価値)を上げていくBtoB型、もしくはサブスクサービス型のモデルを実現しようとするときに、RevOpsという考え方は非常に有効である。それが、RevOpsがいろいろな業界から着目されている1つの理由だと考えられます。

企業がRevOpsに取り組むメリットとは

──RevOpsの考え方は、従来の「統合マーケティング」に近いものと考えてよろしいですか。

荒井
統合マーケティングの射程を広げたのがRevOpsと言ってもいいかもしれませんね。統合マーケティングの取り組みが目指してきたのは、メディアやマーケティングファネルの統合です。そこにセールスやカスタマーサクセスという要素を加えたのがRevOpsです。
白子
ポイントはマーケティングとそれ以降の活動を「つなげる」ことです。プロセスをつなげるだけでなく、データやシステムを連携させることが必要であると私たちは考えています。
森田
プロセスをつなごうとした際に、プロセス間の流れを阻害するボトルネックが見つかることがしばしばあります。それを発見し解消していくことも、RevOpsの取り組みではとても重要になります。

──RevOpsに取り組むことによって、企業にはどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。

荒井
既存顧客のリテンション率を上げられることが、1つ大きなメリットと言えると思います。サービスや商品が多様化し乱立している中で、新規顧客の獲得コストはどんどん上がる傾向にあります。今後人口が減っていくと、新規獲得のハードルはさらに上がっていくはずです。その中で収益を安定的に上げていくためには、既存顧客との関係をより長く、より太くしていく必要があります。マーケティングやセールスと連携しながら、顧客体験におけるカスタマーサクセスの価値を上げることでリテンションを実現できるのがRevOpsに取り組む大きなメリットです。
森田
強調したいのは、RevOpsが確実に「レベニュー」につながる取り組みであるということです。これまでもバーチャレクス・コンサルティングはクライアントのカスタマーサクセス支援を行ってきたのですが、「カスタマーサクセス」という言葉やそれに取り組む意味がわかりにくいという言葉をしばしば頂戴しました。「ビジネスである以上、お客さまの成功に寄与するのは当たり前」とおっしゃる経営層の方もいらっしゃいました。もちろん私たちはそのつど、カスタマーサクセスの意義や方法論をご説明してきましたが、カスタマーサクセスをRevOpsの文脈の中に置けば、「収益を上げて成長していくための必須の活動」という非常にわかりやすいご説明が可能になると思っています。

──一方、RevOpsに企業が取り組むにあたっての課題がありましたらお聞かせください。

白子
RevOpsに必要なのは、大きな構想や戦略です。それがないとRevOpsはうまく機能しません。いかに構想や戦略を描くか。それが第一の課題です。さらに、その構想の基盤となるシステムをどうつくるかが第二の課題になると思います。
荒井
組織構成の課題もありますよね。新しいモデルを導入する際は、それをフィットさせるために組織の形を整えなければなりません。組織自体をすぐに大きく変えるのは難しいと思うので、部門横断型の新組織をつくること、あるいは横断型プロジェクトをつくることが必要になってくると思います。
森田
のちの横断型組織やプロジェクトの創生を目指して、まずは各部門のメンバーが参加する会議体をつくるのも1つの方法かもしれません。

課題の調査から解決までを支援するソリューション

──そのRevOps支援のためにつくられたソリューションが「HAKUHODO Marsys Assessment for RevOps」ですね。ソリューションの概要についてご説明ください

白子
私たちは2年ほど前から、「Marsys Assessment」というサービスをクライアントにご提供してきました。マーケティングに関する課題をスピーディに調査し、見えてきた課題に対する解決法を考え、さらに実際の解決までをサポートしていく。それがMarsys Assessmentです。このサービスの機能を、セールスやカスタマーサクセスまで拡大させたのがMarsys Assessment for RevOpsです。「戦略」「業務プロセス」「ITシステム基盤」「データ共有・活用」「人・組織」の5つの視点で企業の課題を調査・分析して、その解決法をご提案することを目指しています。

もっとも、博報堂は主にマーケティング領域での支援をしてきた会社なので、セールスやカスタマーサクセス支援の経験が豊富なわけではありません。そこで、その領域を手がけてこられたバーチャレクス・コンサルティングの皆さんとの協業という形でソリューションをご提供することになりました。

Marsys Assessment for RevOpsは、これまでのMarsys Assessment同様、まずは課題を明らかにするところまでをスピーディに実現するソリューションです。さらに、明らかになった課題を解決するために、博報堂DYグループのさまざまなリソースやサービスをご活用いただくことが可能です。データ基盤の再構築、メディアを活用したリード獲得、コミュニケーション設計など、さまざまな解決法に対応することができます。

荒井
現在、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいますが、なかなか思うように進まないという企業の皆さんも少なくないと思います。Marsys Assessment for RevOpsを活用いただいて部門間連携の形を再構築することによって、企業内のDXが進む。そんな効果も期待できると僕たちは考えています。

──Marsys Assessment for RevOpsをどのような企業にご提供していきたいと考えていますか。

白子
さまざまな業種・業態の企業にご活用いただけるソリューションですが、BtoC領域では営業活動が重要な生保、自動車ディーラー、不動産といった業種のクライアントにとくに価値をご提供できると考えています。一方、BtoBではとくにIT系企業の課題解決にお役立ていただけると思います。
森田
個人的には、このソリューションによってメーカーの皆さんにより元気になっていただきたいと考えています。Marsys Assessment for RevOpsを使えば、工場などとの連携の形を再構築して、これまでとは違った製造業のスタイルをつくれる可能性があります。それによって、世界における日本のメーカーの存在感が向上すれば素晴らしいと思っています。
荒井
サプライチェーン全体を射程に入れてレベニューを最大化できる可能性があるということですよね。博報堂はブランディングなどの領域で、メーカー系クライアントとの広範なおつき合いがあります。そのようなクライアントの皆さんにMarsys Assessment for RevOpsをご提案して、ご支援できる領域を拡大していくことを目指したいですね。

カスタマーサクセスが必須の時代に

──最後に、このソリューションを活用したクライアント支援にかけるそれぞれの思いをお聞かせください。

森田
今後人口減がいっそう進んでいったときに重要になるのは、ロイヤルカスタマーを増やしていくことです。そのために必要な取り組みがカスタマーサクセスです。Marsys Assessment for RevOpsのご提案を通じて、カスタマーサクセスという活動の重要性を多くの企業の皆さんにあらためてお伝えしていきたいと思います。
荒井
企業活動においてコスト削減は必須の取り組みですが、それには限界があります。「稼ぐ力」がなければ企業の成長もありえません。その力の強化を確実にご支援できるのがMarsys Assessment for RevOpsです。ぜひこのソリューションを活用して、稼ぐ力を伸ばしていただきたい。そう考えています。
白子
Marsys Assessment for RevOpsは、名前のとおりアセスメントを主体としたサービスですが、本当に大切なのは、調査後の課題解決と、それによるクライアントの成長です。そこまでを視野に入れてこのソリューションをご提供していきたいというのが僕たちの思いです。いろいろな施策に取り組んでいるけれど、なかなか売り上げが伸びない。部門間連携がうまくいかない。ボトルネックがありそうだけれど、どこにあるかがわからない──。そんなお悩みをお持ちの企業の皆さんに気軽にご相談いただけたら嬉しいですね。

・「HAKUHODO Marsys Assessment for RevOps」の詳しいサービス概要はこちら
・資料ダウンロードはこちら

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 森田 智史
    森田 智史
    バーチャレクス・コンサルティング
    常務執行役員/ビジネスインキュベーション&コンサルティング部 部長

  • 博報堂
    マーケティングシステムコンサルティング局長代理兼
    マーケティングプラットフォーム部長

  • 博報堂
    マーケティングシステムコンサルティング局長代理兼
    コンサルティング部長