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ウンパルンパのタテガタ動画レシピ。 ~生活者はどんな縦型コントがお好き?~
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ウンパルンパのタテガタ動画レシピ。 ~生活者はどんな縦型コントがお好き?~

TikTokにはじまり、YouTube、Instagramと縦型動画の勢いが止まらない。学校あるあるやサッカーあるあるの投稿をする人気アカウントとして、TikTokで180万人のフォロワーを誇るウンパルンパ氏に、動画の作り方と、TikTokユーザーにどう寄り添って数字を取っていくのかについて、当社パートナーである株式会社OASIZの江藤優氏も交え赤裸々に語っていただきます。

注記:本記事ではTikTokやYouTubeショートなどの短尺動画、Instagramのリール機能を「縦型動画」という表記で統一しています。

今回のクリエイター

ウンパルンパ氏
2020年よりウンパルンパとしてTikTokアカウントを開始。誰もが体験したことがある濃い学校の先生等を題材にした学校あるあるネタでブレイク。サッカーにも造詣が深く、サッカーあるあるネタやネイマール等の著名サッカー選手とのコラボでも人気を博す。

江藤 優 氏
2019年よりBytedance株式会社のインターンとして、クリエイターパートナーシップ部門に従事。100以上のアカウントを担当した後に独立し、現在は200万フォロワーを有するクリエイターとともにOASIZを創業。国内外の膨大なリサーチに基づいた制作のもと、企業の継続的なバズと質の高いエンゲージを提供する同社の代表取締役を務める。

ウンパルンパは何者!?

ウンパルンパ
2020年からTikTokでの活動をはじめまして、主にコント動画を制作し配信しています。学校や部活の面白ネタやサッカーネタが中心で、見ている人が「学生時代こんな人いたよね」「懐かしくて笑える」と笑顔になってくれるような内容が中心です。もともと、大学時代は教員を目指していたんですが、コロナ禍で時間ができたのをきっかけにTikTokをやったところ、学校あるあるシリーズがバズり本格的に活動するようになりました。
江藤
ウンパ君が他のクリエイターと違う点は、学校あるあるなどをやり続けて有名になっていくなかで、リアルイベントに呼ばれる機会が多い点。こういう人は今まであまりいなかったと思います。有名どころでいうと、HIKAKINさんくらいですかね。配信しているコンテンツが面白いだけではこうはなりません。

イベントやメディア側の人から見て、ウンパ君の何が魅力なんだろうと考えたときに、「ものすごく良い人」であるというのがかなり大きい。情緒的な話に聞こえてしまうと思いますが、謙虚で低姿勢なうえに感じが良いので、現場にいるとみんなの温度がちょっとずつ上がる存在なんですよね。人間ウンパルンパとしてみんなの脳裏に焼き付いているのかなと思います。

ウンパルンパ
ありがとうございます。自分ではそんなに謙虚だと思ってはいませんが、活動をするなかで第一線を走っている色々な人たちに会ってきたので、自分なんて全然大したことないなというのは実感しています。あとは母に「調子に乗ったら許さない」とずっと言われ続けてきたので、母の教えを守って生きています(笑)。

左:江藤氏/右:ウンパルンパ氏 

誰もが共感する学校ネタや世界的なシェアがあるサッカーネタで数字を取りにいく

ウンパルンパ
一番最初に投稿した動画は芸人さんのモノマネ動画でしたが、全くバズりませんでした。アカウントの方向性を模索するなかで、芸人さんのモノマネをするだけだと元ネタの旬が終わってしまうと、同時に自分のアカウントも伸びなくなってしまうことに気づき、誰もが共感できる学校・部活あるあるネタに転換してみました。このテーマで1日10本投稿したところ、そのなかから再生回数が100万回いくような動画が現れたのが、アカウントがぐっと伸びた最初のきっかけでした。特に学校の生徒指導の先生やサッカー部の顧問のような厳しい系の監督シリーズが、どハマりしたと思います。
@unparunpa1028 #あるある #あるあるネタ #部活あるある #監督あるある #サッカーあるある ♬ オリジナル楽曲 - ウンパルンパ
@unparunpa1028 #学校あるある#先生あるある#生徒指導あるある#学年集会あるある ♬ オリジナル楽曲 - ウンパルンパ

ただ、ちょっと再生数が落ちたタイミングがあって先のことが心配になったんですね。このままでは埋もれてしまう、もっと大きな市場を狙わねば…と。そこで、自分が学生時代にずっとやってきたサッカーをネタにできるか挑戦しました。サッカーあるあるや久保建英選手のモノマネをしたらまたバーンと跳ねてくれたんですが、やはりまた落ちるタイミングが来る。そこで今は、こんなやついねえよという動画や色々な有名人とコラボする動画などの「サッカーないない」コンテンツを中心に上げています。コラボは面白いですね。自分のフォロワーだけでなく、コラボ相手のファンも喜んでくれることで、相乗効果で再生数が伸びるのを実感しています。

今後は、今まで取り組んできたものにより磨きをかけて、リアリティさを増していくのが目標です。あとは、海外のフォロワーも獲得できれば良いなとも思っているので、ちょっとだけ英語を勉強しています。

江藤
スポーツ人口が世界一多いサッカーネタをやれるのは強みですよね。サッカーゲーマーのISHOWSPEEDやインフルエンサーを集めた7人制サッカー大会のキングス・リーグは全世界的に人気。サッカーかつ英語で海外ユーザーに刺さるようなコンテンツを配信できれば、さらにウンパ君のアカウントは伸びるのではないでしょうか。

コントだけでなくさまざまな種をまいて自分の軸を増やしていきたい

ウンパルンパ
サッカーでいうと、僕はWINNERSというインフルエンサーのサッカーチームに入っているんですが、そこでは大真面目にサッカーをすることもあります。本気でプレーをするなかでミスもするし、点も取る。その姿を見せるなかで「あれ、ウンパルンパって普段ふざけているのに本気でやらせたらサッカーかなりうまいじゃん」とパーソナルな部分を好きになってくれる人が増えたように思います。
江藤
ウンパ君がWINNERSに入って少しずつ活躍を積み重ねていく感じは視聴者からすると夢があるよね。ガチのサッカーインフルエンサーと比べて自分の想いを投影できるというか。
ウンパルンパ
WINNERSの試合でゴールを3点取ったことがあるのですが、ゴールシーンの切り抜き動画がTikTokで広く拡散されたんです。切り抜き動画を見て「この人誰だろう」って深掘りして自分のところにたどり着いた人が結構いたみたいで、そこでまた数字が跳ねた。切り抜き動画の効果を体感しました。

WINNERSをはじめるきっかけになっている考え方でもあるんですが、僕が活動するなかですごく意識をしているのが、自分のなかの軸を可能な限り増やすということ。当たり前ですけどひとつの軸しかない人と三つの軸がある人を比べたら仕事の量、フォロワーの見方、飽きられるスピードが全然違うと思います。WINNERSのガチサッカーが好きな人もいれば、久保選手のモノマネを好きな人、生活指導の先生ネタを好きな人もいたりと、軸が多いほどアカウントの寿命も長くなるはずなので、今後も色々な種をまいていきたいです。

「ウンパルンパ」のタテガタ動画レシピ

レシピ 其の1:キャラクターとシチュエーションの組み合わせ次第でネタは無限大

江藤
そもそもネタってどうやって作っているんですか?
ウンパルンパ
初期の頃は自分の学校生活を振り返って、こんなウザい奴いたなとか怖い先生がいたなとかをどんどん書き出してネタにしていました。ただ、思い出だけだと500本くらいでネタが尽きてきたので、そこからはこういうシチュエーションがあったら面白そうだな、という妄想をするようになりました。たとえば【めちゃくちゃ怖い先生×つまずいてこける×生徒が笑う×先生がブチ切れる】という動画があったら絶対面白いじゃないですか。この動画の要素やシチュエーションをちょっと変えるだけでまた違うネタが作れるので、組み合わせを色々考えるようにしています。

江藤
キャラクターづくりにあたって心掛けていることは?伸びていくキャラクターに共通していることってあります?
ウンパルンパ
ウザいキャラクターをどう作るかは大事かもしれません。偉そうだったり、理不尽だったりするウザいキャラクターが、最終的に酷い目にあう動画はやっぱり伸びる。視聴者としては、スカッとする動画が気持ち良いんだと思います。

特にウザい先生系は鉄板といっても良いかなと。厳しかったり理不尽だったりする先生に接することは学校生活で誰しもが経験してきていることなので、共感度が高いんでしょうね。

@unparunpa1028 #学校あるある #あるあるネタ #あるある動画 #先生あるある ♬ オリジナル楽曲 - ウンパルンパ

レシピ 其の2:演出なし!リアリティにこだわることで強まる共感

ウンパルンパ
動画を作るうえでものすごくこだわっているのが、リアリティです。おそらく学校を舞台にしたコント動画だとグリーンバックを使う人が多いと思いますが、それだとたとえば教室の椅子を引いたときの音とか出ないじゃないですか。だから、僕は本物の廃校を使って撮影しています。

似たような動画を投稿している人が多いなかで、僕が差別化できる部分がリアルな先生を表現する能力でした。小学生時代からずっと先生のモノマネをし続けてきたり、大学では教職を目指していたりしたこともあり、リアルな先生を表現することは人よりも長けていると思います。ネタの面白さや編集のクオリティだったら他に面白い人もいると思うんですが、たとえば部活の厳しい監督を真似する能力なら絶対に僕は負けないと思っているので、そこを追求しています。動画に映り込む全てをリアルにしていけば、視聴者としては学生時代にタイムスリップしたくらいの没入感を持ってくれると思うんですよ。こいつ本物の先生なんじゃね?みたいな。

僕はコント動画が多いんですが、たまに真面目な動画もアップするんです。バズったものでいうと「部活を辞めたい生徒の発言に対して完璧な返しをする顧問の先生」。これは200万回再生されました。僕の普段のおちゃらけた感じではなく、顧問の先生になりきって本気でやるからこそみんなが共感してくれるんだと思います。だからやっぱりリアリティは重要です。

江藤
ウンパ君は効果音やBGMも絶対使わないよね。
ウンパルンパ
そう、それもやはり自然な学校の生活音をそのまま生かして、リアリティを出したいから。あとは台本も作らない。台本があるとどうしても演技している感じになってしまうので、そうではなくてある程度の流れを頭に入れたらあとはアドリブでやります。

レシピ 其の3:大切なのは本気で取り組むこと。なぜなら生活者は本気を求めているから。

江藤
今生活者はどんなコンテンツを求めていると思いますか?
ウンパルンパ
何かに本気で取り組んでいる姿を見たいのかなと思います。もちろんお笑いも求められていなくはないと思うんですけど、WINNERSで本気でサッカーをしている姿が数字を取れるのはそういうことかなと。
江藤
本気でやっているかやっていないかってユーザーに伝わりますよね。本気でやっている風だったけど実はやらせだったとか、片手間でやっているのがバレてしまうとすぐ数字が落ちる。いくらコンテンツが面白くても、本気でやっていない人のことを好きにはならないので、慣れてきて楽をしはじめたらそのアカウントは危ないと思います。

あとウンパ君の場合は有名人に会ったときの本気リアクションが良いよね。ガチで感動しているのが伝わってきます。

ウンパルンパ
僕なんてちょっと先生の真似ができるくらいの普通の人でしかないんですが、TikTokをきっかけにネイマールに会えてしまうわけですから。それは心の底からウキウキしますよ。見てくれている人からも、「なんでこうなった、すげー!」みたいなコメントをたくさんいただきました。
江藤
コラボもたまにしかやらないから、それが良いんだと思う。これが常にハイクラスの芸能人とかとコラボをしていると、ユーザーとしてはそっち側になっちゃったかと感じて自分のワクワクを投影しづらくなってくる。ウンパ君はユーザーの親近感に振り切ったアカウントだよね。

チャレンジ企画:新卒社員のタテガタ動画レシピ

「私が縦型動画クリエイターになるとしたら…?」
この企画では、競争率の高い縦型動画クリエイター市場を生き抜いてきたトップクリエイターが「一般人が縦型動画クリエイター市場に参入する場合のコンテンツ戦略」をコンサルティングします。記念すべき第3回は、アイレップの新卒社員である村田啓介(仮名)さん。彼のプロフィールから、彼だからこそ実現できる縦型動画コンテンツ企画をウンパルンパさんにコンサルティングしてもらいました!

悩める新卒1年目、村田さん(仮名)。
TikTokやYouTubeショートクリエイターとして、村田さんが目指すべき方向性とは…?

ウンパルンパ
Jリーグのマスコットの名前をほぼ覚えているのはすごいですね。Jリーグ関係で何かコンテンツが作れれば良いのではないでしょうか。村田さんは一見おとなしそうな感じなので、その静かな雰囲気で無茶苦茶やるじゃんみたいな。ギャップと何かを掛け合わせたいですね。
江藤
リアクション系ですかね。サッカーの試合を見ながら本気で興奮する姿を見せる。たとえば、デ・ブライネのロングシュートが決まった瞬間にとんでもない動きをするとか(笑)。

あとは面白くできるのであれば、Jリーグのスタジアムに行ってvlogをやるのもあり。どんな内容が可能性ありそうですかね?

ウンパルンパ
観戦チケットを2枚買って、駅にいる人を誘って一緒に観にいくのはどうですか?
江藤
面白い!海外だと実は似たようなものがありますが、日本ではまだあんまり見ないですね。

ウンパルンパ
「僕に90分だけ時間ください、チケット2枚あるんで一緒にJリーグ見に行きましょう」と。で、試合が始まったら誘った人そっちのけで一人で盛り上がりまくるみたいな(笑)。リアリティもあるしギャップもあるし、本気度が伝わる企画だと思うので、ぜひ村田さんには挑戦して欲しいですね。

村田さんが、目指すべきアカウントの方向性
「知らない人とJリーグ観戦。」

Point
・市場の大きいアカウントテーマ(サッカー)を設定する
・その瞬間に巻き起こるドラマをリアルに描く
・道ゆく人を、本気で誘って、本気で観戦する

―知らない人を誘って試合観戦をするけれど、ゲストそっちのけで盛り上がる。
初めての人と喜んだり、悲しんだり、抱きしめ合ったり…。そのリアル感や違和感が重要なんですね。本日はありがとうございました。

■この記事の著者
松尾 良馬
2018年にアイレップにプランナーとして入社。CM制作から大型コンペの統合提案まで幅広くおこなう。2020年から博報堂DYホールディングスにて、AD Plus VENTURE制度のもと、新規事業の共同責任者として事業の立ち上げに従事。事業計画から商品開発まで、幅広い領域を担当する。2023年からは再びアイレップにて、広告プランナー・新サービス開発に携わる。事業の立ち上げ経験とクリエイティブを掛け合わせ、スタートアップ事業や新サービス立ち上げ等のプロモーションを得意とする。

※Hakuhodo DY ONEの総合Webメディア『DIGIFUL』の転載記事です。
※社名・肩書は取材当時のものです。

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