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そのアプリ、制作目的は?作った後のデータ分析がマーケ施策成功の鍵に
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そのアプリ、制作目的は?作った後のデータ分析がマーケ施策成功の鍵に

博報堂アイ・スタジオは2017年12月から「app growth driver with Repro」というサービスを提供しています。アプリを開発するだけでなく、その後の運用や改善、データ分析、マーケティング戦略の策定支援など、サービス内容は多岐に渡っています。サービス提供の狙いや、近年のアプリ市場の動向について、同社のデータドリブンクリエイティブ部、蔡 復全(さい ふくぜん)チームリーダーに聞きました。

-自己紹介をお願いします。

 台湾出身で、以前は日本の旅行代理店でECサイトのディレクターをしていました。サイトにたまったデータを分析してアクションを起こす、ということをやっていましたね。
博報堂アイ・スタジオに入社したのは2016年です。Webサイトに並んでアプリがトレンドとなる中で、アプリ開発をやりたいと思ったのがきっかけです。アプリ開発にも、それまでECサイト開発で培った経験が生かせると思いました。

-Hakuhodo i-studio app growth driver with Reproを開発した経緯を教えてください。

2017年12月にサービスを開始したのですが、サービス開発はその1年程前から始めました。きっかけは、企業がブランドや各サービスの独自のアプリを開発するケースがどんどん増えている一方で、アプリを作った後は改善せずにそのままというケースが多いと感じていたからです。現在でもそれはあまり変わっておらず、「アプリを作る予算しか確保していない」というケースが多くあります。そうした状況を変えて、アプリによる生活者のブランド体験を向上したいと考えました。
Hakuhodo i-studio app growth driver with Reproはアプリの提供者である企業の本来のビジネス目標やマーケティング課題を見据え、その施策の中で生活者とのコミュニケーションを良くするためのサービスです。博報堂アイ・スタジオの具体的なサービスとしては、アプリの開発や関連するクリエイティブの提供に加え、アプリ提供を開始した後の改善や、ビジネスプラン作りにも関わらせていただきます。
アプリが効果的に機能しているかどうかはいくつかの分析ツールを使って判断します。そのうちの一つが、提携したReproからご提供いただいているツールで、施策を実施した際に効果検証が容易に出来ます。SaaS型なので手軽に利用出来ることも特徴です。
アプリにおける行動データと、ほかのデータを組み合わせて分析出来るツールも使っています。これによって、EC機能を持ったアプリの場合、使った人が本当に商品を購入したか、購入までにどれくらい間隔が空いているかといったことが分かります。

-アプリのデータを分析する際、どういった視点から見ているのでしょうか。

視点は三つあります。一つ目は生活者の視点です。何故このアプリを使っているか、どんな行動を取っているか、といったことを見ています。
二つ目はアプリ提供者であるクライアント企業の視点です。提供している価値が実際にユーザーに届いているか、想定しているシナリオ通りにユーザーが動いているか、といったことを見ます。
三つ目は当社、博報堂アイ・スタジオの視点です。企業はプッシュ通知やキャンペーンなどのコミュニケーションを積極的にとりたいと考えがちです。例えば、プッシュ通知は企業にとって強力なツールになりますが、生活者のストレスがないように配信するのがとても重要です。このタイミングで、このメッセージの伝え方だったら生活者に気持ちよく受け取られる、といったことを分析などによって見極めていかなくてはなりません。ユーザーが欲しい情報を提供出来なかったり、配信が多過ぎれば、すぐに通知を“非許諾”に設定を変えられてしまいます。内容やタイミングをしっかり考え、自社とユーザーの双方にメリットがあるプッシュ通知の実現を目指すべきです。
当社は、デジタルクリエイティブカンパニーとしての知見を活かし、企業と生活者との間に立って、ちょうどいいバランスを見つけ、アウトプットにつなげるためにデータを見ています。

-そういった分析の視点や手法はWebサイトとは違うものなのでしょうか。

分析の手法は基本的に同じです。違うのはアプリのほうがデータを取りやすいことですね。アプリだと、使っている人のデバイスのIDが分かり、それがそのまま顧客を特定することになります。位置情報や厳密なアクセス時間が取りやすいのもアプリの特徴ですね。
Webの場合は、同じ人が家からもオフィスからも異なるデバイスでアクセスしたとするとデータが分断されてしまいます。Webサイトにログインしてもらわないと行動のデータが取れないのもアプリとの違いですね。

-提供するクリエイティブは、主にどういった部分に関するものでしょうか。

アプリのUXの設計からUIデザインの部分とビジュアルの部分ですね。上記の視点から、ユーザーに伝える最適なメッセージやタイミングを考慮した上で、バナー広告や、アプリ内のプッシュ配信用のビジュアルをご提供します。

アプリ改善はWebと違った難しさがある

-Reproと提携した理由を教えてください。

繰り返しになりますが、アプリ制作の「目的」は、本来のビジネス目標やマーケティング課題を見据え、生活者とのより良いコミュニケーションを構築するためであり、そのためにはアプリをリリースした後にも改善を続けることが必要になっています。当社は元々アプリの開発に強みを持っており、一方のReproのツールはリリース後の改善点を見つける際に非常に力を発揮します。そのため、当社とReproが力を合わせれば、非常に優れたサービスを提供出来ると考えています。

-アプリの改善を続ける場合、どういった難しさがあるのでしょうか。
Webサイトとの違いはありますか。

アプリはWebサイトとは違った部分で手間がかかります。iOSやAndroidなどOSが複数かあって、バージョンも沢山あります。バグを修正する場合でも、一個を直すと全てのOSでうまく動くか検証になり、且つユーザーにアップデートしてもらう必要があります。

-PDCAのレポートをどういう形で確認するのでしょうか。

データは毎日確認することが出来ます。例えば大きな割引キャンペーンをした後にダッシュボードを見ると、「集客数は増えていないがカートの投入率は増えたので、効果が出ている。キャンペーンのクーポンもよく使われている」といったことが分かるようになります。今週アプリを起動した人が何人いて、そのうち新規が何人で、プッシュの許諾率がどれくらいあるか、といったことも分かります。
データだけみているのではなく、データ分析によって、施策の実施内容なども臨機応変に変えていく必要があります。

アプリ市場が成熟し、生活者は厳しくなった

-アプリ市場は今どんな段階にあるのでしょうか。

4~5年前から成長が始まって、ここ1~2年で成熟期に入ったという印象です。アプリ自体が大きく変わったということはないんですが、アプリの数も種類も増え、利用する生活者の視線もより厳しくなっていますね。例えば、以前であれば家計簿アプリを使いたい場合に選択肢はそんなにありませんでしたが、今は山ほどありますからね。

-アプリを構築すると大きな効果が期待出来るのはどういった業態、業種の企業でしょうか。

小売、EC、ゲーム会社など、ダイレクトで顧客と繋がる業態の企業が効果的だと思います。新しいプラットフォームサービスやフィンテックのサービスを展開する企業なども相性がいいと思います。
当社はクライアント企業の業種、業態にあわせたアプリ開発、改善をご提供いたします。ご興味があれば、是非ご相談ください。

  • 博報堂アイ・スタジオ データドリブンクリエイティブ部チームリーダー リードグロースハッカー