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ヒット習慣予報 vol.410『童心リラックス』
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ヒット習慣予報 vol.410『童心リラックス』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です。
皆さんのリラックス法は何ですか? 旅行、グルメ、カラオケなど様々あると思いますが、私は少し前から“絵を描く”というリラックス法を時々取り入れています。なんだか気持ちがもんもんとした際に、ふと紙とペンを手に取り夢中で描いてみたところ、驚くほどすっきりした感覚になったことがきっかけです。子供のころは絵を描くのが好きだったはずなのに、大人になるにつれ離れてしまっていたこの習慣が、今の私にはつかの間の大切な癒し時間になっています。最近、このように子供のころやっていたことをあえて大人になってから行うことで、自分自身の癒しやリラックスにつなげている人たちが増えてきています。今回は、そんな習慣を「童心リラックス」と名付けいくつかの事例をご紹介します。 

まずは「絵本でリラックス」です。
絵本は子供への読み聞かせ用と思われがちですが、親子で読むことはもちろん、最近は自分のために購入する大人が増えています。実際に書店のオンラインサイトなどでも「疲れた大人に贈る、心がほぐれる絵本」「涙と余韻が残る感動する絵本」といった特集が組まれていたり、大切な相手へのプレゼントとして絵本を選ぶ人も増えているようです。忙しい日々の中で、短くてシンプルでまっすぐな言葉と温かい絵の組み合わせでつくられた絵本の世界に浸る時間は、大人になるにつれ固まってしまった気持ちをほぐすつかの間のひと時になっているのかもしれません。SNSでも「この絵本がいい」「心に響く」といった声がシェアされ、大人同士で新しい絵本と出会う輪が広がっています。

続いては「刺繍でリラックス」です。
小学校の家庭科で縫い物に触れた経験がある方は多いと思いますが、近年、大人になってから刺繍に取り組む人が増えています。実際にGoogleトレンドを見ても、その注目度は右肩上がりになっていることがわかります。 

出典:Googleトレンド(「刺繍」で検索)

100円ショップなどで手軽に道具を揃えられることもあり、初心者でも始めやすいのが特徴です。SNSでは、動画で手法を学ぶ人、自慢のオリジナルデザインを旅先で写真に収める人、Tシャツなどの小物に刺繍を施しアレンジを加える人など、自分らしいスタイルで刺繍を楽しむ姿が多く見られました。実際に刺繍を行っている友人に聞くと、「自分の自由な時間に少しずつちくちくと縫い進めていけるので無理なく続けやすい。少しずつ完成に近づいていることが目に見えてわかるのも楽しく日々の癒しになっている」と話していました。

続いては「日記でリラックス」です。
小学生の頃、宿題として面倒に感じながら書いていた日記ですが、今、あえてアナログで日記を書き出すことで自分の気持ちや思い出を振り返る人が増えているようです。その楽しみ方は数年分を記録して過去の自分と比較できる日記帳や、白紙の文庫本スタイルで自分だけの物語を綴るものなど多岐にわたります。実際に日記をつけている人に魅力を聞くと、書く時間は短くても、その日の楽しさを反すうしたり、過去の記述を読んで懐かしんだりする時間が非常に豊かなリラックスタイムになっているようです。アナログならではの書き出しが自分の気持ちの整理につながり、ほっこりとした癒しを与えてくれるのではないでしょうか。

ではなぜこのような「童心リラックス」が広がりを見せているのでしょうか。
背景のひとつは、アナログによる手触り感を通じたマインドフルネスに注目が集まっていることです。常にデジタルデバイスに囲まれた生活を送る私たちにとって、刺繍の針を進める感覚や紙にペンを走らせる音、絵本をめくる手の動きといった五感を刺激するアナログな行為は、脳をリフレッシュさせる貴重なスイッチになっている気がします。子供のころに親しんだ活動はルールがシンプルであるため、余計な思考を挟まずに目の前にあるひとつの作業だけに没入することができます。この“今これだけに集中している”という感覚が、情報過多な日常から心を切り離し、心を落ち着かせる癒しの時間として過ごすことができていると考えられます。また、日常になじませやすいタイパの良さという側面も見られます。仕事や家事に追われる大人にとって、まとまった時間を要するリラックス法は、実践できる機会が限れてしまいがちです。今回ご紹介した事例はいずれも、隙間時間を使って短時間で、あるいは細切れに分割して進められるという特徴があります。自分の都合に合わせていつでも中断・再開でき、時間をコントロールしながらリラックスできることが、ある種のタイパの良さとして受け入れられているのではないでしょうか。無理のない付き合い方で心理的な充足感を得られるからこそ、忙しい現代人の賢い選択として「童心リラックス」が注目され始めていると考えられます。 

最後に「童心リラックス」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。

「童心リラックス」のビジネスチャンスの例
■ アロマの香りを楽しみながら作品を作れる紙粘土キットの販売
■ お酒を楽しみながら絵本を読み、推薦コメントが書ける絵本バーの展開
■ 好みに合わせて短時間でできる切り絵や折り紙キットが届くサブスクサービス

これまで日記をつけることは三日坊主になりがちでしたが、もう一度チャレンジしてみようかなと思います。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • ストラテジックプラニング局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ちのマーケター10年目。ヘルシー&ビューティー関連が大好き。推し活で年代問わず友達が増え、日常生活がとても活き活きしています。