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インタラクティブコミュニケーション×成果報酬モデルで実現する新しい広告ソリューションサービス「ADsMINE」(前編)
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インタラクティブコミュニケーション×成果報酬モデルで実現する新しい広告ソリューションサービス「ADsMINE」(前編)

マスメディア広告にも効果の可視化が求められる昨今。博報堂から、成果報酬型かつインタラクティブなコミュニケーションを武器に、得意先の課題解決をスピーディに実現するソリューション「ADsMINE」が誕生しました。共同開発にあたったRAB青森放送、株式会社アービング、博報堂の各担当者に、開発の背景や概要、実際の事例、今後の展望などをうかがいました。

西澤 大樹氏
RAB青森放送
東京支社営業部

新谷 拓也氏
株式会社アービング
芸能部 チーフ

信川 絵里
博報堂 DXソリューションデザイン局
マーケティングプラナー

森田 英佑
博報堂 ミライの事業室
Hakuhodo JV Studio
ビジネスデザイナー

鈴木 研史郎
博報堂 DXソリューションデザイン局
マーケティングプラナー

■一挙三得のADsMINEサービス概要

森田
まずは開発の背景にあった、プロモーション施策における近年の課題感から説明させてください。広告予算がデジタルの動画広告市場にかけられる一方、個人情報保護への意識の高まりや3rd partyデータの規制強化などの影響でリターゲティング広告が廃止・抑制されたため、動画広告市場は岐路に立たされています。

また、メディアのDXが、マス広告などでの視聴率や掲載エビデンスのような形で成果を測る従来のやり方に加えて、ダイレクト商材を中心に費用対効果を最重要KPIとしたやり方も広がりつつあります。とはいえ既存のデジタル広告において明確な広告効果を可視化できているかというと、必ずしもそうではありません。理由は、各計測ツール、各媒体、各プラットフォーマーもデータを拡大推計して利用しているからです。従って、数値を参考にした傾向は評価できても、果たしてそれが最適なプロモーション施策なのかというと疑問が残ります。

そんな状況下において、新規顧客獲得を狙って開発したのがこのADsMINEというサービスです。
多段階の成果報酬型を採用しており※1、得意先の目標費用対効果に沿った形でのご提案が可能なサービスとなっています(※1固定報酬で行った事例もあり)。

信川
得意先には「ジャーニーや各ファネルごとに広告効果の可視化と効率化を図りたい」というニーズ、メディア側には「余すことなく枠を売りたい」というニーズ、そしてインフルエンサーや事務所側には「予算の大小にかかわらず幅広いプロモーション施策に関与したい」というニーズがありました。その三者をつないでみてはどうか、というのが本サービス着想のきっかけです。
まずは、ラジオ・ポッドキャスト・地方局CMなどの「メディア」枠と、タレント・モデル・有識者・芸人などの「エバンジェリスト(わかりやすく伝える人)」をクライアントと一緒に選定し、施策を考えていきます。
そこから施策の流れに沿って、企業のオウンドサイト流入、ページ遷移、初回購入などの計測ポイントを一気通貫で設計します。

金額は多段階式成果報酬モデルをとっています。
広告主が安心してトライできるよう、基本的に初期コストゼロ※2かつ成果報酬型で、マスとSNSの連携で確実な情報発信が担保され、インフルエンサーが数ヶ月にわたり商品の導入紹介・疑問解消など計測ポイントごとに訴求するという一挙三得のサービスとなっています。(※2見積もり内容によって費用の変動がございます。)

広告効果に関しては、記事や配信を見た後にコメントしたか、リンク先に飛んだだけか、あるいはカートに入れてその後も継続してくれたかまでを追います。ラジオ放送中や放送後に、配信者と聴取者がやりとりをしながら商品や広告内容の深堀りができるような場を設けるなど、相互コミュニケーションも大事にしているのが特徴です。

■ADsMINEの強みと、インフルエンサーマーケティングの次の形とは

信川
今や周知の事実ですが、メディアやインフルエンサーの「影響力」だけで市場を喚起するのは難しい時代です。
ステルスマーケティングに対する審査も厳しくなっています。PRであることを明確にしながらも、コンテンツの自然な流れのなかで商品の良さを最大限伝えて、共感してもらう必要がありますよね。
森田
多くの人にとって、商品を知るタッチポイントと購入するタッチポイントが変わってきたという変化もあります。そもそも購入に至るまでには2つのハードルをクリアする必要があります。
1つは情報収集の視点。
パッと見たときにターゲットの興味を惹くフックがあるかどうか。
もう1つは購入の視点。経済面やコスパを加味しながら生活者が吟味する段階なので、商品のエビデンス、競合商品、キャンペーン情報などを施策の延長線に埋め込んでいく。
それぞれのハードルに適したメディアを組み合わせ、タッチポイントを分けて設計するべきですし、商品購入がKPIなのであれば、結局は権威性向上施策(キャスティングやマスメディアなど)も含めてフルファネルマーケティングの設計をする必要があると思います。
信川
キャスティング業界ではどういう傾向が見られますか?
新谷
ファンがタレントを成長させたいという想いから、グッズや関連企業の商品などを買って応援するという、いわゆる“応援消費”が盛んですね。日本の場合はリアルのアイドルよりも、どちらかというとアニメ風アイコンのメンバーで構成されるアイドルグループやVtuberグループに関連する企画が盛り上がっている印象です。
鈴木
応援消費と言っても、タレントの魅力だけでファン愛を醸成するマーケティングには限界があります。そこで、タレント対ファンだけでなくファン対ファンの横関係を捉えて、「応援競争」を起こすのも手だと思います。
たとえば昔からタレント握手会など旨味を作って応援消費を促す戦略はありますが、近年はこれに加えて、応援量に応じた「ランク」を可視化する事が多いです。観客席で隣にいるファンに、自分のランクが負けていれば「もっと自分も」となる。YouTubeの投げ銭機能で、金額ごとにチャットが色分けされるのも似ている構造だと思います。
信川
私自身は、気になる商品はネット検索しつつも、SNSのアルゴリズムで挙がってくる情報から、自分の新しい“好き”がどんどんつくられていっている感覚があります。おそらく多くの人がそういう状況下にあるなかで、潜在ニーズがある層に、彼らが推しているトライブ――たとえば特定のラジオコンテンツに熱狂している人たちなど――を挟むだけで、彼らのフィードに乗ることができるのではないかと思います。
単純なインフルエンサーマーケティングでもタレントを使ったCMでもなく、特定のターゲットに影響力のある人に紹介してもらう場合、どういう企画であれば確実な効果が出るのか、期待した成果が出なかったときはどこで顧客が離脱しているのか。いかに潜在顧客とマッチするタレントを見つけるかという点は、難しいところでもありますが、ADsMINEはそこも追求しています。
森田
インフルエンサーマーケティングは、熱狂的なファンは動かせても、その周囲にいる商品ターゲット層からの反応は薄いというのが実態です。そこに必要なピースは、マスメディアのような権威性、内容に対する信頼性。その点において、すでに一定数のファンを囲っているようなタレントやインフルエンサーと、ラジオやテレビなどの信頼度の高いマスメディアを掛け合わせることができるのがADsMINEの大きな強みとなっています。
鈴木
僕は20代前半ですが、周囲では、推しているタレントが広告をやっているからといって、その商品を買うという感じではないですね。それよりも、推しのタレントがプライベートで身につけているものを、別のユーチューバーやインフルエンサー的な人が切り抜いて、「あの人が身につけているもの3選」などと紹介していると、そのコンテンツから買う方が多い気がします。実際、タレント着用アイテムをまとめたECサイトも誕生しており、そのサイト内だけでも年間流通額は9億円を超えているそうです。
そうした二次活用は今後もっと増えていくのかもしれません。

信川
なるほど。
キャスティングという視点からは、「企業が今後トライすべき人選」の判断軸
というものはあるんでしょうか。
新谷
適材適所という従来の視点だけではなく、商品の文脈から離れた意外性というのもポイントかと思います。ほかにないキャスティングが大きな話題を呼ぶこともありますね。
森田
広告会社としても、意外性があり、かつそのブランドの魅力を強化させ、施策に則った人を探すという点が難しい。一般的には知られていないけれど、ファンだけは知っている情報というのが鍵となったりするわけで、やはりタレントと普段接していて、そのタレントの現場感を熟知している専門家と直に連携するほうがうまくいくのかなというのは感じています。
信川
それから、一度買ってもらうだけの企画ではなく、継続して顧客になってもらうためのCRM的視点からも、ADsMINEは有効なのかなと考えています。たとえば一度商品を買った後に、「こういうトラブルがあればこのサイトを見てみてね」とか「こういう店なら対応してくれるよ」といったフォローアップPRを行うことで、買った後も得意先のオウンドに戻ってきてもらう、という試みです。
森田
メディアの定期配信と組み合わせれば、それは可能になりそうですね。たとえば毎週日曜日のある枠で、ひと月にわたって毎週違うタレントをアサインし、異なる角度から紹介することで、継続的なPRにつなげられると思います。
新谷
僕自身、一度信頼した店舗や商品は繰り返し訪れて同じものを買うような人間なので、“継続利用”してもらうような施策にインフルエンサーが寄与できるなら面白いと思います。SNSに投稿することでポイントとして加算されるなど、何かインセンティブがあれば嬉しいかもしれませんね。

後編に続く

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  • 西澤 大樹
    西澤 大樹
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