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SNSの運用サポートで、アスリートのさらなる“価値”を共創する
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SNSの運用サポートで、アスリートのさらなる“価値”を共創する

アスリートなどスポーツコンテンツの新しい価値を見つけ、最大化することで、スポーツビジネスの推進に取り組む株式会社博報堂DYスポーツマーケティング。競技パフォーマンスの向上だけに留まらず、ブランディング構築まで総合的に支援する「アスリートサポートプログラム」の一環として、SNS運用をサポートする「SNSサポートプログラム」をスタートしました。アスリート自らが情報発信することの意義、そして「アスリートサポートプログラム」の取り組みが目指す未来についてききました。

博報堂DYスポーツマーケティング
アスリートプロデュース本部 アスリートプロデュース1部 部長 佐々木 俊明
アスリートプロデュース本部 アスリートプロデュース2部 守本 公保
アスリートプロデュース本部 アスリートプロデュース1部 山口 学
アスリートプロデュース本部 アスリートプロデュース1部 宮原 優

競技以外でもアスリートの価値を高めるために

−はじめに「アスリートサポートプログラム」について教えてください

佐々木
僕たちはアスリートプロデュース部門として、スキージャンプの髙梨沙羅選手や、クライミングの原田海選手、スケートボードの白井空良選手、プロ野球の和田毅選手、女子プロゴルファーなどさまざまなアスリートとマネジメント契約をさせてもらっています。スポンサーのセールスや広告のキャスティング、メディア出演などをお手伝いするわけですが、そういったマーケティング領域だけでなく、もっと総合的なサポートをすることで、アスリートのニーズに応えていきたい。競技以外の部分でアスリートの価値を高めるためにどうすればいいか、アスリートのニーズをヒアリングしながら、様々なソリューションを創っていくという活動をしています。
第1弾として、遺伝子分析サービスを提供する会社と協業しながら、アスリート自身も認識していない遺伝子レベルの体質を把握したうえで、日々のトレーニングや食事に活用してもらうサービスをスタートさせました。
そして、第2弾となるのが今年6月に発表した「SNSサポートプログラム」。アスリートの魅力の発信方法としてSNSが注目されているなかで、使い方次第でいい方向にも悪い方向にも転んでしまう。そこをコンサルティングすることで、いっしょに価値を高めていこうという取り組みです。

アスリートの価値が上がることで、スポーツの価値も上がっていく

−SNSのコンサルに着目したきっかけは?

山口
ビジネスの視点で言うと、アスリートのキャスティング事業をしているなかで、企業側からSNSの投稿依頼が多かったというのがひとつ。優良なSNSを持っていれば、それが価値となってスポンサーさんが付いてくれるようになります。僕はセカンドキャリアも見据えてSNSのサポートをしていきたいという気持ちが強くて。アスリートというのは、現役時代はいろいろなメディアが取材を通じて情報発信をしてくれますが、引退するとそれがぱたりとなくなってしまいます。でも、現役中にSNSを育てておけば、ひとつのメディアを持てることになりますよね。それは次のキャリアに非常に重要なことだと考えているんです。
さらには、アスリートがSNSを活用して、どんなことを考えているか発信したり、影響力のある人間なんだということを広めてくことができれば、個人としての価値が上がるだけでなく、おのずとスポーツそのものの価値を上げていくことにつながっていくと思っています。

−SNSを運用するにあたって、アスリートならではの苦労などはありますか?

山口
アスリートは競技があってこそなので、タイミングによっては忙しくて投稿に手が回らなかったり、結果次第では気分的に更新するのがむずかしくなることもあります。なかなかコンスタントに投稿できないところに苦労しますね。
我々としては、競技日程にあわせて投稿スケジュールを組んだり、協業パートナーであるインフルエンサー&SNSマーケティングを手掛けるLIDDELL社から投稿回数や写真の撮り方、テキストについてアドバイスをもらいながらサポートをしています。

<本プログラムを活用した原田海選手(スポーツクライミング)のInstagram画面>

大切なのは、どう発信していくかというブランディング

−SNSをうまく使いこなしているアスリートはどんなところが上手なのでしょうか?

守本
批判を怖れず発言する姿勢や、信念を貫く、というブランディングがしっかりできているアスリートは素晴らしいと思います。
佐々木
フォロワーが多いからいいわけでもないですし、SNSだけでブランディングが確立できるものでもありませんが、いわゆるニュースで報じられることだけじゃない発見ってあるんですよね。
僕らもマネジメントさせてもらっているアスリートについては、“どう発信していくかと”いうブランディングの戦略もきちんと持ってサポートしていけるよう心がけてます。

自分の考えや嗜好を発信することが、次のキャリアにつながっている

−宮原さんは一昨年まで現役選手でしたが、SNSで困っていたことなどはありますか?

宮原
フォロワーが増えていくにしたがって、プライベートなことはアップしづらくなった、というのはありますね。応援してくれている方が見ているので、あまりプライベートをアップしていると遊んでいるように見られたり、甘いものを食べていたら減量大丈夫?と心配されるんじゃないかと思って(笑)。でも、なかなか直接お礼の言葉を伝える機会がないので、応援してくれる方に感謝の言葉を伝えられるという意味ではすごくよかったです。
SNSは自分をどう見せたいか、ということをしっかりイメージすることが大切だと思います。アスリートにもそこを意識してもらいながら、競技以外の側面を知ってもらえるきっかけとして活用してほしいです。

山口
アスリートは競技以外で注目される機会が少ないので、自分の想いを伝えられるのはSNSの場。それを活用できるかどうかで大きく違ってくると思います。今の時代、自分の好きなことを発信することでデュアルキャリア、セカンドキャリアへの道が開けることも充分ありえますよね。自分の考えや趣向を発信すること自体が、次のキャリアステップにつながっていると言えますし、そこを全力でサポートしていきたいです。

データを使って新しいビジネスポイントを生み出すことが使命

−今後、アスリートのサポートとして取り組んでいきたい分野などきかせてください

守本
競技面のサポートだけでなく、僕らの持っているネットワークで複合的なサポートができることが強みだと思っています。アスリート向けのファイナンシャルセミナーを開発して資産形成の面をサポートしたり、若い世代にもっとスポーツを楽しんでもらうための取り組みもやっていきたいですね。

佐々木
次世代に向けた取り組みとすると、今後海外で活躍していく選手に向けたメディアトレーニングのプログラムなどもニーズが高いと思いますね。
僕らはアスリートと深く付き合っていくなかで、「この人のためにもっとなにかやっていきたい」と思うようになる。それは大きな原動力の一つです。加えて、僕らの持つナレッジやデータで新しい収益機会を生み出していくことが使命だと思っています。アスリートからさまざまなニーズを聞いて、ソリューションを提供することで、我々にはアスリートに関する多様なデータが蓄積されていきます。それはキャスティングビジネスに役立てることもできるし、さまざまな領域の専門家と協業することで新しいビジネスを構想することにもつながる。単純にスポンサーと引き合わせますよ、ということだけではなく、アスリートの価値向上のための一手を打ち続けたいと思います。
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  • 博報堂DYスポーツマーケティング
    アスリートプロデュース本部アスリートプロデュース1部長
    アスリートのマネジメント、キャスティングなどを担う部署を率いる。学生時代は野球のプレーヤー。
  • 博報堂DYスポーツマーケティング
    アスリートプロデュース本部アスリートプロデュース2部
    学生時代の選手経験も活かし、ラグビー選手のエージェント事業も手掛ける。
  • 博報堂DYスポーツマーケティング
    アスリートプロデュース本部アスリートプロデュース1部
    トランポリン選手として2013年には世界選手権大会シンクロ優勝。30歳で現役引退した後入社し、「SNSサポートプログラム」の中心メンバーとして活動。
  • 博報堂DYスポーツマーケティング
    アスリートプロデュース本部アスリートプロデュース1部
    「博報堂DYスポーツ」所属のレスリング選手として日本代表などで活躍。引退後、博報堂DYスポーツマーケティングでアスリートビジネスに携わる。