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AaaSが創出するイノベーションと、次世代の広告メディアビジネス 第3部 広告主の事業成果最大化を実現する“AaaS”の各サービス群の紹介
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AaaSが創出するイノベーションと、次世代の広告メディアビジネス 第3部 広告主の事業成果最大化を実現する“AaaS”の各サービス群の紹介

広告メディアビジネスに革新をもたらす「AaaS」とは。
6月11日(金)に開催された宣伝会議主催のオンラインカンファレンスSIMCにおいて、広告メディア業界のDX推進にはたす役割や、実現する新しい広告・マーケティング活動の姿、今後の展望などについて、独自基盤システムや各種サービスの説明なども交え、3部に分けてAaaSを提唱し推進する博報堂DYグループから詳細な紹介を行いました。

第1部はこちら (https://seikatsusha-ddm.com/article/11794/)

第2部はこちら (https://seikatsusha-ddm.com/article/11800/)

■第3部:広告主の事業成果最大化を実現する“AaaS”の各サービス群の紹介

第3部では、株式会社博報堂DYメディアパートナーズAaaSビジネスプロデュース局長の飯塚隆博、同局AaaSビジネスプロデュース一部長の松浦伸二、同部の柴田真由が登壇。最初に、飯塚が改めてAaaSの概要や提供するサービスなどを紹介しました。「AaaSは、システムを基盤に統合メディア運用サービスを提供するもので、メディアDXによるメディア投資効果を最大化し、広告主の事業成長に貢献します」。
提供するサービスは、「基本サービス」と「付加価値サービス」の2タイプで、基本サービスは「デイリーでメディア(テレビ×デジタル)出稿のモニタリングが可能」「得意先KPIターゲットでのテレビの有効ゾーンがわかる」「競合のテレビ出稿がチェックできる」などがあります。広告主のKPIに基づいてプラナーやコンサルタントが提案する付加価値サービスには、「テレビ×デジタルでの最適配分の導出」「得意先KPIに基づいたテレビ×デジタルの運用」などとなっています。
飯塚はAaaSの4つのサービス群についても順に紹介。「Analytics AaaS」は、メディアやマ-ケティング施策の投資配分を最適化するもので、「メディア効果の事業貢献の診断」「目標KGI達成のKPI予測」「メディア予算配分の最適処方」ができます。利用した得意先からは「経営層に対して、広告プロモーションの売り上げへの貢献を説明できるようになりました」などの声が寄せられています。

「Tele-Digi AaaS」は、テレビとデジタルの統合的な管理、効果的・効率的な運用を可能にするサービス。「最適配分」「出稿デイリーモニタリング」「KPI最大化への運用」ができ、対象KPIは「リーチ&フリクエンシー」「ブランドリフト」「サーチ&ウェブコンバージョン」など多岐にわたります。得意先からは「テレビとデジタルを同一指標でモニタリングでき、逐一状況を把握できるのはありがたい」といった声があがっています。
「TV AaaS」では、テレビの高速PDCA化を、テレビ広告の効果の最大化を実現するサービスです。「運用型テレビサイクルの実現」「課題に応じたKPI設定」「テレビの新しい取り引き」が可能で、「アクチュアル」「リーチ」「サーチ&コンバージョン」「完全成果報酬型」などが対象KPIとなっています。得意先の感想には「テレビ出稿の社内説明力が上がった」などがあります。
「Digital AaaS」は、システム基盤を活用し、プラットフォーマーなどとも連携して、効果的・効率的なデジタル広告の運用を目指すもの。プラットフォーマーとの連携のほかに「デジタル広告のモニタリング」「テレビデータを活用したデジタル広告配信」ができます。モニタリング、プラニング、バイイングの機能があり、「デジタルの提案、改善のスピードが上がった」などが得意先の代表的な声です。

次に松浦が「TV AaaS」の概要や実践例について説明。「これまでのテレビビジネスは、プラニング、バイイング、オンエアーの予約型でしたが、これをプラニング、バイイング、モニタリングの運用型にするのが、TV AaaSの目的といえます。運用型テレビサイクルとは、KPIをモニタリングして、結果に応じてキャンペーンを最適化し、テレビ広告効果を高めていくものです」と松浦は話し、次の5つの実践例を紹介しました。

「CPA改善高速PDCA」は、局別や時間帯別、素材別などのCPAを分析し、出稿や素材の割り付けを変更し、キャンペーン期間中に最適化を図ったというもの。CPAのモニタリングにはGuhackを活用しています。
「完全成果報酬型」は、コンバージョン数に応じて課金するというもの。広告主と博報堂DYメディアパートナーズの間で、コンバージョン数によって課金する完全成果報酬型モデルを構築し、博報堂DYメディアパートナーズと放送局の間でも成果報酬支払いを行いました。
「アクチュアル常時接続」は、「買付GRP」「デイリーの視聴率速報」「AIによる視聴率予測」からアクチュアルの達成率をモニタリングし、キャンペーン期間中に最適量をオーバーバイし、改案交渉を行った例です。
「リアルタイムリーチバイイング」では、キャンペーンリーチをモニタリングし、リアルタイムでプランを更新しました。スポットは通常、発注時に枠を一括購入しますが、この例ではモニタリングして枠を追加購入し、リーチの最大化を図っています。
 

「枠効率最大化」は、放送局の協力のもと、最適化エンジンを駆使して枠の効率的な運用を図ったもので、広告主間での枠の入れ替えなどを行って、TARPの最大化に取り組みました。

柴田が紹介したのは、「TV AaaS」を支える「Guhack」と「速報アクチュアルダッシュボード」です。Guhackは、博報堂DYメディアパートナーズとGunosyが共同で開発したソリューション。ウェブ上のコンバージョンに対するテレビ広告の効果を、ダッシュボードで可視化します。たとえば、日別のKPIリフトと実績GRPの相関をグラフで表示したり、放送局や素材、枠ごとの評価をすることが可能です。
速報アクチュアルダッシュボードには3つのサービスがあり、ひとつは「スポットアクチュアル速報」。アクチュアルGRPやキャンペーンの進捗度を確認でき、スポットキャンペーンの管理に役立ちます。「スポンサーシッププログラムアクチュアル速報」は、提供番組管理に資するもので、タイム提供番組の各放送回のアクチュアルの推移を確認することが可能です。そして、「コンペティターアクチュアル速報」は市況管理を行うもので、市況・競合の出稿状況の把握することができます。
 

現在のAaaSの利用状況について、松浦は「TV AaaSだけでも約30件の実績があり、全体の実績は100件近くになっています」と報告。今後の取り組みについては、「対応するメディアをテレビ以外にも広げたいし、メディアだけでなく、KPIも増やしたいと考えています。また、放送局との取り引きに関しては、プロセスイノベーション(PI)化を推進します」としました。放送局との業務の革新、PIについて飯塚は「バイイングは現状では人手を必要とする作業ですが、AaaSは作業の効率化やコストカットなどにも貢献します」とつけ加えました。「AaaSは、多くの指標による広告の効果の可視化を実現し、さらに可視化の結果をアジャストすることも可能にしました。その一方で、放送局やプラットフォームの価値向上を支援することもできます」とした飯塚。AaaSを用いて、広告主、メディア、博報堂DYグループが一体となって広告・マーケティング活動の価値を上げ、高質な広告市場の形成を実現したいと語り、SIMCを締めくくりました。

第1部はこちら (https://seikatsusha-ddm.com/article/11794/)

第2部はこちら (https://seikatsusha-ddm.com/article/11800/)

 

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  • 株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
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