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Mixed Reality技術を駆使した新たなテレビCMの可能性。 日本テレビ×博報堂・博報堂DYMP MR CMプロジェクト
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Mixed Reality技術を駆使した新たなテレビCMの可能性。 日本テレビ×博報堂・博報堂DYMP MR CMプロジェクト

2019年3月に、日本テレビと博報堂・博報堂DYメディアパートナーズが共同で、来るべきスマートグラス時代に向けた、Mixed Reality(MR:複合現実)の技術を活用した、体感型で楽しめる「MR CM」のプロトタイプコンテンツを開発しました。(リリースはこちら)今回、開発にたずさわった、博報堂 スダラボ代表の須田和博と、第3クリエイティブ局の世羅孝祐、博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォームビジネス局の佐々木将人、日本テレビ 技術統括局デジタルコンテンツ制作部 チーフ・アート・ディレクターの藤井彩人さんと日テレラボ調査研究部主任の加藤友規さんに、プロトタイプ開発の裏側や、MR CMの可能性について話を聞きました。

MR CM開発のきっかけ

加藤
2018年6月にICT戦略本部という組織ができ、私と藤井が兼任しています。この組織では新規事業を目指したR&Dをしており、将来の事業の芽を見つけていくため、プロトタイプをつくってどのような事業の方向性があるかを検討するような形で活動しています。元々、Mixed Reality(以下MR)の研究をしていた藤井に入ってもらい、MRを活用したビジネスとして「広告」という形は必ずあるだろうと考えて、プロジェクトを進めていました。そのなかで、自分たちの力だけではなく、広告会社の方と一緒に知見をあわせて、クライアントへ提供できるようなクオリティのプロトタイプを創りたいと思い、元々日テレの「SENSORS」に出演いただいて、繋がりもあった須田さんへお声かけさせていただいたという経緯があります。

その背景には、広告の役割はこれからどうなっていくのか、という課題意識がありました。
今、私が所属している「日テレラボ」では、メディアに関わる生活者研究を行っています。若年層のテレビ離れは、やはり一番の課題だと思っています。若年層はウェブでの動画視聴に時間を割いていてテレビから離れています。また、ウェブでは広告は嫌われがちで、広告を見ないようにするために課金をしている人も少なくありません。ネット上で番組を観る視聴者も増やしていきたいのですが、広告を見てもらえないということに、ビジネスとしての危機感を感じています。そのアンチテーゼとして、「楽しんでもらえる広告」を作れないかと思いました。若年層の特徴的な行動として、強制的に見せられることを嫌がり、自分が好きなものに関しては積極的に情報をあつめていく傾向があると、博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所の調査で言われています。そこにMRの活路があるのではと思いました。
以前、産業能率大学と授業を行った際、テレビCMはそれ自体の世界観が面白いので自分が入り込めたら面白いのではないかという意見があった。すでに藤井が開発しはじめていた、MRで画面のなかの憧れのあの人に会える、という仕組みはひきがあるのではと思っていました。

藤井
僕が所属している部署は、社内の技術セクションで、番組のあらゆるCGを担当しています。CGという観点で、将来の映像体験はどうなっていくのかを考えていく中で、VRにももちろん取り組んだのですが、VRはどうしても別の世界に行くような体験が主になるので、いわゆるテレビスクリーン、オンエアと何か連動させるのはあんまり得意じゃないなという感触がありました。そんな中で、MRでホロレンズというものが出るらしい、という情報を2015年あたりにキャッチして、オンエアとCGのMRのようなものを連携させたサービスがありそうだね、と盛り上がりました。話だけではその可能性は伝わりづらいので、一度デモコンテンツを作らせてほしいと会社に提案し、社内でプロトタイプを制作することになりました。簡易的に車のCMのようなものを作ってみたのですが、あまりに簡単に作り過ぎてしまったので、さらに実現性の高いものを目指して広告のプロの方々と組む形で、ブレストから一緒にやらせてもらえないかというラブコールをスダラボさんにさせていただいた、というのが経緯ですね。
須田
僕らも、もちろん藤井さんと加藤さんが取り組まれているMRを見せてもらっていたので、すごく進んでいるなと思っていたんですよ!
藤井
須田さんたちが「風神雷神」のプロジェクトを京都で展示された後ぐらいに、僕らのMRを見てもらったと思います。僕らも京都で体験をさせてもらいました。
須田
2018 年の6月か7月に藤井さん加藤さんのMRのプロトタイプを汐留の日本テレビで見せていただいて、9月ぐらいに共同の声掛けをいただいて、そこから2~3週間に1回ぐらいのブレストからスタートして、年末年始の頃は毎週に近いペースで会って進めていましたね。完成は公開ギリギリ直前の2019年3月頭でした。

―かなり時間かけて、作られているんですね。

須田
実制作の前段階の「プランニング」にすごく時間をかけたんです。クライアントの業種ごとにどういうMR CMがいいのか?MRではどういうアプローチが効果的なのか?訴求型か?共感型か?恐怖か?エロか?などなど延々と真剣に考えました。作れるプロトタイプの本数も限られていたので、吟味の結果、より多くの業種をカバーできるような3タイプを作りました。
佐々木
今回、実際にセールスにつなげたいという目的も強くあったんです。ただ「やってみた」というデモだけで終わらずに、今後積極的にクライアントへ提案できるようにしたいと思っていました。野望でいうと将来的にスポット・タイムのCMにつながるような企画になっていくかもしれないということもあり、その目線で踏まえると、今回限られた本数のなかで、1本1本ができるだけファネル違いで刺さる、多くのクライアントに刺さるなどを踏まえて、かつ、体験もMRで新しい体験を付与できる、そんな代表的な事例をつくろう、という議論を初期段階でじっくりやっていたという感じです。

―今回のプロトタイプについて解説していただけますでしょうか。

世羅
今回3タイプのCMを用意していて、大きくそれぞれに役割と表現が違います。議論の中で、MR CMというものが、CMと比べて何がどう良くなるものなのかを考えたのですが、間違いなく各ファネルでの体験がより深くなるっていうのがあるよね、と。今回でいうと、認知、好意、理解の3つのファネルについて「よりインパクトのある認知」「体感による好意形成」、それから、「深い理解と、さらにその場でアクションにまでつなげる」という3つの観点で制作しました。こうしたジャンルのCMは元々あると思うんですが、それをMRがどれくらいより深い体験にできるのか、がチャレンジでした。
まず一つ目の「認知」では、今回はガムのCMを想定して作っているのですが、消費財の広告っていうのはまず認知、知ってもらうためにインパクトをどれだけ強められるかということでした。体験としては、ガムのキャラクターがパッケージから、さらにテレビから飛び出してきて、どんどん部屋を埋め尽くしていくというもので、「部屋を埋め尽くす」ということによる驚き、テレビから飛び出してくることによるインパクトで、より認知を体験によって高められるのではないかと考えました。

二つ目の「好意形成」ですが、こちらではビールのCMを想定しています。
ビールはブランドラブをつくっていく代表的な商材かと思うんですが、CMに出ている憧れのあの人が出てきて、その人と空間を共有できる、という体験が新たなブランドラブを生むのではないかということで、作りました。

三つ目の「理解からアクションにつなげる」CMは、保険のCMを想定しているのですが、これまでダイレクト系のCMは、基本的には伝えたいことを淡々と伝えて最後に電話番号を載せる、という形が多かったと思います。まずはより理解を深めるためにどうしたらいいかを考えてみました。MR CMでは、販売員が画面を出て、自分の部屋にバーチャル訪問して説明してくれ、特に重要なポイントは3D空間上にまとめられていきます。
さらにその後のアクションを、これまでの「電話をかける」という比較的ハードルの高いものから別の形に変えられるのでは、というチャレンジでした。今回のMR CMではその場で資料請求ボタンが出てきて、タップするだけで申し込みに進めます。新しいコールトゥアクションの形になるのではないかと考えています。

―CMというと15秒、30秒といった決まった長さがあると思うのですが、MR CMの場合はどのようになっているのでしょうか。テレビ上でCMが終わっても、部屋に残っていてくれたりするのでしょうか?

世羅
その点に関しては、今まさに皆でディスカッションしているところです。
加藤
元々、テレビCMって、CMの中で「○○で検索!」のように言われて、視聴者はスマホで検索をする、という流れができていますよね。その間もテレビでは番組は続いている。MRでやっている世界観って、やっぱりもう少し未来の世界なんですよね。5~10年後ぐらいに、日常的にスマートグラスなのかコンタクトレンズ型のものなのか分からないですが、そういうデバイスを普通に使うようになると、さっきの「スマホを持って検索する」という必要がなくなるじゃないですか。そんな世界になったとき、もっとテレビCMってシームレスに何かのアクションへつながるようになっていてほしいな、っていうのがあるんです。現時点でも、そのような世界での使用をイメージして作っているので、今、番組本編との関係性みたいなところっていうのはいったん無視してプロトタイプを制作したという段階です。でも、本来それぐらいシームレスにストレスフリーで、テレビで流れているCMと目に見えているMRのキャラクターなどが繋がっていってほしいし、必要あればMRがCM後も続いていってほしい、そういうところを起点に考えているってことですね。

―CMは番組の途中にあるので早く番組が再開しないかなと思われてしまったり、録画していると早送りされてしまったりすることもあると思うのですが、MRで面白い体験を提供できれば、もう少し長く見ていたいなと思ってもらえるCMになれるかもしれないですね。

須田
おっしゃる通りです。先ほど、加藤さんがおっしゃったような、「愛される広告」「自分から情報を探して見に来てもらえる広告」になればいいなと思っています。10分くらいの長尺でもそこに居て見ていたいような広告になってほしいし、毎日でもそのCMの中の人に会いに来てもらえるようなものが作れたら、これまでと全く違うモノやサービスの売り方ができる気がしています。
藤井
今はやはり我々の通常のセールスがテレビCMなので、今回のプロトタイプでは、そこを起点に考えたいなと思って作ったんですが、もしかしたら将来は自宅で楽しむコンテンツ自体が広告になっているというようなことがあるかもしれない。

―今後は、どのように広げていく予定でしょうか?

佐々木
現状のテレビCMでは、そのCMを見て実際にどれくらいの人が動いたのか、どのくらいのインパクトを与えたのかということを計測できる部分が増えてはいるものの、しきれない部分もあります。しかし、MR CMでは例えば今回のプロトタイプで、ガムのCMのなかで「ゲームで遊んでみる」を押したということは、このキャラクターに好意が持てたということが分かります。保険のCMであれば、「話を聞いてみる」を押したということは、興味・関心層であることが分かり、さらに資料請求までどれくらいの人がいったのかも分かります。そのような効果測定ができることもアピールポイントです。このようにMR CMを活用すると、CMでできることが更に増えていく、ということをクライアントへアピール中というのが現状です。嬉しいことに、番組放映後から問い合わせもいただいています。
世羅
これは、「続きはウェブで」の進化版だと思っているんです。今までは、CMの最後に「続きはウェブで」と言っているだけで、実際に何人が見に行ってくれたかは分からなかった。今後日テレさんの「mixta AR」などが普及し、AR/MRでの情報のオーバーレイが一般的な視聴環境になると、視聴再生時間やタップ数など計測できることはすごく増えてきます。
藤井
今はまだホロレンズが普及していないので、スマホから見ていただくことになるんですが、スマホだとスクリーンショットで、撮ったものを拡散してもらえる可能性がすごく高いなと期待しているんです。ARコンテンツと一緒に写ってみたり、一緒に踊ってみたりとか、そういうちょっとしたコンテンツの体験みたいなものをシェアしてもらう。そういう流れが作れるとより広告効果として拡散がしやすいっていうのがありますね。
世羅
今回のMR CMも、ビールのCMでは部屋に来たバーチャルタレントと写真を撮れるっていうおまけコンテンツを作りましたよね(笑)
加藤
MRの未来っていうのは、突然ドンッとくるとは思っていなくて、じわじわとくると思っているんです。それまでは、やはりスマホやタブレットから同じようなAR体験をするという、グラデーションする時期が何年間かあるんじゃないかなと思っていて。このプロトタイプを作って社内の人に見てもらうと、やっぱり番組制作のスタッフは取り入れたいと言ってくれます。グラスのようなものが一般化してきてMR CMが普及できるような未来があるんだったら今からでも取り組もうと解釈してくれるので、今回のプロトタイプも未来を見据えながら、現段階ではスマホでの企画でうまく進めていければと思っています。
藤井
番組と連動できるコンテンツは、番組視聴につなげたいっていうのもありますし、先ほどから話に出ている、番組と繋がっていないとき(放映中ではないとき)でも楽しめるデジタルプロモーションツールのような形で、普段使いで遊んでもらったり、一緒に写真を撮ったり、動画を撮ったりしたものをSNSで拡散してもらうようなキャンペーンにつなげたり、などを少しずつ進めています。
須田
MR CMの企画会議のときも、番組と同期した状態で見て体験するものと、番組とは同期しないで別の時間に体験するもの、その両方が必要なんじゃないかという議論になりました。最初はテレビと同期してCMが飛び出てくるという発想だけでしたが、オンエアが終わった後にゆっくり楽しめるようなものもあった方がいいだろう、と考えが広がっていきました。はたして、それはテレビCMなのか?もはやテレビCMの範疇を逸脱していますよね。その時、どうしても「広告とは何なのか?」ということを考えざるをえない。時代や技術によって、メディアの形は変わっていくので、その時代ごとに広告の形とか、視聴も含めたベストなユーザー体験というのは変わり続ける。だから、この先、普及するだろうMRで何が一番グッと来るのか?と考える。今藤井さんがおっしゃったように、まだ普及していないメディアでの広告の形を、先に考えて作っているようなところがあるので、「実売」に向かおうとすると様々な障壁が出現するんです。5~10年後には普通になっているメディアの販売と表現のテストを、今やっている。それは、とても有意義なことだと思います。

世界で最初の映画、最初のテレビCMと同じような、
スタートラインに立っている感覚

―開発にあたっての障壁はありましたでしょうか?

須田
一番大きかったのでは、「3Dだけではない」ということだと思っています。2Dの映像は基本的にモニターにキレイに出るので、2DのTVとARやMRとのシームレスな連動が、画質の差やテレビ枠との立体的な関係を、どうやったらうまく越えられるのか?が、考えるのが一番難しかったポイントです。2DのCMはこれまでたくさんやってきているのですが、MRで飛び出してくる部分に関しては、撮影も含めて未知な領域でした。被写体の服の色一つとっても、肉眼で見えるより明るめの服にスタイリングしておかないと、MRになった時に見えづらくなってしまう、など学びが多かったです。2DのCMでいうビューティー・ショットつまり、女性タレントをいかに美しく撮るかという部分も、MRではまだまだノウハウが足りていないところなので、今後、獲得していきたいスキルです。
世羅
どういう企画がベストなのかも作ってみなければ分からない部分だったと思います。
飛び出す映像が盛り上がっているときに、残っているテレビ画面には一体何を写しておくべきか。テレビ波で放映している以上、何か写しておかないとMR体験者以外にとっては放送事故のようになってしまいますので、テレビ画面だけでも成立しなきゃいけない。
2Dの画面と自宅のリビングを想定した3Dとがこういう関係性だとうれしいんじゃないかとか、びっくりするんじゃないかとか、そこがセットの企画にはなっている必要があるのかなと思います。ベタではあるのですが、テレビから出てくる、というだけでも意外と楽しめる。視聴者の方々にとっては、まだMR体験自体に新鮮な驚きがあるので、今の段階ではシンプルな企画のほうが受け入れやすいと思っています。
須田
そこが、まず「基本」だと思いますね。MR CMをプロトタイピングしている「今」っていうのは、映画というものが発明されたばかりの頃、テレビCMが初めてオンエアされた時と、同じようなタイミングだと感じています。世界で最初の映画上映っていうのは、実は機関車が駅に入ってくるだけの映像だったんですよ。リュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅への列車の到着』という映画。当時は、その映画を見たお客さんは、汽車がこっちに来た、危ない!というような驚きがあった。今、MRについては、まさにそのくらいの段階なんだろうな、と思います。また、日本最初のテレビCMは、時刻をお知らせするニワトリのアニメーションでした。これも想像するに、テレビCMも最初はプランニングの仕方がわからず、放送電波はリアルタイムに全国津々浦々に届くから時報がいいんじゃないか?と思いついたのがスタートだったんじゃないかなあ、と。そこからTV CMは、色んな演出家やプランナーが切磋琢磨し、人々に感動を与えるような広告、思いっきり笑える広告など、表現を練り上げ挑戦してきた歴史があって、今があります。MR CMは、まだまだ世界最初の1本目の映画だったり、日本最初の1本目のテレビCMだったりする段階なので、今回のプロトタイプの3本は一見シンプル過ぎるような企画ですが、このくらいがスタートラインとしてはベストだと思います。
藤井
MRは、部屋の中に人やものが色んなところに出せるので、視聴者はそれらを自由な視点から見られるというところがメリットではあるのですが、一方で演出をする側からすると、見てほしいところに視線を誘導するのがすごく難しいんですね。視聴者の意思で自由に違うところを見られてしまうので、そこがMR CMをプランニングする上での難しいポイントだと思います。
須田
やってみて分かったのは、MRは超ハイテク技術ですが、やっぱり人が出てきて話しかけてくれると聞きたくなるとか、女性がビールの広告から出てきて一緒に飲もうって言ってくれたら嬉しいとか、原始的な感覚や、普遍的な人の感情に訴えるものが、やっぱり効くんだなということですね。

MR CMの未来

佐々木
今回は本数が限られていたので三つに絞りましたが、CMとしてほかのアプローチや、ほかのファネルを前提にしたやり口があるので、可能性はまだまだあると思っています。
さらに、テレビとは非同期のコンテンツといった発展もあるので、夢は広がっていきますね。

―これまでの2DのテレビCMは画面の前の視聴者全体に広く届けるイメージですが、
MR CMは、自分に向かって伝えてきている、話しかけられているという印象があります。
視聴者によって演出を変えたりすることはできていったりするのでしょうか?

須田
できると思います。CMに出てくるのが、スーパーリアルなCGによる人物だったら、テレビゲームと同じように、シナリオなどをカスタマイズしていける。アプローチの一方では、そうなっていくと思いますね。
なんとなくですが、おそらく全ての選択肢が残っていくんじゃないかと予感しています。これまでの、分かりやすいキーメッセージをドーンと出して印象づけるCMも残っていくし、ユーザーによって全部ストーリーが分岐していくようなのも出てくる。

たぶん、いつかは「泣けるMR CM」っていうのも出てくるんじゃないですか。(笑)
作り手も受け手も十分に習熟してくると。先ほどお話した時報のみだったTV CMから、感動するTV CMまで、その間、やっぱり15~20年ぐらいかかっていますからね。

まもなく始まるMR CMの時代も、そうやって技術者と表現者が、広告主と生活者のために腕を磨き、技を磨いて、広告のアプローチの仕方を豊かなものにしていくのだろうと思っています。いま、それが、始まったばかりのところです。

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  • 株式会社博報堂 エグゼクティブ・クリエイティブディレクター/スダラボ代表
    1990年多摩美術大学卒・博報堂入社。アートディレクター、CMプラナーを経て、2005年よりインタラクティブ領域へ。2009年「ミクシィ年賀状」で、東京インタラクティブ・アドアワード・グランプリ受賞。2014年スダラボ発足。第1弾「ライスコード」で、アドフェスト・グランプリ、カンヌ・ゴールドなど、国内外で60以上の広告賞を受賞。2016~17年 ACC賞インタラクティブ部門・審査委員長。
    著書:「使ってもらえる広告」アスキー新書
  • 博報堂 第3クリエイティブ局

  • 博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォームビジネス局

  • 藤井 彩人
    藤井 彩人
    日本テレビ放送網株式会社 ICT戦略本部(兼)デジタルコンテンツ制作部
    チーフアートディレクターとしてバラエティ番組やスポーツ中継等の各種CGデザインを担当すると共にVR・MR・AR関連の研究開発に携わる。
    2019年2月 AR/MR プラットフォームサービス「mixta ミクスタ」を立ち上げ、放送連動ARやAR撮影ブースなど体験型メディア事業を担当。※記事内の所属は取材時点のものです
  • 加藤 友規
    加藤 友規
    日本テレビ放送網株式会社 社長室R&Dラボ主任(兼)CSR事務局(兼)ICT戦略本部新規事業ディビジョン
    2000年日本テレビ入社。技術開発部門、ネット事業部門などを担当。2014年にテクノロジー×エンターテインメントの未来を探求するSENSORSを立ち上げ。2016年6月から日テレラボでメディア・コンテンツ・生活者の調査研究を担当。2018年6月からICT戦略本部でR&Dと新規事業担当を兼任。2019年6月より現職。※記事内の所属は取材時点のものです