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中国生活者を捉える“生活者データ・ドリブン”マーケティングの実践【前編】
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中国生活者を捉える“生活者データ・ドリブン”マーケティングの実践【前編】

博報堂DYグループでは2014年から「“生活者データ・ドリブン”マーケティング」の取り組みを開始。データ基盤の整備や、ソリューションの拡充などを通じて、各企業のマーケティングを支援してきました。もちろん中国においても、データドリブンマーケティング領域を全面的にサポートできる体制を整えています。本記事では、博報堂データドリブンマーケティング局グローバルデータマーケティンググループに所属するプラナーの楊蘇瑞が、中国における「“生活者データ・ドリブン”マーケティング」の取り組みの全容と事例をご紹介します。

購買から使用まで一貫したブランド体験によって顧客のファン化を実現する

これまでのデータドリブンマーケティングは、データを利用して潜在顧客に情報を効率的に届けることでユーザーを獲得するという、 購買促進効果の最大化に力点が置かれていました。 
一方、博報堂の“生活者データ・ドリブン”マーケティングは、購買体験だけでなく、使用体験も非常に重視しています。例えば、生活者はどんなシーンで利用しているか?利用方法にはどのような特徴があるのか?使用時にはどのような感想が持たれているのか?などについてです。
なぜ使用体験を重視しているのかというと、生活者にとっては商品を買うことがゴールなのではなく、実際に商品を使うことがゴールにあるからです。購買体験と使用体験を同時に設計してこそ、一貫した良質なブランド体験が作れるのです。良質なブランド体験を作ることで、生活者を単なる購買者としてのみならず、ブランドファンにまで育成させることができるのです。

生活者をブランドのファンにすることの直接のメリットは既存顧客の維持です。潜在顧客を購買者にし、購買者を継続購買者 に転換させ、売上を増やします。しかし、この他にももっと大きなメリット があります。中国では、ファン化した生活者によるユーザーグループやSNSでの発信行動が活発なため、ファンを起点に新たな見込み顧客に影響を与えることができるのです。これにより、ファンが新規顧客を獲得し、さらにその新規顧客がファンになるという、好循環を作ることができるのです。

データの活用によって中国生活者を360度まるごと捉えることがファン化のポイント

生活者を360度で分析することで、ぼんやりとした平均的ユーザー像ではなく、ファンを作り出す生活者の「強いこだわりニーズ」を把握することができます。 そして、「強いこだわりニーズ」に合わせてブランド体験を作ることが良質なブランド体験創造につながり、ファン化を促進させることができるのです。

私たちは中国生活者を360度分析するため、消費者行動ビッグデータと生活者洞察データを同時に活用します。


消費者行動ビッグデータとは、具体的には生活者のオンライン、オフラインにおける実際の行動データとなります。例えば、あるウェブサイトを訪問した、ある商品を購入した、といった行動データなどです。一方、生活者洞察データは生活者の行動の裏にある考えや意識を読み取るためのデータとなります。例えば趣味、個性、人生の夢などです。 
この2つのデータはそれぞれ強みと弱みがあって、補完関係にあります。
消費者行動ビッグデータの強みはデータ量が大きいことです。ただし、断片的な情報が多く、全面的に生活者を分析、理解するには難しいことが弱みとなります。
一方、生活者洞察データについては、データ量が少ないため確実性に乏しいですが、その反面、生活者意識を深く分析し理解することができます。
この2つのデータを組み合わせることにより、お互いの優位性を生かして、より解像度の高い生活者像を理解することができるのです。

消費者行動ビッグデータについては、EC行動データ、購買データ、オンライン行動データ、オフライン行動データなどをよく利用します。
生活者洞察データについては、定点調査データ、テレビ視聴嗜好データ、口コミデータ、検索ワードデータなどを利用します。

まとめると、私たちが消費者行動ビッグデータと生活者洞察データの2種類を使いこなす目的は、生活者の強いこだわりニーズを見つけ出し、そのニーズを持つ対象者に絞った精緻なアプローチを行うことです。全ては、良質なブランド体験を設計し、ブランドのファンを増やすためなのです。 

後編では、中国における「“生活者データ・ドリブン”マーケティング」の実践事例をご紹介します。

  • 博報堂データドリブンマーケティング局プラナー 兼 研究開発局研究員
    2013年大学卒業後博報堂に入社。中国における豊富なデータドリブンマーケティングの知見を活かし、得意先グローバル事業に関する提案、ならびにブランド課題に関する戦略的コンサルティングを主に担当。同時に、研究開発局にも複属し、中国生活者に関するデータプラットフォーム及びソリューション開発を担当。