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Yahoo! JAPANのマルチビッグデータで企業のマーケティング課題をどう解決するか ~「Handy Market Analyzer®」の開発背景~
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Yahoo! JAPANのマルチビッグデータで企業のマーケティング課題をどう解決するか ~「Handy Market Analyzer®」の開発背景~

2016年4月に博報堂DYメディアパートナーズ、ヤフー株式会社(以下Yahoo! JAPAN)、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下DAC)の3社で、データマーケティングの発展を目的とし、マーケティングソリューションおよび関連サービスを研究・開発する「株式会社Handy Marketing」を共同で設立しました。1年間の研究・開発の成果として、2017年3月からYahoo! JAPANの分析データを活用した新しいソリューションである「Handy Market Analyzer®(ハンディ・マーケットアナライザ)」の提供をスタートしています。

Handy Marketingのソリューション開発理念

Handy Marketingでは新しいソリューションを開発するにあたって主に3つのことに留意しました。まず「総合広告会社ならではの視点が入った、企業のマーケティング上の課題を本質的に解決するソリューションであること」。次に「Yahoo! JAPANのマルチビッグデータを独自の捉え方で高付加価値化すること」。最後に「博報堂DYグループが開発を推し進める生活者データ・マネジメントプラットフォームを併せて活用することで、シナジーが生まれるソリューションであること」です。

そこで、いくつかの広告主様のケースを元にマーケティング上の課題について掘り下げたところ、共通の課題を見つけることができました。それは、「市場・生活者の動きが激しい現代において、マーケティングサイクル(①市場把握②戦略立案③施策展開④効果検証を繰り返すマーケティング上の大きなPDCA)が機能しなくなってきている」という課題です。一つの施策の効果検証を経て次の戦略を立て施策を展開するころには、市場・生活者の状況が効果検証時とは大きく変わってしまっているということが多くのケースで起きていました。

ダイレクト型のコミュニケーションのように、インターネット上での成果地点が明確なケースでは、広告配信中にリアルタイムに広告効果(CV, CPA)を把握し、施策を変えていく手法が当たり前になっています。一方、ブランディング型のコミュニケーションのように、インターネット上の成果地点を特定しにくいケースでは、本当の成果(戦略ターゲットの態度変容効果)は事後調査による効果検証でしか把握できませんでした。

Handy Market Analyzer®とは

そこでHandy Marketingでは、上記の課題を解決するために2つのレポーティングメニューを開発しました。一つは広告によって、市場全体や企業サイト内での態度変容者(ブランド好意者など)が増えているのか減っているのか定常的にトレースすることが可能な「KPI Tracer」。そしてもう一つが、市場全体や戦略ターゲットの自社・競合ブランドに対する関心行動が増えているのか減っているのか定常的にトレースすることが可能な「Market Trend」です。これら2つのレポーティングメニューを「Handy Market Analyzer®」というソリューション名称で提供をはじめました。これによって、広告主様は広告配信中に広告効果(態度変容者数の変化)を把握し施策を変えていくことや、市場変化(自社・競合ブランドに対する関心行動の変化)をリアルタイムに近い形で把握し戦略を見直すといったことが可能になります。

これらは従来、定点かつサンプルベースのリサーチによって担われていた領域で、統計的に正確な数値を把握できるメリットがありました。しかし一方で、定点的な調査は施策への反映スピードに限界があり、調査サンプルを十分に確保できないケースも存在しました。今回、生活者データ・マネジメントプラットフォームのアクチュアルデータやYahoo! JAPANの検索、ショッピング、サイト閲覧傾向などさまざまなカテゴリーの分析データを活用することによって、定常的かつ全量的に(Yahoo! JAPANを利用しているユーザーに対して)企業の戦略ターゲットか判定できるようになります。これらの実現には、態度変容者や戦略ターゲットを機械学習によって判定するモデリング技術が使われております。このモデリング技術は、実証実験によって多くのケースで高い精度のモデルを作成できることが確認されています。

Yahoo! JAPANが、100を超える多様なサービスを提供し、月間約700億ページビュー(2016年度平均)を誇る日本最大級のポータルサイトであるからこそ、Yahoo! JAPANのマルチビッグデータを「モデリング時の説明変数として活用する」「市場代表性のあるデータとして活用する」という独自の捉え方が可能になっています。

また、「Handy Market Analyzer(R)」は、Yahoo! JAPANが提供するDMP「Yahoo! DMP」とDACの提供するDMP「AudienceOne(R)」のDMP連携の仕組みを活用することで、Queridaのソリューション群と組み合わせることが可能になっています。これにより、市場分析からエグゼキューションプラニング、効果検証までの一連のマーケティングサイクルを今まで以上にシームレスに運用することが可能になります。具体的には、Querida Insightで規定した戦略ターゲットのモデリングと、ターゲットの自社・競合ブランドに対する関心行動の把握(Market Trend)、ターゲットに対する広告配信の実施(Querida Planning)、その結果として市場や企業サイトにおけるターゲットの含有状況を定常的にトレース(KPI Tracer)するというサイクルを実現します。「Querida Insight/Planning」は、戦略ターゲットを策定するリサーチや戦略ターゲットに対するダイレクトなアプローチをおこなうという、プラニングに重きを置いたソリューションでしたが、今回「Handy Market Analyzer®」を併せて活用することで、一連のマーケティングサイクルを計画・実行・管理できる基盤に進化しました。

Handy Marketingは、今後も「Handy Market Analyzer®」を継続的に拡充していくとともに、Yahoo! DMP内の大量のユーザー属性データなどのさまざまなデータを用いて、企業のマーケティング上の課題を本質的に解決する新ソリューション開発を行ってまいります。

◆本記事は博報堂DYメディアパートナーズHPに掲載した記事を転載しています。
◆執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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  • 博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンビジネス開発センター
    2012年博報堂DYメディアパートナーズ入社。ブランディング・ダイレクトレスポンス両領域でのインターネット広告のプラニング業務を経て、現在はデータマネジメントプラットフォームを活用したソリューション開発、広告主のデータマーケティング支援、ビッグデータ解析業務に従事。