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ヒット習慣予報 vol.247 『薬草で冬支度』
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ヒット習慣予報 vol.247 『薬草で冬支度』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中林です。

早いもので2022年も残り一か月。日が落ちると風の冷たさに身がすくむ季節になりましたが、みなさまお元気にお過ごしでしょうか?

社会人になってあまり運動をしなくなったからなのか、最近やけにからだの冷えを感じるようになりました。学生時代はウォータースポーツをしていたので、真冬も関係なしに川に飛び込んでいたのですが、大学を卒業してから一年半経ったいまではすっかり寒さに弱い人間になってしまい、からだの衰えを感じています…。
再びぽかぽか健康体を目指すべく、最新の温活事情についてリサーチをしていると、どうやらおうちで薬草を活用して冷えを克服するという新習慣を取り入れている人が増えていることを発見しました。

まずひとつ目にご紹介するのは、みなさんご存知の「お灸」。
お灸といえば、鍼灸師に施術してもらうもの、というイメージが強く、私生活に取り入れるには少しハードルが高いと思われる方が多いかもしれません。ですが、近ごろはおうちで簡単にできる「セルフお灸」の普及により、気軽に取り入れられる本格温活として幅広い世代から人気を集めているのです。
乾燥させたヨモギの葉から作られるもぐさは、火つきも火もちも良く、お灸に最適だと知られています。昔はもぐさを直接肌に乗せそこに火をつけていましたが、セルフお灸は一回分のもぐさが乗ったシール状の台座をツボに貼り、そこに火をつけて使います。
火をつけて貼るだけ、さらに、近くのドラッグストアやスーパーで購入できる、という手軽さが人気のポイントなのではないでしょうか。

次にご紹介するのは、生姜を使った温活です。
日本でも古くから馴染み深い生姜ですが、下のグラフを見ると、近年再注目されていることが分かります。

「生姜」の検索数推移

出典:Googleトレンド

味馴染みがいいので、料理の隠し味として入れてももちろんOKですが、最近流行っているのは生姜をドリンクに取り入れる方法。
生姜と好みの薬草をブレンドし、お砂糖と一緒にフライパンで煮出して作ったシロップを、白湯や紅茶に数滴たらして飲むと、生姜のもつ辛み成分が新陳代謝を高めてくれるのです。
私はシナモン・カルダモン・黒コショウをブレンドして作ってみましたが、美味しかったです。もっと刺激が欲しい方は、唐辛子なんかをいれても良さそうですね。
余談ですが、最近、コンビニや自販機で白湯が販売されているのをよく見かけます。からだのため、意識して冷たいものより暖かいものを摂りたいと考える人が増えていることも、生姜ドリンクが話題化している理由のひとつなのかもしれません。

最後にご紹介するのは、ハーブボールです。
ハーブボールとは、数種類のハーブをブレンドして布でくるんだもので、それを蒸してあたたかくした後滑らせるようにからだに当てて使います。蒸されたハーブから出る蒸気には発汗効果があるため、からだを芯からぽかぽかにしてくれるのです。また、ハーブを蒸すことにより、とてもリラックス効果が高い香りが出てくるのも特徴です。
もともとハーブボールは、冬場の冷えに悩む女性たちをケアするために古くから親しまれていたタイの伝統療法ですが、癒し度抜群のケア方法がストレスを抱える現代日本人に刺さったのではないでしょうか。
からだを温めるだけでなく、こころをリラックスさせることができるハーブボールは、妊活との相性も良いため、妊活中に取り入れる習慣としても人気です。

最後に、なぜいま薬草が注目されているのかについて少し考えてみました。
以下のグラフは「ハーブ」についての検索推移数ですが、2020年ごろから検索数が増え注目を集めていることが分かります。これは恐らく、コロナ禍でおうち時間が増え、薬草や香草などを使ったこだわりの料理を作る人や、家庭菜園でハーブを栽培する人が増加したからだと考えられます。

「ハーブ」の検索数推移

出典:Googleトレンド

コロナをきっかけに生活の中で身近な存在となった薬草や香草などのハーブを、食用以外にも様々な面で取り入れたいという気持ちが生活者の間で芽生え、それが温活、という形で習慣化しようとしているのかもしれませんね。

薬草を使った温活習慣の今後の広がりについて、考えてみました。

「薬草温活」のビジネスチャンスの例
■家庭菜園で薬草から栽培できる温活キットを販売
■薬草博士になれるガイド付きハイキングツアーを開催
■薬草をふんだんに使った温活料理が年中食べられるカフェを開く

個人的には冬より断然夏派ですが、最寄駅のコンビニで肉まんや焼き芋などあたたかいものを買ってふはふは食べながら家路につく瞬間だけは、冬もなかなかいいな、などと思ったりします。
寒さが苦手な同志のみなさん、今年の冬は薬草でぽかぽかボディを目指してがんばりましょう!!

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2021年博報堂に入社。一人前のマーケティングプラナーをめざして毎日修行中。趣味はヨガと編み物、好物はさば寿司と卵焼きです。