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アイレップ独自開発ツール「x2 supported by TV AaaS」を活用するテレビCMの効果計測
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アイレップ独自開発ツール「x2 supported by TV AaaS」を活用するテレビCMの効果計測

この連載も早いもので3回目となりました。今回は、アイレップのテレビCMにおける効果測定を、実際にどのようなダッシュボードを使って実施しているかの要点をお届けします。

INDEX
1.前回のおさらい :「行動・成果ベース」で評価する
2.「x2 supported by TV AaaSについて」
3.今後のお話し

※本記事は、アイレップの総合WEBメディア「DIGIFUL」の転載記事です。

1.前回のおさらい :「行動・成果ベース」で評価する

アイレップは、「行動・成果ベース」でテレビCMの効果を可視化するということを前回お話しさせていただきました。可視化ができれば効果の最大化ができて、最大化の次には最適化ができると信じて取り組んでおります。

(図1:テレビCMは行動・成果ベースで成果を可視化する)

「行動・成果ベース」で評価する事例として、「視聴率が5%で放映後のサイト流入が60件」のCM放映枠と「視聴率が3%で放映後のサイト流入が600件」のCM放映枠のどちらを評価するのか、というお話をしました。従来の評価軸であれば、視聴率の高い前者が評価されますが、「行動・成果ベース」の評価軸では、サイトへの流入数が多かった後者の方が評価されるという話をいたしました。

そして、前回お話ししたとおりアイレップは「短期間スパイク検出モデル」と「時系列統計モデル」の2つのモデルを採用して「行動・成果ベース」の効果を可視化しております。さらに、「x2 supported by TV AaaS※1」(以下、x2(Double Score))を用いて分析をしているとお話しさせていただきましたので、今回は「x2」についてご説明をしたいと思います。

※1 TV AaaS … 博報堂DYメディアパートナーズ社が展開するソリューション群のうちのひとつ。広告運用を最大化するテレビCMの運用サービスの名称

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2.「x2 supported by TV AaaSについて」

「x2」はアイレップで独自開発したテレビCMの効果を可視化するツールです。前回説明した「短期間スパイク検出モデル」と「時系列統計モデル」の2つのモデルでテレビCMの効果効率をダッシュボード上に表示し、分析をしながらPDCAサイクルを回しております。

実際の画面のキャプチャをご覧ください。こちらがログイン後の基本的な画面となります。このデータだと約1300GRPを関東に放映して、約8900件のサイト流入に貢献したことがわかります。

(図2:ダッシュボードの閲覧例)

「x2」でできる基本的なことは、放映エリアや放送局、曜日時間帯、放映素材など、項目ごとにサイト流入へどれだけ貢献したかが「短期間スパイク検出モデル」を用いた計測で可視化できるというものです。

他にも、サイト流入したのがどういう性年代を持つ人だったのか、どういう興味関心を持つ人だったのか、なども分析することができます。さらにサイト流入だけでなく、例えばアプリのダウンロードなど他の指標を計測することもできます。

(図3:テレビCM経由でのサイト訪問者の属性分析画面)

一方、「時系列統計モデル」では、テレビCMによって何件の成果が出たか、テレビCMが視聴者の意識変容・行動変容にどのくらい貢献したかなどを分析することができ、次の打ち手への仮説を導くことができます。

映枠ごとにも評価をつけているので、「行動・成果ベース」であるサイト流入を指標とし、CM全体や放映枠ごとの効果・効率を可視化することができます。

もう少し分析を深堀するために、さまざまなクロス集計の機能も用意しております。「曜日」・「時間帯」・「放送局」・「放映素材」・「番組ジャンル」・「CM種類(PT/SB)」の項目でクロス集計ができます。「行動・成果ベース」の指標としては、「サイト流入」か「1GRPあたりのサイト流入」を選択することができます。前者は量的指標、後者は効率指標となります。また、上記項目のうち「放送局」と「放映素材」を使うと3軸でのクロス集計も可能です。

(図4:3軸のクロス集計画面)

一般的には、効率指標である「1GRPあたりのサイト流入」の成績がいい曜日や時間帯は厚めにCMを流したいので、ゾーニングや線引き・改案のときに希望を出すなど、放送局との交渉の根拠に使うことを想定しています。

「サイト流入」が多く獲得できるのは、いわゆるゴールデンタイムと呼ばれる19~22時の時間帯になります。この時間帯は、スポットCMで線引きを確約する交渉をしてもいいのですが、他にもSAS(Smart Ad Sales※2)を利用して番組指定買いや30秒素材があれば、タイム広告の購入も選択肢として検討できるかと思います。

具体例としては、この放送局において平日の12時台と土曜日の16~20時台にサイト流入における効果・効率がよさそうなので、線引きの際にお願いするとか、改案希望を出す際の根拠にするPDCAサイクルを可能にします。

少し余談になりますが、スポットCMは15秒が基本なので、15秒の素材しか持ち合わせていない広告主企業もいらっしゃるかもしれません。上記のように30秒の素材を持っておくだけで、プランニングやバイイングの幅も広がるため作っておくことをお勧めします。

※2 SAS … Smart Ad Salesの略。各種のテレビ視聴データを基に「15秒CMを1本単位」で購入できるテレビCMの新たな商品

次に「時系列統計モデル」の機能についてご紹介します。

前回ご紹介した因果推論を利用して、広告を打たなかった場合のKPIを予測し、CM放映期間全体で「サイト流入」や「サイト内コンバージョン」がどの程度リフトしたのかを可視化することができます。

(図5:反実仮想を用いた因果推論による効果測定イメージ)

では、事例で考えてみましょう。図6の事例では、「サイト流入」と「購入完了」で算出した結果となっております。いずれも「テレビCM」によってリフトしたKPIの値になります。

(図6:時系列統計モデルの分析例)

ここからわかることは、「サイト流入」は全体の60%以上がテレビCMによってリフトしたと算出されており、一方で「購入完了」については全体の3%弱しかテレビCMによってリフトしなかったということです。

つまり、テレビCMはサイトに連れてくるまでは大きな役割を担っていたが、「購入完了」については、また別の刺激を入れる必要があったという仮説が導かれます。このような数値の読み解き方で、テレビCMの説明責任を果たせるものにしていきます。

実際に「x2」を用いた事例について、お話ししたいと思います。こちらはスポットCMの実績を取得したものとなっております。平日午前の効果が良好であることがお分かり頂けるかと思います。平日の9~11時もしくは13時くらいまで見ても、効果が良かったので追加予算が発生した際に、SAS(Smart Ad Sales)の放映日直前枠を追加購入し、翌週にはこちらの時間帯にてテレビCMの放映を実施したという事例もございました。

(図7:SASの活用法イメージ)

3.今後のお話し

ここまで現時点で「x2」でできることについてお話をさせていただきましたが、今後も機能アップデートは進めてまいります。


Vol.1 アイレップが提唱する「運用型デジマス広告」
Vol.2 アイレップのテレビCMの効果測定について
Vol.3 アイレップ独自開発ツール「x2 supported by TV AaaS」を活用するテレビCMの効果計測
Vol.4 テレビCMとインターネット広告の統合指標について
Vol.5 テレビCMのメディアプランニングを科学する
Vol.6 企画未定

※あくまで現時点での計画ですので、変更の可能性もあることはご了承ください。

※アイレップの運用型テレビCMのサービス詳細についてはこちら

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  • アイレップ
    2007年にDACに入社。媒体社向けのソリューション営業、アクセス解析の事業推進を経て、運用型広告の責任者として業務に携わる。2017年からの3年間、コンサルティング会社でテレデジ広告ソリューションを推進しさまざまな広告主企業へ導入。2020年11月にアイレップにジョインし、現在は運用型テレビCM推進Division Divisionmanagerに着任。