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これからのインスタマーケティングVol.4 インフルエンサー活用について
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これからのインスタマーケティングVol.4 インフルエンサー活用について

AIQ(アイキュー)株式会社の渡辺COOを交え、現場視点でこれからのインスタグラムマーケティングを考える対談。前回は「ハッシュタグの付け方」について、最終回となる今回は「インフルエンサー活用」についての議論です。

モデレーター:
博報堂プロダクツ データマーケティングディレクター 横井忠泰

スピーカー:
AIQ株式会社 取締役COO 渡辺求
博報堂プロダクツ SNSディレクター 小川宗紘
博報堂プロダクツ プランナー 杉山芽衣

※スピーカーの所属会社・部署・肩書は、取材時のものです。

横井
最後のトークテーマです。インスタグラムにおける「インフルエンサー活用」について議論していきます。
杉山
はい。まずインフルエンサー活用で、効果の大小が分かれるケースについて、考えがあります。

個人的な話ですが、一生活者として「#PR」の投稿は少し警戒して見ています。このようなキモチを持つユーザーが多いのか、#PR投稿ですと、同じインフルエンサーの投稿でもエンゲージメント率が低いケースが見られます。

一方で、#PR投稿でも高いエンゲージメントを獲得できるケースもあります。
たとえば、あるアパレルブランドによるPR投稿では、普段から「着こなし」を投稿しているインフルエンサーに、そのブランドのアイテムを使った着こなしを紹介してもらっています。フォロワーは、着こなしのお手本にしたいからそのインフルエンサーをフォローしているため、「確かにこういう風に着たらかわいいな」「自分も買ってみよう」と素直に思える。すると、エンゲージメント率も良くなる傾向にあります。

横井
確かに、そのような「インフルエンサーのアカウント方針」と、「PR投稿内容」がマッチしているケースだと、フォロワーにとっても有益な発信と言えますね。
では、投稿内容をマッチさせるため、どのようにインフルエンサーを選定されていますか?
小川
選定の際は、「インフルエンサーの性質」と「その先のフォロワー属性」を知ることが、まず大切だと思っています。

具体的には、次の2点を抑えることです。
・インフルエンサーはどんな人で、アカウントの方針はどんなものか?
・フォロワーはどんな人達で、なぜそのインフルエンサーをフォローしているのか?

杉山
そうですね。そのためにも、「インフルエンサー候補のexcelリスト」だけ見るのではなく、候補者のインスタグラムを見にいって、投稿内容やフォロワーのコメントを見るのが大切だと思っています。

候補者のexcelリストの中の情報だけだと、たとえばカテゴリーが「かわいい系」「ファッション系」など曖昧で分かりにくかったり、「雑誌〇〇の読モやっています」など、女性人気が高いのか男性人気が高いのか温度感がわかりにくかったりし、本当に最適なインフルエンサーをアサインする難しさがあるからです。

渡辺
インフルエンサーの詳細データを調べるために、弊社の『SOCIAL PROFILING』がお役に立てると思っています。

この図のように、『SOCIAL PROFILING』では各インフルエンサーについて

●フォロワーに関する情報について、
・フォロワーのアクティブ・非アクティブの比率
・フォロワーの性別・年代構成
・フォロワー自身の投稿における興味軸

●インフルエンサーの投稿について
・投稿での頻出ワード
・投稿での興味軸

を可視化できます。

このようなデータも併せ見ることで、ブランドにマッチするインフルエンサーの方と組みやすくなると思っております。

小川
このツールで、フォロワーの投稿傾向も掴めれば、インフルエンサー投稿の先に、フォロワーによる拡散の可能性も検討できそうですね。
横井
ここまでのお話を通して思うのは、会議においてインフルエンサーの方を「何万人にリーチできるか?」だけで評価しようとする、まるで広告媒体のように捉えているような発言を耳にすることがありますが、この捉え方は本質的ではない、ということです。
小川
そうですね、インフルエンサーの方は広告媒体ではなく、「ひとりの人物・ひとりの顧客」と捉えることが本質的かと思います。

たとえばアパレルブランドでいえば、「このインフルエンサーの生活が、このアイテムでこう良くなるだろう。そして、その先のフォロワーの生活もより良くなるだろう」というように、「自社商品で、まずインフルエンサーの生活を良くするには?」を考えることが、大事なのかと思います。

横井
その通りと思います。ここまで議論してきた、インフルエンサー活用のポイントをまとめます。このステップで考えていくと、ブランドとインフルエンサーの相乗効果ある施策を生みやすくなるかと思います。

今回は、インスタグラム活用について、「コロナ影響」「KPIと立ち上げのコツ」「ハッシュタグの付け方」「インフルエンサー活用」の4テーマで幅広い議論ができたと思います。ありがとうございました。

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  • 渡辺 求
    渡辺 求
    AIQ株式会社
    取締役 COO
    カシオ計算機(株)、バンダイネットワークス(株)(現:(株)バンダイナムコエンターテイメント)にて事業責任者として、また、ネオス(株)(東証一部) 常務取締役、合同会社インミミック(ソニーミュージックエンターテインメントとネオスの合同会社)代表を兼務、一貫して新規技術を活用した新規事業を創出。AIQではAIを活用したソーシャルデータ分析による「新しい企業と個人の繋がりを創出」する事をミッションに活動。
  • 博報堂プロダクツ デジタルプロモーション事業本部
    PR部 ソーシャルネットワークプランニングチーム
    SNSディレクター / プロデューサー
    2013年博報堂プロダクツ入社
    WEBからAR/VRなどのデジタル制作を経て、2018年のSNS専門部署
    立ち上げ時からジョイン。
    企業アカウントを中心に企画、運用、コンテンツ制作、調査・分析業務までを幅広く手がける。最近では全国各地セミナーに登壇することも。
  • 博報堂プロダクツ デジタルプロモーション事業本部
    プランナー/SNSディレクター
    2014年博報堂プロダクツ入社
    デジタル&リアル展開の案件やPRを意識した拡散やニュース化SNS施策などを幅広く担当。
    プロモーション~CMまで統合的なプランニングを得意とし、施策の細部まで設計する広告を作る。
    販促会議コンペティション2016 協賛企業賞/審査員特別賞 受賞
    JPMプランニング・ソリューション・アワード
    ACCブランデッドコミュニケーション部門
    アクティベーション ブロンズ/PRファイナリスト/デザインファイナリスト
  • 博報堂プロダクツ データビジネスデザイン事業本部 CRMデザイン部 データマーケティングディレクター / データシェフ
    学芸大附属高校・慶應義塾大学卒業。2014年博報堂PRODUCT'S入社。ダイレクトマーケティング流のデータ活用が武器。toC・toBにおけるプロモーション・営業支援からCRM・カスタマーサクセスまでの統合プランニングに従事。主な担当業種:化粧品/IT/飲料/保険/官公庁