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ヒット習慣予報 vol.136 『おうちでととのう』
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ヒット習慣予報 vol.136 『おうちでととのう』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。

今年も残すところ、あと4ヶ月。少しずつ朝晩が過ごしやすくなってきましたね。昼間はまだまだですが、秋を感じはじめています。私は、寒くなると温泉や銭湯、サウナに行きたくなる性分なのですが、みなさんはいかがでしょうか。今年は、周りとの距離を気にしながらなので、これまで通りに銭湯やサウナに行けなかった、なんて人も多いかと思いますが、サウナやお風呂を愛してやまない人たちは、様々な工夫をして、おうちでも楽しんでいるようです。

さて今回のテーマは、サウナやお風呂を愛してやまない人たちが、おうちで実践されていることを取り上げたいと思います。今回の予報を書くにあたっていろいろと調べてみたのですが、サウナーのみなさんがよく使われる「ととのう」ってやつをなんと、家でもできるようなので、今回は「おうちでととのう」習慣を紹介させていただきます。

まず、「お風呂」について、Googleトレンドで見てみました。すると、波はありますが、ここ数年でより注目を集めているようです。また、季節差でみると、毎年1月が一番注目を集めています。「寒くなったら、お風呂」という意識が私だけでなく、みなさんも一緒のようですね。

出典)Google トレンド(「風呂」で検索)

では、早速「おうちでととのう」について、ご紹介させていただこうかと思いますが、その前に「ととのう」ってどういうこと?!ということをご説明いたします。医学的にいうと、普通は切り替わるはずの交感神経と副交感神経が共存し、変な感覚を覚える、ことだそうです。なかなかピンと来ないかと思いますが、ものすごくリラックスした状態になり、感覚が鋭くなり、頭がスッキリするようです。まるで瞑想後の状態かのようになるとのこと。さて、少し前置きが長くなりましたが、それでは、「おうちでととのう」ために、みなさんがどのようなことをされているのか、これから少しご紹介させていただきます。

まず、「ととのう」ためには、サウナ→水風呂→外気浴を繰り返すことで到達するということが一般的ですが、家でもこの手法を取り入れられている方がいらっしゃいました。実際には、サウナや水風呂は家にない方が多いので、湯船であたたまる→水シャワー→洗い場で休憩を繰り返しているようです。これを、「交互浴」というらしいです。この繰り返しを通じて、発汗がよくなり、体内の血液の循環が促進され、究極のリラックス状態に導かれるとのこと。この行動がストレスの解消にもなっているようです。また、さらに調べていくと、水シャワーの代わりに、子ども用ビニールプールに水を張って、水風呂にされている方もいらっしゃいました。発想次第で、「おうちでととのう」ことを実現されており、私もやってみたくなりました。

続いては、入浴剤です。銭湯や温泉では自身の好みの入浴剤を使うことはできません。でも、自分の家ならできますよね。その日の気分に合わせて、入浴剤を変えたりして、家ならではのととのい方を楽しまれているようです。このような楽しみ方もできるから、家の方がいい、なんて言う方もいらっしゃいました。また、そこに目をつけて、香りの異なる入浴剤のサブスクモデルを展開しているメーカーなども存在し、今後入浴剤市場はもりあがっていくのではないか、とも考えられます。さらに、自身で入浴剤を作られている方もいらっしゃいました。重曹などを活用して、自身の好みの香りだったり、中から花びらが出てくる目でも楽しめる仕掛けだったり、様々な工夫をして、入浴剤を作られています。そして、なんと言っても、入浴剤の効果効能。普通にお風呂に入っているよりも、血の巡りを促進してくれる効果効能があるので、「おうちでととのう」ためにもってこいのようです。このようなことを知るにつれて、「おうちでととのう」のも悪くないな、むしろ自分なりのととのい方を実現できて楽しそう、とも感じられました。

そして、最後は、サウナに行けないなら、サウナを作ってしまえ、という人たちです。本当に強者だな、「おうちでととのう」の最終形態だなと思いましたが、一人用のサウナを家の庭に作ったり、最近ではテントサウナというものもあったりするので、そこまでコストを掛けなくてもできちゃうようです。(もちろん、光熱費とか維持管理は大変だと思いますが。)私の知り合いの一人が、島根に住んでいるのですが、彼も、海辺の家の庭にサウナを設置しており、とても充実した暮らしを送っているようです。リモートワークが定常化し、今後大都市でなくても働ける環境がより整っていくと、地方に家を構えて、そこにサウナを作っちゃおう!なんて人も増えていくかもしれませんね。

では、なぜこのような「おうちでととのう」が広がっているのか、理由を考えてみました。
最大の要因は、「リセット欲求の高まり」にあると思います。日々多くの情報と向き合い、リモートワークなどで、オンオフの切り替えも難しくなってきている中で、どこかで自分をリセットしたい、そんなときに、お風呂って、実は、一人になれる空間ですし、シャワーだけよりも、じっくり入ることで、リセットできちゃうんじゃないでしょうか。これまでは、温泉や銭湯にいってそれらを実現していたのが、家でできるなんて、良いね!という感じで広がっているように思います。
また、その中で、「自分らしい」方法で、様々な工夫をしながら「ととのう」体験をすることが、日々の楽しみの一つになり、より暮らしを豊かにしているように感じます。ぜひみなさんも、自分流の「おうちでととのう」を模索してみてはいかがでしょうか。

「おうちでととのう」によるビジネスチャンスの例
■ 飲料メーカーが、おうちでととのった後に飲むことに特化した
お酒やソフトドリンクを提供する。
■ 花屋が、花×入浴剤のキットを売り出し、
生花で誰でもかんたんに入浴剤を作って楽しめるサブスクモデルを提供する。
■ 住宅メーカーが、大きな浴槽の横に、水風呂専用の小さな浴槽を作り、
おうちでととのうお風呂を提案する。
など。

これからどんどん寒くなってきたら、より一層お風呂を楽しみたい季節になってくると思うので、そのときに、また新たな発想で、みなさんがどんな「おうちでととのう」暮らしを実施されるのか、が楽しみですね。今晩は、私も久しぶりにととのってみようかと思います。久しぶりの長風呂。楽しみです。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂関西支社 MDB推進局 統合プラニング部
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2011年 博報堂に入社。
    入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。