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自動車業界でもEC化が加速中!?<博報堂ダイレクト通信>
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自動車業界でもEC化が加速中!?<博報堂ダイレクト通信>

こんにちは、博報堂ダイレクトの渡辺です。

最近、これまで通販にあまり縁のなかった業種のお客様からEC化を検討したい、というご相談が非常に増えています。その背景には、AmazonなどECプラットフォーマーによって“ネットでモノを買うことが当たり前になった”ことが挙げられますが、もっと言うと、生活者の買い物スタイルや価値観が劇的に変わってきている、とも言えるでしょう。
ちなみに、野村総研が昨年行った調査によると、20代、30代のネットショッピング利用率は約8割で、50代でも5割を超えたようです。今やネットでモノやサービスを買うことは、すべての世代で普通のことになってきました。

今回のテーマは、EC化を含め、デジタル化によるイノベーションが活発な自動車業界についてです。以前、このメルマガでも少し触れましたが、“所有価値”から“使用価値”への変化や“シェアリングエコノミー”といった新しい考え方の広がりによって自動車業界の販売構造が大きく変わろうとしています。そのあたりの実態と今後について、少しお話ししてみたいと思います。

■自動車業界で今起きていること

 

一つは、カーシェアリング。
最大手の「タイムズカーシェア」の会員数は、昨年時点で100万人を超え、ステーション数の増加とともに、年々拡大しているようです。実は、個人的にも、最近よく利用しているのですが、ずいぶん、進化してきていると実感しています。
これまでのレンタカーと比べても、

・スマホで簡単に利用できる
・ちょっとした用途に合わせて短時間でも使える(タイムズは15分単位)
・ガソリンを満タンにして返す必要がない

などなど、とても便利。
さらに、みんなで一台の車を“快適に乗る”ための仕組みとして、例えば、タイムズでは、「キレイ度チェックアンケート」というものがあり、次に乗った会員から“車内がキレイだった”と評価されるとポイントが付与されたり、次のひとのためにガソリンを入れたり、洗車をすると、ポイントが付与されます。
単におトクで便利なサービスが使える、というメリット訴求だけでなく、“みんなで一台の車をシェアする“という意識付けも含めて、各社、いろいろ工夫し始めていることも普及を後押ししている要因だと思います。そして、それが、シェアリングエコノミーの本質であり、その実体をつくっていく活動だとも思います。



もう一つが、サブスクリプション型のカーリース。
毎月、定額で新車を利用できるというサービスです。最近、大手自動車メーカーがエリア限定のテストマーケティングを経て、本格的にサービスを展開しました。CMを見た方もいらっしゃるかと思います。
毎月の支払額は、数万円程度(車種によって異なりますが)で、車検などの点検費用、税金、保険料までが全部コミコミ。クルマは欲しいけど、クルマ購入時の様々な煩わしい手続きから解放され、心理的ハードルが非常に低くなるという仕組みです。
カーリース自体は、法人向けにかなり前から存在してきましたが、最近の個人を対象にしたサービスは、スマホですべての手続きが完結できるものも多く、いわゆる“若者のクルマ離れ”を解決するサービスとして注目されています。まだ始まったばかりのサービスですが、可能性を感じるイマドキの取り組みだと思います。

あと、上記、2つのケースとは少し異なる話ですが、中古車をネットで販売しよう、という動きも増えてきています。
これも、若者のクルマ離れという本質的な課題は同じですが、加えて、上記のような個人向けカーリースの普及によって、新車の回転率が早まり、中古車の台数が増えるが、その一方で、単価の低い中古車には、営業マンのパワーをあまりかけられないという問題もあり、ではネットを最大源活用しよう、ということでEC化が注目されてきています。
生活者からしても、一物一価であり、いいものはすぐに売れてしまう中古車が、ネットで簡単に買えるメリットは大きいと思います。

以前は、“クルマを買うということ=お店に行って、現物を見て、試乗して、値引き交渉して、自分のマイカーを手に入れる”というものでしたが、上記3つのケースは、いずれも、“デジタル化×価値観の変化”、さらには“セールスの問題”に応える象徴的なものであり、クルマとのスマートな付き合い方を提案し、クルマの再価値化を実現していく取り組みであると思います。

■さらに、MaaSという大きな流れへ

昨年あたりから、MaaSという言葉をよく聞くようになりました。“MaaS=Mobility as a Service”で、簡単にいうと、“移動のサービス化”ということ。前述した2つのサービス(カーシェアリングと個人向けカーリース)もMaaSの代表的なサービスです。

これまでのようにハードを購入するのではく、自分にあった最適な移動手段を、様々なサービスから自由に選択できる、そんな素晴らしい時代を予感させるもの、それがMaaSです。もはや、クルマだけの問題ではない、電車、バス、タクシー、自転車など、“人が快適に移動するためにどうあるべきか“という大きな話ですね。当然、自動車メーカー以外の様々な異業種が参入する、大きなビジネスチャンスが広がる市場。最近、日本を代表する、名だたる企業が参加したコンソーシアムが立ち上がり、注目されています。

もちろん、基盤整備やルール化など、サービスの実用化までには時間を要するでしょうし、当面は、いろいろなビジネスモデルが生まれては消え、あるいは、統合されながら、徐々にいいサービスが作られていくのだと思います。そこには、IT、5G、ビッグデータ、AIなどの新しいテクノロジーが不可欠ですが、やはり、一番大切なことは、生活者にとっての新しい価値を提供できるかどうか、に尽きると思います。社会課題に向き合う大きなプロジェクトとして、個人的にも非常に期待しています。

私たち博報堂ダイレクトは、デジタル化やIT化で加速するクライアント企業様のイノベーションを実現することがミッションです。これまで多くの顧客マーケティング実運用で培ったリアルなナレッジと実現力で、新しい価値づくりをご支援していきたいと思います。

博報堂ダイレクト通信より転載いたしました。

  • 博報堂ダイレクト 取締役常務執行役員
    1991年博報堂入社。IT部門にて、基幹システムの大規模リニューアル、新聞社、雑誌社とのデジタル化推進プロジェクトなどに従事。以降、インタラクティブ局等でネットマーケティングやダイレクトマーケティング業務に携わる。2006年BrandXing(現、博報堂ダイレクト)設立時より参画。マーケティング×IT視点でのプロジェクトワークデザイン、CRMプランニングを得意領域とする。