おすすめ検索キーワード
ミレニアル・Z世代における<これからのあたりまえ>研究【前編】
PLANNING

ミレニアル・Z世代における<これからのあたりまえ>研究【前編】

読売広告社 都市生活研究所では、2021年10月21日に、「YOMIKO 都市生活研究所フォーラム2021」を開催致しました。今回は、生活者フォーサイトセッション「ミレニアル・Z世代における<これからのあたりまえ>研究」での研究発表内容をお届けします。

Y世代(ミレニアル)・Z世代とは

Y世代(以下「ミレニアル」)は現在26~40才の世代、Z世代は現在25才以下の世代で、2030年の社会の中心としてそれぞれ注目されています。


彼らに関する一般的な研究や記事を見てみると、「デジタルネイティブ」や「SNSネイティブ」は元より、「社会貢献世代」や「自己承認世代」など周囲に関わることから自己に関わることまで様々な捉え方が提唱されています。


彼らは10代の時にSNSの台頭や東日本大震災、直近では新型コロナウイルスの流行と世の中を動かすきっかけとなる出来事の中で育ってきました。
その中でも、世代論を考えるうえで大きな影響を及ぼす「若い頃」の情報接触環境を下記のデータで見てみましょう。


このように、TVやラジオなど全員が同じメディアに触れて成長したX世代とは違い、PCやスマホの台頭によりメディアが細分化され、触れたものの個人差が非常に大きい中で育った世代がミレニアル・Z世代の特徴です。

本質を捉えにくいミレニアル・Z世代

情報接触環境が多様化したからこそ、画一的なキーワードでは捉えにくく、彼らを理解したつもりでも浅い認識やミスリードが生まれてしまうことも稀ではありません。
例えば、下記の図のように、逆説が提唱されると論調がシフトしていくこともあります。

彼らのメディアとの関係の特徴として、2020年時点では、Z世代は「テレビなどは見ないSNS・デジタルを中心に暮らしている」という捉え方が一般的でした。しかし、昨年私たちが発表した都市生活研究所フォーラム2020で、Z世代は「実は、TVもSNSも並列に、フラットな目線で捉えている」ことを発表。そうすると2021年には私たちの発見と同様なメディアの捉え方が散見されるようになりました。


このような事例を踏まえ、私たちはミレニアル・Z世代の一般的な通説と異なるものがまだあるのではないか?と考え、オリジナル調査を実施。今回は、その分析結果の一部をご紹介したいと思います。

“SNSの利用の仕方”は、ミレニアルとZ世代で同水準

彼らは一般的に「SNSネイティブ・デジタルネイティブ」と言われています。また、ミレニアルよりもZ世代の方がSNSの利用の仕方の多様性が広がっているのではないか、と思われる方もいると思います。しかし、調査結果をみると、ミレニアルとZ世代のSNSの利用の仕方は大きくは変わらないことがわかりました。このことから友人づくり、恋人づくりといった暮らしにおける重要なことまでデジタル化することが共通の価値観として捉えることができます。

“自分の好きなことに没頭する傾向”も、ミレニアルとZ世代で同水準

昨今、若年層を中心に自分の好きなアイドルやアニメのキャラクターなどの推しを応援する活動、通称「推し活」などの言葉をよく耳にするようになりました。このように自分の好きなことに没頭する傾向がミレニアルからZ世代になるにつれ、強くなっているのではないかと言われています。
しかし、調査結果をみると、ミレニアル・Z世代の好きなことに没頭する傾向は大きくは変わらないことがわかりました。

“自分の好きなことで社会の役に立ちたい社会貢献欲求”は、Z世代で加速

また、社会貢献欲求についても同様に調べると、「人の役に立つことを発信したい」などがミレニアルに比べZ世代の数値が高くなっていました。
「好きなこと」をミレニアルまでは自分の中だけにとどめていたものを、Z世代はそれを外へ発信することで世の中へ還元したいと考えているのが特徴だといえます。

実は、一部のZ世代は仕事付き合いを高く求めている

そして、「飲み会離れ」という言葉も、若者の特徴として一般化されていますが、調査結果をみるとそこにも、ミレニアルとZ世代で違いが見えてきました。ミレニアル後半が仕事付き合いを煩わしいと考える傾向にあり、逆にZ世代は仕事付き合いを求めている結果となりました。
このことから、「会社の付き合い・飲み会」などはミレニアルからZ世代にかけて価値観が反転し、一部は積極的に仕事付き合いを求め、同僚や上司とのコミュニケーションをとりたいと考えているようです。

「Z世代」をより深く理解することがこれからの社会の価値観を知ることに繋がる

Z世代は、ミレニアルの価値観を引き継ぎ、進化させ、なくなりつつあった価値観までを再生させる世代でした。つまり、2030年の市場の中心になる「Z世代」をより深く理解することで、これからの社会の潮流を知ることに繋がると私たちは考えました。

後編ではさらにZ世代の根源的な価値観の深堀をしていくことで、これからの社会の<あたりまえ>となる兆しの発見をお話ししたいと思います。

 
sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 読売広告社
    データドリブンマーケティング局 第3マーケティングルーム長
    シニアマーケティングディレクター

  • 読売広告社
    ビジネスデザイン局 ビジネスデザインルーム
    ストラテジックプランナー

  • 読売広告社
    クリエイティブ局 第1CRルーム
    プランナー

  • 読売広告社
    都市生活研究所 生活者フォーサイト研究ルーム
    ストラテジックプランナー