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ヒット習慣予報 vol.94『とことんLESS』
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ヒット習慣予報 vol.94『とことんLESS』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。

みなさま、秋も深まり、ますます寒くなってきていますが、いかがお過ごしでしょうか。私は、10月のはじめより中国・上海の拠点に3ヶ月間の海外実務研修に来ております。上海は、朝晩は冷え込みますが、昼間は太陽に当たるとまだまだ暖かい日々が続いています。滞在1ヶ月がたち、こちらの環境にも慣れましたが、もともと胃腸が弱く、水と油にやられて、たまにお腹を壊したりしています。本日は、通常のヒット習慣予報と少し趣を変えて、滞在1ヶ月とまだ短いながら楠田が気になった、中国・上海版のヒット習慣をお届けしたいと思います!

今回のテーマは、「とことんLESS」。
「とことんLESS」とは、いろんなことをとことんLESSにすることで、簡便化され、暮らしにおいてとっても便利になるという現象のことです。

まず、キャッシュレスについて。これは、最近日本でも、ますます進んでいますが、中国は更にその先をいっています。こちらに来てから、本当に財布を持ち歩くことなく、スマートフォン1台で生活しています。中でも、楠田が最近最も愛用しているのは、カフェでの「とことんLESS」化。なぜかというと、その店に行く前、例えば、昼ごはん食べ終わりかけとかに、この後、自分が飲みたいものを選択してスマートフォン上で決済を済ませてしまいます。すると、数分後に、できたから取りに来て、という通知が届き、それから、店舗に向かいます。店舗では、その通知に付帯されていたQRを専用の機会にかざすだけで、あとは自分のものをピックアップするだけ。「キャッシュLESS」なだけでなく、「待ち時間もLESS」なので、本当に便利です。また、自分の家や会社までのお届けもしてくれたりするので、時間が無いときでも、おいしいコーヒーやお茶にありつけるのは、本当にありがたいです。

出典)Baidu指数(「便捷=素早くて便利」なことへの注目度は高まる ※中国)

次に、私がさらに驚いたのは、飲食店でのケース。その飲食店は、お昼時で混雑していたのですが、日本と同様に整理番号をもらいました。その整理番号にもQRコードがついていて、それを読み取り、そこから、何を食べたいか、待っている間に、スマートフォン上で全部オーダーしてしまいます。そして、店に入り席に通されると、割とすぐに、頼んだものが、ババっとテーブルに出てきて、空腹を満たすことができます。その後に追加オーダーなども可能なのですが、満腹になり、さぁ帰ろう、ってときにも、自分たちのテーブルのQRを読み込めば、そこで決済完了です。そのため、店を出るときに、わざわざ会計をする必要も無いのです。これは先程の、「キャッシュLESS」「待ち時間LESS」に加え、「会計LESS」にもなっています。だから少し不安にはなりますが、キャッシャーによることなく、店を出ていけるのです。

そして、最後に、タクシー。中国では、よくタクシーに乗って移動することがあるのですが、中国語が話せない楠田にとって、これまた至難の技、と思っていたのですが、そうでもなかったです。なぜかというと、専用アプリを立ち上げ、自分の現在地と行きたい場所を入れると、どんな車種で、ナンバーがいくつの車が、後何分後に到着します。といった通知が来て、そのタクシーが迎えに来てくれます。そして、乗り込むと、何を言われているのか、よくわからないですが、ちゃんと自分の目的地に送り届けてくれます。本当にありがたい仕組みです。そして、降りるときには、そのアプリを立ち上げ、確認ボタンを押しつつ、「手机付(ショウジーフー)」=「スマートフォンで払います」とだけいえば、おしまいです。これは、「言語の壁LESS」にしてくれているので、これから、来年にかけて多くの外国人が来る日本でも、積極的に採用していくべきサービスですね。

このような「とことんLESS」は、キャッシュレスを起点にすべて始まっています。これは、4Gのサービスが始まってから、大きく進化したとのことです。そして、11月から5Gのサービスが始まるので、どんな新しいことが始まるか、というのが中国人の間でとても期待されているようです。これは日本でも、キャッシュレスが本格化し、5Gのサービスが始まると、ますます「とことんLESS」が広がっていく可能性があると感じました。

日本での「とことんLESS」によるビジネスチャンスの例
■ カフェの「待ち時間LESS」やタクシーの「言語の壁LESS」を日本でも採用
■ 自身のスケジュールから勝手に移動時間を計算して教えてくれる「検索LESS」
■ 食材をそのまま入れるだけで、ご飯が出来上がってしまう「調理LESS」の開発
■ 朝電気をつけるだけで自動的にテレビもつく「スイッチLESS」機能の搭載
など。

ということで、日本より少し先に進んでいる「とことんLESS」を体験する中国・上海になりましたが、残りの2ヶ月間も、どんなLESSを体験できるのか、楽しみに過ごしていければ、と思います。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

  • 博報堂 統合プラニング局 ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2011年 博報堂に入社。
    入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。