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「データの価値化」に挑戦する【データマーケティング リレーコラム VOL.2】
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「データの価値化」に挑戦する【データマーケティング リレーコラム VOL.2】

進化するデータマーケティングにとって重要な事は何か?
データドリブンビジネス開発センター データマネジメントプラットフォーム部の若手メンバーがリレー形式で分かり易く説明していく連載コラム。第二回は吉田洋基が、マーケティングにデータを上手く活用するための「データの価値化」について語ります。

眠れるデータ

この数年、データ/デジタルなどのキーワードを聞かない日はありません。今やデータ/デジタルはICT領域だけでなく、私達を取り巻く生活環境の全てを塗り替えてしまうポテンシャルを持っています。この壮大なテーマに対して私たちは「マーケティング」という得意分野からアプローチをしています。データの新しい使い方やツールに関するニュースは数多くありますが、マーケティングにデータを活用するベストモデルが確立されているとはいえません。また、社内に存在するデータのマーケティング活用を推進したいという企業も多いのではないでしょうか。クライアントの「自社データを事業成長に繋げたいが、活かし方が分からない」といった悩みの解決法を一緒に考え、事業成長に貢献したいと我々は考えています。

データ活用上の課題

実際にクライアントと向き合うと、マーケティング活用のためのデータベース設計がされていないケースも多く“マーケティングに必要なデータセットが上手く整備できない”という課題があると思います。企業内にデータベースを設計した時代には、ビジネスデータの管理という側面が大きかった事が推測されます。

またデータの持つ力を開放するには、データを「選択」「統合」「解釈」する“技術・実践知を持つ人材が必要”であるというのも課題のひとつかもしれません。

「データの価値化」

データは蓄積されたままの状態だと本来持つ力を十分に発揮できないので、マーケティングにデータを上手く活用するためには「データの価値化」が重要と捉えられます。
現状、「データの価値化」は新しい領域であり社内の既存組織だけで完結するのは難しいこともあると思います。実際、私たちも「データの価値化」はすすむことでしか前が見えない未開拓ゾーンであることを日々、痛感しています。だからこそ、どうしても一企業だけでは扱いきれない領域の広さがあり、会社を超えたプロジェクトを推進するパートナーシップが大切になります。頭で考えるだけではなく、トライアンドエラーで積み上げていく「実践知」も必要になり、社内外問わず共に汗をかけるメンバー選定も重要になると思います。

具体的なプロセスはマーケティング課題によって毎回違いますが、プラニングの大枠には2つの重要ポイントがあると思っています。

「データの価値化」 ポイント1:プロセス設計

「データの価値化」プロセスの一例

1つ目は「プロセス設計」の話です。何の課題を解決するために、どのデータを「入力」しどんな「出力」を目指すのか?それはどうすれば実現可能か?の初期仮説を立てた全体設計が必要です。「出口」が見えていないまま「入口」を掘り続けるのでは、途中でタイムアウトになる可能性があり、データを太らせることを目的としてはいけません。課題設定と解決策のクリアなイメージこそが肝要です。
次に様々な種類のデータを「統合」しデータが活用できる環境をつくります。そして実際に分析する前の「分析設計」を経て、はじめて「分析」が行われます。また、分析して終わりではなくて「出力」までプランニングしてはじめて効果的な「データの価値化」が生まれると考えています。

「データの価値化」 ポイント2:チームビルディング

2つ目は、「チームビルディング」の話です。
「データの価値化」を行うにあたり、プロセスすべてを一人でこなせるスーパーマンはいないので、データサイエンス、メディアプラニング、クリエイティブ、UXデザイン、システム設計などの領域を横断したプロジェクトになると思います。普段関わりの少ない領域での專門言語が飛び交う中で、チーム全体として共通のゴールを目指さなくてはいけません。そんな中重要になるのは、すべての活動を生活者視点で総合ディレクション出来る人材です。今後は領域を越境し、専門用語を“生活者”視点で翻訳することが求められるのではないでしょうか。

まとめ: “生活者発想”と“ビジネス成果”に拘る

最後に、複雑になりがちなデータの話ですが、自戒も込めて常に「一体何のためにこれをやっているんだっけ?」という原点に立ち返ることを忘れてはいけないと考えます。
起こりがちな「手段の目的化」という罠に嵌まらない、ビジネス成果を生み出すためのデータでありマーケティングであるべきではないでしょうか。ビジネス成果を生み出すためには、生活者にとっての価値を創ることが必須です。
小難しいことを突き詰めて、いたずらに高度なソリューションに走るのではなく、私たちはデータという武器をもってどんな生活者価値が創れるか?それを通じてどのようにクライアントのビジネス成果に貢献できるか?をもう一度問い直したいと思います。

※本記事は博報堂DYメディアパートナーズHPに掲載した記事を転載しています。
※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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  • 博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンビジネス開発センター
    2009年読売広告社入社(現:統合ソリューション局マーケットクリエーションチーム)。2015年より博報堂DYメディアパートナーズ DMP部と兼任。入社から一貫してマーケティング部署を歴任し、食品飲料・不動産・地方・スタートアップなど幅広い業種のマーケティング戦略立案、商品開発、コミュニケーション/UXデザイン業務に従事。近年ではデータを活用したマーケティングの新領域の開拓を推進。マス/デジタル、戦略/エグゼキューション、データ/クリエイティブを横断し、クライアントの事業成長を支援。