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AaaSが創出するイノベーションと、次世代の広告メディアビジネス 第2部 新しい視点の獲得へーシステム基盤「統合メディアDWH」の働き
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AaaSが創出するイノベーションと、次世代の広告メディアビジネス 第2部 新しい視点の獲得へーシステム基盤「統合メディアDWH」の働き

広告メディアビジネスに革新をもたらす「AaaS」とは。
6月11日(金)に開催された宣伝会議主催のオンラインカンファレンスSIMCにおいて、広告メディア業界のDX推進にはたす役割や、実現する新しい広告・マーケティング活動の姿、今後の展望などについて、独自基盤システムや各種サービスの説明なども交え、3部に分けてAaaSを提唱し推進する博報堂DYグループから詳細な紹介を行いました。

■第2部:新しい視点の獲得へーシステム基盤「統合メディアDWH」の働き

第2部では、「AaaSを支えるシステム基盤『統合メディアDWH』がもたらす進化」をテーマに、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディアビジネス基盤開発局長の藤本良信と、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 執行役員プロダクツ開発本部長の齋藤充が話をしました。まず、藤本が現状のデータ利用と問題について解説。テレビの購入広告枠データ、視聴率データ、デジタル広告の媒体社の出稿実績データ、テレビとデジタルの横断調査データなど、さまざまなデータがこれまでも活用されてきたが、データがサイロ化し、個々のシステム環境が異なるために横断的に集計し分析するのが困難で、プラニングとバイイングの乖離に気づかない、統合管理ができないなどの問題が発生しているとしました。「統合メディアDWH(データウェアハウス)を核としたシステム基盤によって、複数のデータを横断的に集計、分析することが可能になり、プラニング、バイイング、モニタリングのメディアビジネスのプロセスも同一環境下で接続可能になります。それだけでなく、バイイングに直結するプラニングを可能にし、モニタリングは施策に反映しやすいデータ粒度を追求することができます。また、明確な指標に基づくリプラニングもできるようになります」

続けて藤本は、システム基盤には、テレビのバイイングや在庫、メジャメントなどに関するデータ、デジタルのクリエイティブやメジャメントなどに関するデータ、テレビとデジタルを横断したプラニングデータ、博報堂DYグループの生活者データ、その他のサードパーティデータが同一の環境にあり、AIなどを活用したオリジナルアルゴリズムで予測したり、シミュレーションしたりできる機能や、データを整形するAPIなどを用意していると説明しました。さらに、「ダッシュボードでのデータ分析の可視化、他社のシステムや得意先の環境へのデータフィード、得意先のファーストパーティデータとの連携なども可能です」と話した藤本は、データの拡充や新しいアルゴリズムの搭載など、今後もシステム基盤の進化を図るとしました。

これまでは、プラニングとバイイング枠の粒度が異なるので、プラニングの結果を十分に把握できないきらいがありました。そこで、システム基盤「統合メディアDWH」では、バイイング枠の粒度で、多様なターゲットの視聴データと、AIによる予測視聴率を確認できるようにするとともに、データ更新のスピードと頻度を上げることによって、簡単にプラニングができるようにしています。また、キャンペーンの途上でも目標に対する達成状況をモニタリングすることが可能です。藤本は「テレビ広告の運用環境が整備され、プラニングの実践力が上がります」と導入の効果を語ります。
齋藤はデジタル広告におけるシステム基盤の働きを報告。「クラウドサービスの利用が普及して、より多量のデータを処理できるようになったことから、メディアデータ、外部コンバージョンやブランドリフトなどに関する計測データ、そして広告主データと、デジタル広告におけるデータも多様化・複雑化が進んでいます。データの利用はデジタル広告の運用では不可欠なので、『職人技』で多量で複雑なデータを処理してプラニングや運用、レポートなどにあたってきましたが、システム基盤によって、職人技をナレッジに昇華させることができるようになります」としました。

次に「Tele-Digi」に関して、藤本は「これまでもテレビとデジタルとを合わせてプラニングをしてきましたが、その結果を確認することができていませんでした。それがシステム基盤『統合メディアDWH』によって、露出の程度や、ターゲットへの到達度などをメディア指標で把握できるようになったのは、モニタリングにおける大きな進化です。それによって、プラニングの頻度を増やすことも可能になります。また、KPI/KGIを合わせて見ることができる環境ができると、気づきが増え、それに応じたアクションも見えてくると思います」と進化を説明。「システム基盤『統合メディアDWH』の活用で、テレビ広告を補うデジタル広告の運用という側面だけでなく、今後はTele-Digiならではの指標の開発にトライしたいと考えています」と話す齋藤に対して、藤本も「Tele-Digiに関するデータの蓄積がますます必要だと思います。」と応じていました。

蓄積したデータを用いて、藤本は「シミュレーションの成功確率を上げたり、モデリングのケースを増やして、モデルを選べたりできるようになると思います」とし、そこに挑戦したいと目標を語りました。齋藤も「優秀なプランナーや広告運用者の「職人技」に寄せられている信頼を、システム基盤『統合メディアDWH』も獲得できるようにしていきたいですね」と、今後を展望しました。

システム基盤「統合メディアDWH」の導入によって、プラニング、バイイング、モニタリングの業務内容が変わるとともに、藤本は高速PDCAと、それに基づく運用が可能になるとし、「たとえば、事前には80点だったプラニングが、システム基盤『統合メディアDWH』を使うと、100点を目指すことが可能になっていくと思います。つまり、常時パフォーマンスを向上させることができる時代になっていくのです」と説明。齋藤は、メディアデータの鮮度を高めるなど、システム基盤の機能の強化や、他のメディアとの連携が必要と提言しました。藤本は「博報堂DYグループ以外のいろいろなところとつながることによって、新しいメディアビジネスや、新しい働き方が始まります」と語り、その第一歩となるのが、システム基盤『統合メディアDWH』であると強調しました。
 

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  • 株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
    メディアビジネス基盤開発局長

  • デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
    執行役員 プロダクト開発本部長