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顧客を見える化する新しいプラットフォーム“カスタマート”
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顧客を見える化する新しいプラットフォーム“カスタマート”

顧客の見える化ツール「カスタマート」

前回は、ロイヤル顧客育成を実現する「アクティベーションデザイン®」の考え方についてご説明しましたが、今回はその実現手段である「カスタマート」についてご紹介したいと思います。「カスタマート」は、顧客のブランドに対するロイヤルティを【購買=アクションロイヤルティ】という軸のみではなく【気持ち・ファン度合い=マインドロイヤルティ】という軸を新たに加えた2軸で捉え、顧客とブランドとの距離を測り、顧客のポテンシャルをスコアリングし、ダッシュボードで見える化するデータプラットフォームです。
それでは具体的にどのように分析し、結果を表示させるかをご紹介しましょう。

顧客ポテンシャルのスコアリングに活用する評価には大きく3つの要素があります。【購買履歴評価】【ターゲット属性評価】【ターゲット行動履歴評価】の3つです。この3要素を分析し3つのダッシュボードによって顧客を見える化します。

図1:顧客ロイヤルティの見える化

ダッシュボード①:「顧客ロイヤルティの見える化」
対象となる顧客(自社サイト来訪者など)を「縦軸:購買軸」×「横軸:ファン度合い」の2軸でプロット。顧客が現状どのような状態にあるかを既存顧客のみならず見込顧客も含めてクラスタリングし、1シートで見える化します。また各クラスタのターゲットプロフィールを下部に表示させ、そのクラスタの対象者リストを抽出することもできます。

図2:コンテンツ接触状況の見える化

ダッシュボード②:クラスタごとのコンテンツへのアクセスを見える化
それぞれのターゲットクラスタがサイト内のコンテンツをどのように遷移しているかを見える化します。ロイヤルティの高いターゲットが接触するコンテンツの傾向を一目で確認することや、ロイヤルティの低いターゲットが離脱するコンテンツの傾向を簡単に確認することができます。

図3:クラスタ間の移動を時系列で見える化 


ダッシュボード③:キャンペーン効果の見える化
キャンペーン実施後にターゲットがクラスタ間をどのように移動したかを時系列で確認することができます。たとえばTV広告を実施した際、実施前と実施後で顧客のクラスタ移動が事前の設計通りに起こったかどうかを確認することができます。

以上3つの標準ダッシュボードでターゲットの状況を確認し、キャンペーンやCRMプランニングに活かすことがカスタマートの基本的な使い方となります。ターゲットを2軸でクラスタ化することで、ファン度合いが高いのに購入に至っていない見込顧客の効率的な引き上げ活動を計画・実施したり、購入には至っているがファン度合いが低く離反リスクのある既存顧客を抽出して離反防止のCRM活動を実施するなど、従来よりも効果的な施策を実現することができます。

様々なデータを活用したカスタム分析

標準機能では主に自社サイト来訪者の見える化ダッシュボードとして活用される「カスタマート」ですが、ブランドに対するファン度合い(=マインドロイヤルティ)は「自社サイト内での各種行動データ」から算出されています。しかし、ファン度合いを測れる行動データには、自社サイト内の行動データ以外にも様々なものがあります。カスタマートは標準機能以外にも入手可能な様々なデータを分析目的に沿って活用し、カスタマートの分析ロジック(顧客とブランドとの心理的距離を数値化)を使って分析するカスタム分析も可能です。以下では、カスタム分析の事例を2つご紹介したいと思います。

カスタム分析事例①: 【3rd Party Data】活用による購買予兆および離脱予兆分析

購買決定プロセスにおいて他社サイトや比較サイトへの訪問はよく確認されています。
たとえばある顧客が商品の購入に至った行動を分析してみると、購入の前にいろいろなサイトを見て情報を取得していることがわかります。当然、購入する商品のメーカーサイトを見るでしょう。またその商品に決めるにあたって商品の比較サイトを見る事もありますし、購入候補商品の使用者コメントが書いてあるレビューサイトを見ることも多いです。そして購入の直前には価格比較サイトで価格を確認するという行動も見られます。つまり「購入という結果データ」とあわせて、その「購入にいたった経緯データ」を分析することにより、購入の「予兆」を見いだすことができるわけです。このような予兆を正確にとらえ、「顧客の購入行動を確度高く予測する」~言い換えるなら「購入ポテンシャルの高い顧客を探す」ためにカスタマートのカスタム分析を活用できます。
また「購入予兆」と同じように「ブランドスイッチ・離脱」の予兆分析も可能です。たとえば「解約」という行動をとる前には「他の商品/サービスのサイトを見始める」「特定の商品/サービスのサイト滞留時間が増える」といったいくつかの予兆が見られるので、それらの予兆がある自社顧客をカスタマートを使っていち早く捉えることで、対応施策につなげることができます。

※この分析では顧客の外部サイトでの行動を把握する必要があるため、パブリックDMPの競合他社サイトへのアクセス情報や検索行動データなどを使用します。

図4:CVと時系列モチベーションの関係

カスタム分析事例②: 【リアル店舗での行動データ】活用による購買予兆分析


いま興味深く分析をすすめているのがリアル店舗における行動予兆分析です。顧客が店舗内でどのような行動をとり購入に至っているのか、また逆にどのような人が購入に至っていないのかという分析です。さらには「高額購入者の特徴は?低額購入者との行動の違いは?」「来店回数によって特徴があるのか?」「店舗内滞在時間で購買に差がでるのか?」など、店舗スタッフが抱く多くの疑問に対して取り組んでいます。この結果を用いて店舗の導線設計、店内販促や接客に活かしたいと考えています。
リアル店舗での行動データを分析するに当たり、特に注目しているのは「ある売り場に一定以上の時間滞在していたが、まだ購入には至っていない人」です。この顧客は高確率でこの売り場の商品に興味をもっていると考えられ、今回購入に至らなかったとしても今後の購入可能性は少なくともこの売り場での滞在時間が短い顧客よりは高いと言えるでしょう。これらの顧客に対して適切なタイミングでアプローチすることができれば、この売り場での購入につなげられるかもしれません。自社のWebショップで情報取得している人と、リアル店舗でわざわざその売り場に立ち寄った人の購入ポテンシャルはどちらが高いと思われますか?わたしはリアル店舗内での顧客行動データ分析の重要性が今後ますます高まってくると考えています。

※この分析では、1st Party Dataや店舗内に複数設置したBeaconから取得した顧客行動データなどを活用しています。

最後に

最近では様々な顧客行動をデータ化して分析に活用できるようになってきており、ご紹介した事例以外にも多様なデータを活用した分析を進めています。
今後も新たなデータを活用することで、様々な課題に対する顧客ロイヤルティ視点でのソリューション開発にチャレンジしていきます。

<アクティベーションデザインは大広の登録商標です>

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  • 株式会社 大広 アクティベーションデザイン統括ユニット 大阪プロデュース局 第1グループ 部長
    1995年、株式会社 大広に入社(配属:営業局)。
    2001年よりダイレクトマーケティングビジネスに携わる。2012年からダイレクトマーケティング総合研究所を兼務、さらに2013年からはDMPを中心としたプラットフォームビジネスサポート業務をおこなう。2015年のカスタマーマネージメント局CRMグループのマネージャーを経て、2016年から戦略立案・コミュニケーション設計および実施などの業務を行う大阪プロデュース局に所属し現在に至る。
    直近で立ち上げたプロダクトはCRMツール【ブラウザメッセンジャー】や顧客の見える化ツール【カスタマート】など。