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アイレップ若手社員が語る、広告会社とクライアントが共創するメリット 【アドテック東京2019レポート】
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アイレップ若手社員が語る、広告会社とクライアントが共創するメリット 【アドテック東京2019レポート】

テキスト広告やバナー広告を得意としてきたアイレップが、近年は領域を拡大し、SNSマーケティングにも注力しています。今回、アイレップの丸山沙織と清水万由奈が、マーケティングテクノロジーについてのカンファレンス「ad:tech tokyo2019(アドテック東京)」のセッションにスピーカーとして参加しました。丸山が参加した「代理店へ丸投げはダメ絶対。チームワークでパフォーマンスを向上する」と、清水が参加した「U30が語る、これからのマーケティング」における登壇内容をレポートします。

対話を重ねることで磨かれる広告プランニング

 「代理店へ丸投げはダメ絶対。チームワークでパフォーマンスを向上する」のセッションにはクライアント、広告会社、ツールベンダーなど様々な立場の8人のスピーカーが参加しました。はじめに、丸山は「アイレップはデジタルに強みを持つ広告会社。博報堂グループに属しているため、テレビを絡めた提案も得意にしている」と自社を紹介。

 まず、代理店に全て一任してしまうことについて広告会社の共通の悩みとして「オリエン内容の抽象度が高かったり、逆にKPIだけを示した形でクライアントから提案を求められたりすることが多い」という話題になりました。これについて丸山は「我々もそうした形でお話をいただくことは多くあります。ただ、後ろ向きには捉えていないんです。『プランニングに伸びしろがある状態で渡してもらえている』と捉えています。実際に、最初に内容がはっきりとは定まっていなくても、会話を重ねて一緒にプランニングを作っていくことで成功するケースは多くあります。内容が固まりきっていて『この部分だけやってほしい』と作業を限定されて依頼される場合よりも、良い結果に結び付きやすいのではないかと感じています」と語りました。

 次に、「メディアとクライアントが直接やり取り出来るようになっている中で、広告会社ならではの価値とは何か」という話題になりました。丸山は、「広告会社の強みは、事例をたくさん持っていることだと思います。成功も失敗も含めて実績を多く持っているため、その経験を踏まえた最適なご提案が出来ると思っています。また各プラットフォームを使いこなし、一長一短の特徴を知り尽くしているメンバーが多数いる事も代理店の強みです。メディアを知り尽くしているメンバー同士が協力しあうことで最適なメディアの組み合わせを模索し媒体横断で最適な提案をすることが出来ています。私自身もこれまでInstagramを中心とした広告提案を長く経験し、実際にユーザーとしても毎日利用しているため、生活者のリアルな使い方を理解していると自負しています。クライアントにInstagramについてご説明する際にも、具体的なエビデンスをお示し出来ていると思います」と説明しました。

 他のスピーカーから「クライアントと一緒にプランを作るとは、具体的にはどういった形で進めるのか」という質問がありました。丸山はアイレップが開催しているInstagramの広告クリエイティブに特化したワークショップ「IREP IG CREATIVE HACK」について詳細を説明し、「膝を突き合わせてディスカッションすること自体が大切だと感じています。向かい合ってお話しないと分からないことはたくさんあります。クライアントの担当者の方が、1人で悩みを抱えて苦しまれているケースが非常に多くあります。分からないことはワークショップで遠慮無く聞いていただいて、ディスカッションしていただければと思っています」と語りました。

 セッションの最後に、丸山は「本日登壇されたクライアントの皆さまは、いずれもモデルケースと言えるような素晴らしいお取り組みをされていらっしゃいます。ただ、そういったクライアントがいらっしゃる一方で、『広告会社との向き合い方そのものが分からない』と悩まれている企業の方もまだまだ多いのではないかと思っています。我々としては、そういった企業の皆さまのお力になりたいと思っておりますので、是非、膝を突き合わせてディスカッションする関係になりたいと思います」と語りました。

 世代の違うマーケターが力を合わせることが重要

 「U30が語る、これからのマーケティング」のセッションには、マーケティングに関わるU30世代の9人のスピーカーが参加しました。

 冒頭の「マーケティングとは何だと考えているか」という質問に対し、清水は、世の中に発信されている価値と、世の中を結びつけることだと考えている、と見解を示しました。
 次に「年長の世代のマーケターは最新のSNSなどを実際に使うべきか」という話題になりました。清水は、「決裁権を持っている方には是非実際に使ってみていただきたいと思っています。例えば、Instagramであれば、ストーリーズにどういう価値があるかといったことを実際に体験して理解していただいていれば、それを踏まえた上での効果的な施策を一緒に検討することが可能になると思うんです」と話しました。また、「クライアントの事業拡大を考える場合、マスからデジタルにどう繋げるか、デジタルからマスにどう繋げるかということがとても大切だと考えています。それを実現するためにも、スマホ時代のメディアに関してはスマホネイティブ世代から上の世代の方へ知識やユーザー視点の使い方を共有させていただき、上の世代の方々が持つマスの知見と融合していけたらと思います」と語りました。

 「これまでの仕事で自分が出した成果は?」という話題では、IREP IG CREATIVE HACKでの取り組みを挙げました。清水は「オリエンジャッジ型で広告を作る場合は、それぞれの立場によって重視するポイントが異なっていて、生活者側に寄りすぎたり、商品価値に寄りすぎたり、といった課題がありました。我々はこのやり方を変え、クライアントと広告会社が共創する関係になるべきだと考えて、IREP IG CREATIVE HACKを作りました」とサービス立ち上げの経緯を説明しました。

 実際サービスを開始して感じられたメリットについて話は移り、「対面での話し合いの場では、実際のクリエイティブには採用されなかった案も含めて様々な可能性の種が生まれます。それらを運用しながらPDCAを回していくことで成功確率を上げていくことが出来るのがメリットです。また、クライアントとも共通言語・共通意識が出来るので、次の一手に踏み出しやすいということも良さだと思っています」と語り、クライアント共創型ワークショップの魅力を伝えました。

 セッションの最後に「年長世代のマーケターとどういった関係を築くのが理想か」という話題になりました。清水は「私たちの世代はスマホネイティブなので、デジタルメディアに慣れているという強みがある一方で、特にSNSに対してはユーザー目線になり過ぎてしまうこともあると思います。そういう場合に、上の世代の方にフラットな視点での意見をいただいて、融合させることも重要です。理想は、それぞれの世代が持っている視点や強みを生かすことが出来る関係を築くことだと思います」とU30のマーケターならではの視点を語りました。

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  • 株式会社アイレップ
    メディアデザインUnit メディアデザインDivision
    メディアプランナー
    料理系メディアを経てアイレップに入社。前職ではInstagram/Facebookで料理動画を軸としたコンテンツマーケティングを行っており、ユーザーニーズやプラットフォーム特性を活かした運用経験が豊富。現在はメディアデザインDivisionにてプランニングからクリエイティブディレクションまでInstagram/Facebookにおいて総合的にマーケティング支援を行っている。
    またクライアントと一緒にWork Shop形式でInstagramのクリエイティブを創る「IREP INSTAGRAM CREATIVE HACH」のプロジェクトを中心メンバーとして立ち上げ、2019年4月、国内では2社目となる「Facebook社監修」の取り組みとして認められた。
  • 株式会社アイレップ
    コミュニケーションデザインUnit
    インタラクティブデザインDivision
    プランナー
    アイレップの新卒入社3年目。入社後、ソリューション統括本部にてSEO、コンテンツマーケティングに従事し、Instagramを中心としたSNS企業アカウント運用の手法を開拓。
    2019年からは、インタラクティブデザイン本部と統合プランニング本部を兼務し、プランニングからクリエイティブディレクションまで統合的なマーケティング支援を実施。
    大手商業施設、大手コーヒーメーカーなどの運用を担当。社内で最もアカウント運用の知見を持ち、社外セミナーや海外での日系企業向けセミナーにも登壇している。