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ヒット習慣予報 vol.224『ヘルスモニタリング』
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ヒット習慣予報 vol.224『ヘルスモニタリング』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。

健康診断で引っかかって、急に運動をはじめたり、食生活を見直したり。人の習慣が大きく変わるのは意外とちょっとしたキッカケだったりします。かく言う私も人間ドックで再検査となったことで、このところものすごく健康を意識するようになり、暮らしは見違えるように変わりました。その暮らしの変化を通じて、いろんなテクノロジーが日々の私たちの健康を支えてくれているのだと感じるようになりました。そこで今回は「ヘルスモニタリング」と題しまして、自分の健康を自分で可視化して上手にコントロールする習慣が広がっている新習慣についてまとめてみようと思います。

まずご紹介したいのが「スマートウォッチ」です。
私も最近使い始めたのですが、これはすごいです。歩数、消費カロリー、心拍数などが可視化されます。その中で私が一番重宝しているのが睡眠の質診断です。「深い眠り」と「浅い眠り」を判別し、スコア化してくれるので、その日の睡眠がよかったのかどうかが一目瞭然です。私はもともと眠りが浅い体質なのですが、今話題の睡眠の質を向上してくれる飲料を飲んだら、驚くことに「深い眠り」の割合が向上したのです。本当に因果関係があるのかは定かではないですが、行動に対して指標の変化が見えるは面白いですよね。ちなみにこの「スマートウォッチ」、検索数も上昇トレンドにあり、注目を集めていることがわかります。ちなみにスマートウォッチと連携できるスマート体組成計もとてもいいです。体重、体脂肪率、内臓脂肪、基礎代謝、タンパク質の量など、体のあらゆるスコアが可視化され、ついつい同年代スコアより劣っている項目を改善したくなってしまいます。

〈「スマートウォッチ」に関する検索数の推移〉

出典:Googleトレンド

続いてご紹介したいのが「食事管理アプリ」です。
普段の食事をスマホで撮影することで、カロリー、栄養バランスが算出されて、健康アドバイスが届くというもの。トータルの健康指数が点数化されるので、日々の食事状況が一目瞭然でわかって便利です。SNSを検索すると、自分の栄養バランスの分析データや健康指数を画像投稿する人が多数見られました。結果に一喜一憂している投稿がとても面白いです。毎日規則正しい食生活を送るのはなかなか難しいですが、昨日カロリー過多だったから、今日は控えめにするなど調整できるのがいいですね。以前流行したレコーディングダイエットのように、記録し続けることで健康的にダイエットに励んでいるようです。

体のみならず、「心のモニタリング」ができるサービスも増えてきました。
先に紹介したスマートウォッチでもストレス指数が分析できるので、今この瞬間にどれくらいストレスを受けているかが可視化できます。私も仕事中にたびたびチェックしていますが、大事なプレゼンのときにストレス指数が高まっているのを客観的に把握することで、逆に落ち着きを取り戻すことができたりして重宝しています。また、スマホのカメラに指をかざすことで自律神経の状態を把握でき、心のセルフコントロールに役立つものもあります。

この「ヘルスモニタリング」が広がっている理由は、いくつか考えられます。一つは、センシング技術が進んだこと。スマートウォッチの心拍数センサー、加速度センサー、食事管理アプリの画像認識AI技術などのテクノロジーによってさまざまな指標を把握できるようになりました。さらに部品の小型化やコストダウンが進んだことで装着ストレスも減ったのも大きいです。次に、生活者の健康意識の向上です。コロナ禍で在宅時間が増え、またリモート会議で移動時間が減ったことで運動不足になり、体調や体型の変化が進んだ人が多くいます。とはいえ運動や栄養バランスのいい食事を続けるのは難しいもの。そんな中、健康状態を可視化することが、続けるモチベーションになっているのです。さらに、ゲーム性によって続ける楽しさが演出されているケースも。栄養状態を架空のキャラクターが指南してくれてやる気がでたり、健康状態がスコア化されたりすることで、昨日の自分よりも成長している感覚が得られて、やる気に火がつくのです。

このように広がりつつある『ヘルスモニタリング』ですが、これからも多くの人が実践していくことが予測され、そこには新たなビジネスチャンスが広がっています。

『ヘルスモニタリング』のビジネスチャンスの例
■食事管理アプリと連動した栄養バランスを整えるミールキットデリバリー。
■心のモニタリングツールと連動して、そのときの心の状態に最適な音楽を流してくれるサブスクリプションサービス。
■睡眠スコアに応じて寝具、アロマ、温度設定などトータルで睡眠をサポートするコンサルティングサービス。
など

スマートウォッチとスマート体組成計を導入してからわずか数か月で、少しずつ体重が減り、体調も良くなり、血液検査の結果も改善しました。結果が出るとまた頑張りたくなってきて、いい循環が回りますね。とはいえ、たまに、チートデイ(好きなものを食べてもいい日)と称して暴飲暴食をしてしまいます。そのチートデイの頻度が徐々に増えてしまっていることが、最近の大きな気がかりです(笑)

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局チームリーダー
    ヒット習慣メーカーズ リーダー
    メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
    戦略CDとして、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。最近時間のあるときに絵を描きはじめました。まだ落書きレベルなのですが、描いているときの集中時間が心地いいです。