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ヒット習慣予報 vol.223『私生活ライブ配信』
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ヒット習慣予報 vol.223『私生活ライブ配信』

こんにちは。今回からヒット習慣メーカーズのメンバーとなりました吉田と申します。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

今回、ヒット習慣予報を執筆するにあたって、あらためて周りの友人との会話や最近の出来事を思い返してみると、ゲームのライブ配信を始めている人が増えているなぁと感じました。

実際、Googleトレンドで「ライブ配信」と検索してみると、コロナ禍の始まりを皮切りに大きく伸びており、「ライブ配信」を「見る」人、「始める」人、どちらも増えてきていると考えられます。

出典:Googleトレンド(「ライブ配信」で検索)

ライブ配信について色々と調べてみると、定番であるゲーム配信以外にも、生活の中の何気ないひとときを不特定多数の人たちに向けて配信するという新しい兆しが見られました。

そこで、今回は「私生活ライブ配信」と題しまして、具体的にどのような配信があるのか、いくつかご紹介していきます。

まずは寝落ちライブ配信です。
配信者や視聴者が寝落ちするまで配信しつづけて、その日あった出来事など、他愛もない日常について話していくものです。
文字に起こすと何が面白いの?と思ってしまいそうですが、睡眠導入用のBGMとして使っている人や、夜中に感じる寂しさを紛らわしに来る人など、その利用目的は様々です。
実際、各種配信プラットフォームアプリには「スリープタイマー」や「寝落ちタイマー」と呼ばれるような機能が搭載されているものも多くあり、配信を見ながら寝落ちすることを想定された設計がされているものも多いです。

もう一つは、勉強ライブ配信です。
ガラケー世代としては、勉強を配信するという発想そのものに驚いてしまいましたが、効率よく勉強をするために配信をするのではなく、一人で勉強してもサボっちゃうから誰かに見ていてほしい、退屈な暗記作業を視聴者と話しながら楽しくやりたい、といった理由で行っているのだとか。
また、試験が近くて不安な気持ちを視聴者みんなで共有し、気分を紛らわすなど単に勉強風景を配信するのではなく、そこには視聴者とのコミュニケーションも存在しています。

最後は、料理ライブ配信です。
これまでにも料理がうまい人が配信をすることはありましたが、実は今、料理があまり得意ではない人や初めて料理をする人の配信がにわかに注目を集めているようです。
どのように楽しんでいるのか見てみると、おいしそうな料理の調理過程を見ながらレシピを学ぶのではなく、悪戦苦闘しながらも料理に挑戦している等身大な姿に共感し、笑ったり、応援したりしてコミュニケーションを取っているようです。

なんの変哲もない生活の一部を配信する人たちがあらわれており、生活を公開する以上に配信者と視聴者の双方向的なコミュニケーションを楽しんでいることがわかりました。
では、なぜこのような「私生活ライブ配信」が生まれたのでしょうか。

考えられる背景としては、家で一人で過ごすときもゆるやかに誰かとつながっていたい、というニーズの増加が考えられます。
コロナ禍で人と会うのが制限された中でも、オンラインで「ライブ配信」をすれば、いつでも誰かとコミュニケーションを取ることができます。誰かと一緒にいる、という感覚を味わえる点が、現在の社会潮流にマッチしているのでしょう。

もう一つ、配信プラットフォームの増加によって、始めるハードルが下がっているのも背景として考えられます。
昔の配信は様々な機材を準備する必要があり、少しハードルが高いと感じる趣味でしたが、今はスマホ一つあれば始めることができるようになりました。また、既に友人とつながっているSNSで行うライブ配信は、視聴者数がある程度保証されているため、ゼロベースで配信を始めるのに比べると、集客力の面でも優れています。手軽に配信する環境がどんどん整ってきているんですね。

最後に、「私生活ライブ配信」のビジネスチャンスについて、少し考えてみました。

「私生活ライブ配信」のビジネスチャンスの例
■夜中だけ利用できる、寝落ちライブ配信専用のプラットフォームの開発
■配信者・視聴者が同時に共通の問題を解いていくスタディアプリ型配信プラットフォームの開発
■料理が不得意な人を視聴者全員で成長をサポートする、逆料理教室型のオンライン配信サービス
など。

一人で寂しいと感じた時、知らない誰かの生活を配信で覗いてみると、寂しさが紛れて気分転換になるかもしれません。
私も誰かに見せられるような生活を送れるように、日々の生活を見直したいと思います(笑)

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 北海道博報堂
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2020年北海道博報堂に入社し、マーケティング・ストラテジックプラナーとして業務に邁進している。インターネットに生息し、日夜インターネットカルチャーを浴び続けている。