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スポーツチームを軸とした「地域のDXの輪」──アビスパ福岡「オフィシャルDXパートナー」に参画したアイレップ
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スポーツチームを軸とした「地域のDXの輪」──アビスパ福岡「オフィシャルDXパートナー」に参画したアイレップ

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、規模や活動拠点を問わず、あらゆる企業にとって喫緊の課題となっています。名古屋、大阪、福岡、高知、新潟に地方拠点を構える博報堂DYグループのアイレップは、この4月から福岡のJリーグJ1チーム、アビスパ福岡の「オフィシャルDXパートナー」となり、地域企業のDX支援に乗り出しました。デジタルマーケティング企業が地方で活動することの意義について、3拠点を統括する平野光一に話を聞きました。

関連リリース:アイレップ、アビスパ福岡「オフィシャルDXパートナー」に参画~福岡を中心とした地域企業におけるDX化を推進~

平野 光一
アイレップ 
執行役員 第二マーケットデザインユニット長

スポーツチームを通じて地域経済に貢献する

──アビスパ福岡の「オフィシャルDXパートナー」とはどのような枠組みなのですか。

平野
アビスパ福岡とのつながりを軸に、福岡市、さらには九州地域で活動する企業のDXを支援していこうという趣旨のデジタル系企業の集まりです。アイレップは今年4月に参画しました。現在、構成企業は8社となっています。スポーツチームを通じて地域経済への貢献を目指す枠組みと言っていいと思います。

──地域企業のDXを推進するに当たってスポーツチームが軸となっている理由をお聞かせください。

平野
アビスパ福岡は、以前から「AGA(アビスパグローバルアソシエイツ)」という企業団体を組織しています。アビスパを応援するたくさんの企業が参加していて、福岡の企業ネットワークの一つのハブとして機能しています。「オフィシャルDXパートナー」は、そのつながりの中から生まれました。それが、アビスパというスポーツチームが軸となっている理由です。

──なるほど。アイレップがそこに参画した理由についても教えていただけますか。

平野
参画企業はそれぞれにファイナンス、人事、システムなど、得意とするDX領域があります。アイレップは、データ活用、コンテンツ制作、プロモーションといった領域に強みがあります。僕たちが参画することで、DX支援の幅が大きく広がると考えました。

──福岡でDXを推進することの意義をどう考えていますか。

平野
もともと、高島宗一郎市長が福岡市を「IT市」にするという目標を掲げていて、スタートアップの誘致にも力を入れていらっしゃいます。福岡は人口流入が多く、移住する人も少なくないのですが、一方で地元から新しい企業がなかなか生まれないという課題もあります。地元企業がDXを成功させ、「デジタルによる活性化に成功した地方自治体」というイメージが広がれば、さらに新しい企業を誘致できるし、地場からもスタートアップが育っていく可能性がある。それによって、福岡における僕たちのビジネスも拡大していく──。そんなふうに考えています。

──福岡は韓国や台湾に近いので、企業のグローバル拠点としても適していますよね。

平野
そうなんですよ。いろいろな企業が福岡を拠点化すれば、経済活動がさらに活発になり、Uターン、Iターンで福岡に来て働こうと考える人も増えるはずです。その流れをつくるきっかけになるのが、このDXの取り組みであると捉えています。

地域に根を下ろして地元企業の活動を支援したい

──平野さんは、もともと福岡で働いていたのですか。

平野
もともとは大阪です。4年半ほど大阪のアイレップの拠点で働いて、その後東京本社でやはり4年くらい勤務しました。今は、アイレップの3つの地方拠点(名古屋、大阪、福岡)の責任者を務めています。

──地方でビジネスに従事することの面白さは、どのような点にありますか。

平野
自分のアイデアがいかせる余地が大きいこと。自分でつくったネットワークを活用できること。お客さまからの反応がダイレクトに返ってくること──。そういった点に面白さを感じます。地方はそれぞれに商慣習が異なります。その商慣習に対応しながら着実に成果を上げていくことは、とてもチャレンジングな活動だと感じています。

──アイレップは、これまで福岡でどのような活動をしてきたのですか。

平野
昨年から「DIGIFULアカデミー」という企業のマーケティング担当者のための学習サービスを展開しています。オンラインのサービスですが、福岡のお客さまにも積極的に提案してきました。ほかにも、デジタルプロモーション、データ活用、マーケティングオートメーションツールの導入などを支援させていただいています。アイレップはデジタル広告やプロモーションをビジネスの柱にしてきた会社ですが、地方のお客さまの課題を解決できるソリューションやサービスも多数取り揃えています。

──デジタルマーケティングを手掛ける企業は、東京だけでビジネスをしていると捉えられがちです。しかし、実際には地方でも盛んに活動しているわけですよね。

平野
そのとおりです。アイレップが福岡に拠点を置いて、今年でちょうど10年になります。福岡のお客さまからは「東京の会社の人だから、いつか東京に戻るんでしょう?」と言われることもあるのですが、僕たちが目指しているのは、拠点のある地域にしっかり根を下ろして、地元企業の活動に長期的に貢献していくことです。アビスパ福岡のオフィシャルDXパートナーに参画したのも、その強い思いがあったからです。

僕たちの強みは、首都圏の企業にも地方の企業にも、大手企業にも中小規模の企業にも等しく価値を提供できるところにあります。ホームページやコンテンツ制作から、データ基盤の構築、プロモーション、デジタル広告まで、多様なニーズに対応することが可能です。グループ会社には、地方企業のデジタルマーケティングを手掛けるロカリオという会社もあります。気軽にご相談いただければ、課題解決に一歩近づけるご提案とご支援ができると考えています。

地方で優秀な人材に出会う機会を

──アビスパ福岡のオフィシャルDXパートナーとしてのこれまでの活動と、これからの見通しをお聞かせください。

平野
現在は、AGAの参加企業の皆さんに向けてDXの進め方などをご提案するセミナーをほかのパートナー企業とともに行っています。今後、規模の大きいカンファレンスを共同で開催していきたいと考えています。

アイレップとして力を入れていきたいのは、この枠組みに参画したことで得られたネットワークを活用して、さまざまな企業のDXの課題を解決していくことです。もちろん、アビスパ福岡のDXもご支援していきたいと考えています。コロナ禍以降、スポーツチームには観客動員をはじめたくさんの課題があるとお聞きしています。デジタルの力で解決できることはたくさんあるはずです。

もう一つ、福岡での採用活動にも注力したいと思っています。デジタル人材は慢性的に不足していて、首都圏だけでは人材獲得が難しいのが現状です。アイレップ単体での採用活動に加えて、ほかの企業との共同採用イベントを開催し、優秀な人材に出会う機会をつくる計画を構想しています。

──今後、長期的に実現していきたいことはありますか。

平野
まだアイデアのレベルですが、アビスパ福岡を中心とするプラットフォームをつくって、そこに多くのファンや企業が参加して交流できる仕組みをいつかつくりたいですね。それによって、スポーツチームを軸とした地域活性化をさらに進めていきたいと思っています。

──福岡で成功モデルをつくることができれば、大阪や名古屋の地域経済に貢献する道も開けそうですよね。

平野
そう思います。地方におけるDX支援のモデルを確立して、多くの地方企業の皆さんのお力になりたい。そう考えています。
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  • アイレップ 
    執行役員 第二マーケットデザインユニット長
    2008年にアイレップへ入社。大阪で4年半アカウントプランナーとして総合EC、アパレルメーカー、不動産など数十社を担当。2012年に東京本社へ異動し、大手モールサイトの立ち上げ、外資系金融会社、航空会社などといった、ナショナルクライアントのプロジェクトマネージャーを経験。2016年、マネージャーとして大阪へ帰任し、西日本エリアを担当。2021年4月よりアイレップ執行役員としてエリア及びSMB担当補佐を務める。

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