
株式会社ReD.の新サービス! ワンストップ型新規事業支援サービス『FusiONE(フュージョン)』のご紹介!
Hakuhodo DY ONEの100%子会社ReD.でビジネスコンサルティングに当たる、コンサルタントの中原柊と、同じく福原寛が新たに手掛ける新規事業支援のコンサルティング型サービス『FusiONE』とは何か。その特徴や具体的な事例、博報堂DYグループならではの強みなどについて語ります。
■新規事業支援コンサルティング「FusiONE」とは?
- 中原
- そもそも「全ての事業は、新規事業だった」という事実に立ち返って見ると、新規事業の成功を支援することは、エージェンシーとしても非常に価値があることだと改めて思います。私たち2人はもともとコンサルティング会社出身でともに戦ってきた人間で、コンペで“されたら嫌なこと”についてはよく理解しています。そのうえで、「コンサルには足りないこういう部分が、私達の武器だ」というアプローチがエージェンシーとして有効だと考えています。
本サービスは、コンサルとエージェンシーそれぞれの異なる強みを掛け合わせ、融合するという意味で「FusiONE」と名付けました。コンサルの実績がある人間が持つケイパビリティを軸としながら、博報堂DYグループの強みも一緒に提供することを目指しています。
チーム体制としては、いわゆるコンサルファームで新規事業を支援してきたコンサルタントが主体となり、クリエイティブ担当者やUIUXデザイナー、広告戦略の策定を行う担当と一緒に一つのチームを組む混成体制となっています。
サービス内容としては、クライアント企業における新規事業開発プロセスを、一元網羅できるようなサービスパッケージになっています。
それぞれのプロセスを詳しく見ていくと、1つ目は「サービスアイディエーション」になります。どのような事業をやるのか、新規事業アイデアを考えるお手伝いをします。
2つ目は「マーケットリサーチ」です。実際にどういう人がサービスを利用することになるのか、競合の状況はどうか、あるいはマクロ的な分析も含めて市場環境はどう変わっていくか、などを調査します。
3つ目は「事業戦略策定」です。ビジネスをどうグロースさせていくかの戦略を描き、サービスの中身や必要な投資を洗い出し、事業計画を作っていきます。
4つ目は「PoC/PoV/PoB」です。最小規模でまずはサービスを作り、市場に出し、テストをしながら事業を大きくしていきます。
5つ目は「ビジネスローンチ・グロース」です。言い換えるとマーケティング活動をどんどんやっていくということです。
コンサルティング会社だと2つ目、3つ目あたりが主軸で、専業系代理店だと5つ目が強かったりします。そして私たちの強みは、1~5つの全てを網羅できることにあります。
■核となるコンセプトは右脳×左脳で考える
- 福原
- サービス提供のイメージや手法を私からいくつかお話しさせて頂きます。
例えば、「地域密着型の広告事業の企画を進めていて、一定の成果が見えていたが、そこからさらにSMBにターゲットを拡大させ、グロースしたい」というケースがあるとします。そういった場合は、まず私たちは具体的なサービスコンセプトとその事業性について考えていきます。
プロジェクトアプローチとしては、まずどういった問いに答えなければならないのか、解決すべきポイントは何なのか、などの論点を左脳ベースで考えていく「課題特定」を実施します。続いて、それに対してどういうサービスをぶつけていけばいいか、右脳ベースで大量のアイデアを出していきます。次に、左脳と右脳を合わせてニーズの検証を実施し、最後はそれを計画に落としていくという流れで行っていきます。
その際に、AIも活用することもあります。私たちはAIを活用した事業支援にも携わっているのですが、事業アイデアの検討にあたり、その知見を活かすこともできます。例えば、Googleのスプレッドシートに生成AIを組み込み、事業者が抱える課題や、どんなアイデアが考えられるかを人間とAIで一緒に考える、ワークショップを実施し、そこに、右脳の知見も活かしながら、スピーディにたくさんの面白いアイデアを見出していくことも可能です。
そのようにして出てきたアイデアに対してアンケートやヒアリングを通して筋の良いサービス仮説を磨き上げていくとともに、市場規模や収益性などをアウトプットとして作成。アイディエーションのみならず、足元をしっかり一歩一歩積んでいくことを同時並行で行う、といったやり方が可能です。
その後のプロジェクト創出や、既存の広告出稿者に対するカスタマーサクセス構築など、横軸の事業展開、事業の提案につなげていくこともできるのが更なる強みだと思っています。
- 中原
- 右脳×左脳という考え方は、「FusiONE」の大きな核になるコンセプトです。右脳とは「発想やアイデア、人の感情を動かすなどのケイパビリティ」を指し、左脳とは「論理的科学的アプローチに長けたケイパビリティ」を指します。
後者はコンサルティングファームが得意な領域で、前者は、コンサルティングファームが弱い部分でもある。特にサービスのアイデア出しに関しては、コンサルが苦手とするところで、相手にやられると嫌がることでもある。すでにあるアイデアに対して検証するとか、計算することは得意でも、アイデア出しや解を導いていける支援会社はそれほど多くありません。まさにこの座組にしか出せない力が、大いに発揮できるのだと思っています。
■新規事業開発ワークショップという手法
- 中原
- 2つ目の手法をご紹介します。
例えば、新規事業開発部門のあるクライアント企業で、年間の花形プロジェクトを作りたいという要望があったとします。
こうした要望に対しては、基本的には新規事業のアイデアを考えるワークショップを実施するのですが、アイデア出しにとどまらず、投資判断を行うステージゲートを通過するくらいの成果物に昇華させるといった取り組みにも挑戦しています。具体的には、アイディエーションのワークショップを行う、といったやり方があります。
step1は右脳パート中心で、「未来の社会がどうなっていくのか」「これからのインクルーシブな社会とは」などを一緒に考えていきます。step2は、そういう未来を前提にしたとき、どんな事業アイデア、事業機会があるかアイディエーションを行います。
step3からはReD.のチームが中心となり、そのアイデアがビジネスモデルとして成立するか、どこからお金を取ってくるべきか、参入余地があるかなど左脳的にアイデアを磨いていきます。
step4からは計算だらけです。どのぐらいの単価感で、いくらぐらいの収益になるか、必要投資はどうかなど、マネタイズの話をします。
そしてstep5に事業アイデアの発表を行います。
こうした内容は始めに全て決めきって進めるわけではなくて、ワークショップでのクライアント企業それぞれの反応や成果物、盛り上がりなどに応じて、次ステップのプログラムをブラッシュアップしていくという、走りながらの軌道修正を行っていくため、クライアント企業によって内容や進行状況は異なりますがあくまで一例としてとらえて頂ければと思います。
役員報告準備やレビューまでを含めて伴走することもありますし、ファシリテートだけではなく途中のアドバイスや、アイデアの審査員まで含めてやらせていただくこともあります。ときにはこちらがアイデアを提供する主体となることもあります。
こうしたプログラムを実施するには、非常に強烈な属人的なケイパビリティが必要です。かつ、マーケティングにしろ、マネタイズにしろ、複数の専門家が1つのチームになり、臨機応変な軌道修正を行っていかなくてはなりません。そのケイパビリティの網羅性が我々は非常に高く、右脳も左脳も強いことがポイントだと思います。
■中長期での新規事業創出に向けた事業機会探索プロジェクト
- 福原
- 3つ目の手法は、15年後の未来を妥当性高く考える等といった、中長期での新規事業創出に向けた「事業機会探索プロジェクト」です。なかなか想像が難しい未来のことを、いかにロジカルに、納得できる形で積み上げていくかが求めらる時に使う手法で、例えば「世界レベルでパラダイムシフトを起こすような事業を作りたい」といったご要望におこたえしたい時などに活用します。
将来何が起きるかをある程度確実性高く見据えることから、しっかりとした事業、サービスを作っていくところまで、トータルのケイパビリティが必要という状況下で、行うプロジェクトになります。
ポイントとしては、コンサル中心の体制を固めて、市場をしっかり理解し、市場がどう変わっていくのかも含めてデータに基づいて予測していくことです。将来の人口動向がどうなるか、日本は、世界はどうなっていくのかといったテーマについて延々と議論します。
この後の展望としては、情報収集や市場を予測しながら、どんどんアイデアや事業計画に落とし込んでいく、といったやり方をとります。総合コンサルや戦略コンサルが不得意な「ビジネスアイデアから目指す姿を創造」する部分も含めてトータルでカバーできる点強みだと思っています。マーケティング施策やシステム開発、BPOなど博報堂DYグループとして他領域まで一貫したご支援につながっていく可能性もありますね。
■「FusiONE」チームの考える
新規事業支援における博報堂DYグループの勝ち筋
- 中原
- 私たちは、頭脳としての右脳と左脳の掛け合わせに加えて、真ん中のDNAとして生活者発想を持っています。クライアント企業の満足や利益を考えるのはもちろん、エンドにいる生活者に対する深い理解に基づく発想ができるという部分が、やはり大きな強みになります。
また、広告事業会社を母体とする私たちに対するクライアント企業の期待感は、事業をグロースするところまで伴走してほしいというものですから、本当に儲かるビジネスを作るということが最終的なゴールになります。事業構造上、「持っている覚悟はそれだけ重い」と言えるかと思います。
最後に、意外と見落とされがちですが大事なポイントとして、広告事業会社が培ってきた「人を動かせる」ことも重要です。これは新規事業開発では大事なケイパビリティだと、クライアント企業から言っていただくことがあります。というのも、大企業には大企業特有の構造があり、数多くのステークホルダーがいて、投資判断のプロセスも多いですね。そこで、どれだけスムーズに意思決定を図っていけるかが、新規事業をちゃんと産んでいくためのスピードの担保という意味でも非常に大事なことです。
結局、左脳×右脳が同時に求められるときに、いかに同じチームで机を横に並べて、想いを一つにしてそのプロジェクトに関わっているかが重要なのだと思います。その強みを、私も今実感しているところです。
この記事はいかがでしたか?
-
株式会社ReD.
チーフAIストラテジスト大手コンサルティングファーム、SaaSスタートアップを経て、現職。テクノロジーの進化と、生活者や市場の変化を見据えた課題解決を得意とする。メディア/Webサービス/通信/エネルギー業界を中心に、事業創造、CX改革、事業戦略、販促領域などに携わり、コンサルティングファームでは最年少マネージャーに。現在は、コンサルティング事業の立上げをミッションに、AI活用や新規事業を支援するコンサルティング事業を中心として、外部講演への登壇や記事執筆などを通じた情報発信活動にも注力。主な著書に『DXの真髄に迫る』(共著/東洋経済新報社)がある。
-
株式会社ReD.
プリンシパル学生起業、大手コンサルティングファームを経て、現職。保険/通信/ハイテク業界を中心に、営業・業務領域における企画~実行フェーズのプロジェクトを多数経験。近年は事業戦略の策定にも注力し、大手企業における既存アセットを活用した新市場開拓を得意とする。クライアントと二人三脚で事業構想から市場投入、スケールアップまで一貫したサポートを志向。