博報堂がブロックチェーン活用でビジネス開発をする狙いとは?
- 伊藤
- 普段は、博報堂DYホールディングス マーケティング・テクノロジー・センターでマーケティングソリューションの開発を担当しています。HBIではブロックチェーンを活用した博報堂独自のサービスの開発や、ブロックチェーンテックベンチャーと連携したソリューションの開発をしています。
前職ではエンジニアをやっており、博報堂に入社してからは営業でデジタルマーケティングを担当したあと、現在の部署に移りました。ブロックチェーンに関心を持ったのは2016年に、サトシナカモト氏が書いたビットコインとブロックチェーンについての論文を読んで衝撃を受けたのがきっかけです。当時は博報堂や広告業界の中で、ブロックチェーンに関わっている人がいなかったため、個人的にいろいろなブロックチェーンのミートアップに手あたり次第に一人で行っていました。その後、2017年5月に、ブロックチェーンのエンジニアコミュニティ「Blockchain EXE」のミートアップに参加したのがきっかけで、同コミュニティの代表に誘っていただき運営にボランティアメンバーとして参加するようになり、そこからブロックチェーン業界の様々な方とのネットワークが広がっていきました。次第に、博報堂での業務にも活かしたい、と考えるようになり、ブロックチェーンを活用したサービスを社会実装するためにHBIの設立を目指しました。 - 加藤
- 博報堂テーマビジネス局の加藤です。2017年の12月までナショナルクライアントのマーケティング領域に取り組んでいました。今は国や行政と向き合って新しい仕事を創っていく業務をしております。HBIでは、テクノロジーの視点と、我々の既存のクライアントの間に立ちながら、どう新しいビジネスを創っていくのか事業開発的な視点でサポートしていきたいと思っています。広告会社にもテクノロジー視点のビジネスディベロップメントが必要だと思っており、自分で担当したいと思っています。
ブロックチェーンに出会ったのは1年半くらい前で、伊藤さん同様、大きな衝撃を受けました。そこから自主的に勉強をしていて、絶対にどこかで仕事にしたいと覚悟を決めていたら、今年2月に偶然、部署の違う伊藤さんと外部のミートアップで出会いました。そこから意気投合し、毎日有志でブロックチェーン漬けの日々を送り、二人で博報堂にブロックチェーンの専門組織を作ろうと動いてきました。僕は、ブロックチェーンという最先端技術の活用と、地方創生のような社会課題を解決する、という両極ともいえることを仕事にしているので、HBIではこうしたバックグランドを生かしたいと思っています。 - 大津
- 博報堂ビジネス開発局の大津です。ビジネス開発局は、法律が変わったり新しいテクノロジーが登場したり社会変革が起きたときにビジネスとしてどう対応するかというセクションです。HBIでも同様の視点で、ブロックチェーンでどういうことが出来るか、どうクライアントを作っていくかを考えていけたらと思っています。HBIは、仕事での興味を超えて、とにかくブロックチェーンを生活者のために活用していきたいという、モチベーションに満ちたメンバーがスタートした組織ですので、そうしたメンバーと出会えて新規ビジネスを始められることをとても嬉しく思っています。
- 古米
- 大津と同じ博報堂ビジネス開発局で部長をしています。業務内容は大津とほぼ同じですが、もう少し俯瞰した視点を持って、単にブロックチェーンでビジネスを作るというよりは、博報堂のビジネスとしてどう成り立たせるかを様々な観点から検討しています。 HBIでの役割についていうと、私はこの四人の中では最もブロックチェーンに詳しくないので、それを逆手にとって、あえて詳しくないまま生活者目線でアイデアを考えていけたらと考えています。ちなみに、HBIは今日集まったこの4人を含め、メンバーは現在10人ほどおり、マーケターや法務、メディア担当、統合プラニング、出版営業、プログラマーなど様々な専門家が参加しています。
生活者主導の社会をブロックチェーンで実現する
- 加藤
- HBIが提唱している「トークンコミュニティ」に触れる前に、まず、「コミュニティ」の話ですね。今、「コミュニティ」というキーワードがビジネス書やニュースサイト等、至る所で見られますが、大きく注目されている理由は二つあると思っています。一つは孤独の問題です。今、全米でヒットしている「瞑想」アプリなどは象徴的だと思うのですが、大家族の崩壊や、働き方改革による余暇の出現、地域社会や国民国家への所属意識の変化というのは、孤独の問題を生んでいると思います。所属を強制されていた組織から一気に解放されて「個」の時代になる一方、孤独が生まれる。これは現代人にとって結構深刻な問題です。
そして、その自由になった個人を、インターネット上のオンラインサロンを中心に受け止める受け皿が存在していることが2つ目の理由です。同じ価値観を持つ人々は一瞬で可視化されて、集まることができ、情報交換だけでなく、実際に仕事が生まれ、プロジェクトが進んでいく。僕もコミュニティやギルドといった場が好きで、自分で創ったり、所属したりしていますが、今のコミュニティは経済的なインセンティブではなく、信頼や共感などの前向きな感情で動く、とてもポジティブな空気が流れる場所が多いと思っています。
このような時代に、僕たちはブロックチェーンを「コミュニティを支える技術」だと捉えていて、コミュニティが様々な価値を交換し合い、共通の価値観の元でもっとアクティブに動いていけるようにブロックチェーンを活用していきたいと考えています。
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