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ヒット習慣予報 vol.390『お菓子な健康管理』
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ヒット習慣予報 vol.390『お菓子な健康管理』

こんにちは、ヒット習慣メーカーズの山田です。
転勤を機に人生初の一人暮らしをはじめたのですが、慣れない環境での健康管理の難しさを日々痛感しています。
なかでも個人的に一番難しいのが食事の準備でして、外食三昧な食生活のなかでなるべく栄養バランスが良さそうなものを選ぶ日々ですが、ついついお菓子で済ませてしまうこともあります。
しかし、最近は「お菓子=罪悪感のあるもの」とも限らないようです。
今回は健康意識をお菓子で補う新習慣をご紹介したいと思います。

1つ目は「お菓子でプロテイン摂取摂取」です。
トレーニングをしている人はもちろんですが、そうでない人にとってもタンパク質は重要、かつ普段の食事だけでは不足しがちな栄養と言われています。
そんなタンパク質を補うことができるスナックやクッキー、チョコレートなど、様々なお菓子が販売されています。
実際、私のまわりにもトレーニングをしているわけではないものの、健康のためにタンパク質を意識的に摂っている友人がいるのですが、以前は粉状のプロテインを飲んでいましたが、最近は味・食感のバラエティ的にも、気分的にもお菓子でタンパク質を摂るようになったようです。

2つ目は「完全栄養食としてのお菓子をチョイス」です。
完全栄養食とは、厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準に基づく、一食に必要な栄養素をすべてバランスよく含む食品です。
これまでも、一食分の栄養素がとれる「パン」や「ラーメン」はありましたが、最近はお菓子だけで一食として置き換えることができるものも出ています。
私自身、冒頭にも書いた通り忙しさにかまけてお菓子で食事を済ましてしまうことがよくあるので、罪悪感なく、むしろ普通の食事よりも栄養バランスよく摂取することができるお菓子は大変ありがたいと感じます。

そして、3つ目は「機能性表示食品としてのお菓子をチョイス」です。
機能性表示食品とは、「事業者の責任において、科学的根拠に基づき特定の保健目的(例:脂肪や党の吸収を抑える、体脂肪を減らす、睡眠の質を高めるなど)が期待できる旨を表示することができる食品」のことです。
これまでは普段の食事に加えて錠剤のサプリメントを摂取するというスタイルが主流だったかと思いますが、こちらもお菓子でカバーできるようになってきており、あえてお菓子の機能性表示食品を選ぶ人も出てきているようです。
実際、SNS上では「美味しすぎて一日摂取目安量を超えてしまいそうになる」「美味しくてきちんと効果も感じて最高」といった声が多く投稿されています。

出典:Google Trends(「グミサプリ」検索量)

このように、お菓子で健康をケアする習慣ができたことには、大きく2つの要因があると考えられます。
1つ目はコスパ・タイパ意識の高まりです。
何においてもコスパ・タイパを求める現代においては、ただ美味しいだけ、ただ健康にいいだけなど、1つのメリットだけでは満足できなくなっている人も多いのではないでしょうか。
一石二鳥、三鳥の商品がデフォルトになりつつある中で、お菓子にも美味しい以外の機能が求められているのかもしれません。

そして2つ目は健康・ご自愛意識の高まりです。
ワークライフバランスの変化などにも見られるように、心身の健康を重視する人が増えています。以前であればストレス発散のために暴飲暴食をする人、逆にダイエットのために過激な節制をする人も多くいましたが、ストレス発散はしたいけれど健康は損ねたくない、健康は維持したいけれど我慢ばかりでストレスを溜めるようなことはしたくない、という自分の心身の健康を思いやった行動をとる人が増えてきています。
その結果、お菓子と健康というこれまでであれば一見相反するものを同時に満たす商品が求められるようになっているのではないでしょうか。

最後に、「お菓子な健康管理」のビジネスチャンスとして、下記のようなことを考えてみました。

「お菓子な健康管理」のビジネスチャンス例
■ 足りない栄養素によって感じる味が変わり、体調のバロメータになるお菓子
■ 成分が体内で溶け出すタイミングが緻密に計算された睡眠・排尿・便通リズム管理お菓子
■ 好きな味と自分に必要な栄養素を組み合わせて作ることができるパーソナルサプリお菓子


 あくまで健康的な食事を心がけたうえでですが、このような心と体の栄養になってくれるお菓子とともに、おいしく楽しく健康管理をしていきたいと思います。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂 中部ビジネスデザイン局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2022年博報堂入社。趣味は旅行で、休日は常に複数の旅行計画に追われている。
    冬のフィンランド旅行に向け、防寒グッズ集めに勤しむ。