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ヒット習慣予報 vol.358『AIプライベート相談』
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ヒット習慣予報 vol.358『AIプライベート相談』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの佐藤諒平です。
あれ?そういえば、2022年の記事(誰でもAIクリエイター)以来、まだヒット習慣では触れられていないのでは?と気が付きまして、今回は「生成AI」に絡めたテーマでお送りします。
下図の検索推移を見ても分かるように、2023年に進化した生成AIは一気に注目され、2024年も注目は右肩上がり。現在ではもはや生成AIは当たり前の存在になったようにも思われます。

出典:Googleトレンド(「生成AI」の検索)

私たちの会社でも、情報収集、打合せの議事録集約、簡易なイメージ画像作成等々、生成AIを活用する場面が度々あります。(もちろん、情報管理・権利関係配慮は徹底したうえでです。)そしてその中でも面白いのは、行き詰ったときの雑談、壁打ち相手に生成AIを使っている人が一定数いることです。
仕事以外でもこういうことができるのでは?と思い、気になって調べてみると、既に実際プライベートの場面で、AIとの会話を通じて、情報を抽出し意思決定するような行動をする人が増えてきていることが分かりました。
そこで今回は、こうした人々の行動を「AIプライベート相談」と題してご紹介します。

一つ目は、AIとの会話で「ごはんを決める」
毎日の献立を考えるのが手間、そして、家族に都度確認するのも億劫…。そんなときに、気分や余っている食材を伝えたうえでAIに挙げてもらった献立案を参考にする、という方がいらっしゃるようです。また中には、自炊する場合だけでなく、外食に際しても行くお店を決めるのに活用しているという声も耳にしまして、自分でも今日のランチ先選びに試してみたところ、お店はもちろんメニューまで例示して気の利いた提案をしてくれました!

二つ目は、AIとの会話で「スケジュールを決める」
こちらは特に旅行のスケジュールを立てるときにされている行動のようで、会話しながら旅行スポットの情報を集めていくことはもちろん、会話の中で挙げたことを最後にきれいなスケジュール案に整理してくれるという意味でも非常に便利なようです。これも、次の旅行の際には私も早速試してみたいと感じた例でした…!

三つ目は、AIとの会話で「読む本を決める」
単純なジャンルだけでなく、もっと細かいリクエストに応じて候補の本を紹介してもらえること、また、AIがまとめてくれる本のあらすじや紹介文をサッと見て、気になったものを選べることなどが好評のポイントのようです。たしかに、自分でECやレビューサイトを巡回するより簡単に決められるように感じますね。また、新作に限らない幅広い年代の作品を掘り起こせる点も魅力に感じます。

ここまでいくつかの事例をご紹介しましたが、なぜ昨今このようなAIとの会話で決める行動習慣が広がっているのでしょうか。
(活用するAIの種類や、使い方によって精度にぶれはあるかと思いますが、)十分参考にできるだけのものが増えてきたという、AIの進化の観点はもちろん大きいと考えられます。ただ、その他にも生活者目線から二つのことが考えられます。
一つは、生活者の楽しみの観点。AIが勧めたものを選び決めるというのは合理的なようでありつつも、一方で自分だけでは選ばなかった選択肢が増える、ある種のわくわく感があることで、AIとの会話で決めることを試す人が増えているのではないかと考えます。
そしてもう一つは、生活者の情報疲れの観点。現代では選択肢が常に多く、ある程度失敗の選択肢も少なくなったからこそ、決めきれない。誰かに決め手を呈示してほしい。そんなニーズがあるために、AIが活用されるようになってきたのではないでしょうか。

最後になりますが、今回も「AIプライベート相談」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。

「AIプライベート相談」のビジネスチャンス例
■AIとの会話で、最新のニュースを分かりやすく、より記憶にも残りやすいよう仕入れることができるサービスを、ニュースアプリ上で展開する
■AIとの会話で一般的なジャンルより細かく、自分の好みにあった旧作を見つけることができるサービスを、映像作品や書籍のサブスクリプションサービス上で展開する
■自分の好みや気分を伝えると、天候も鑑みながらおすすめの服装を提示してくれるAIとの会話機能を搭載したクローゼットを開発する
など…

ちなみに、この記事を書いた後、AIとの会話のなかで次回のヒット習慣予報のネタも決められないかなと、試してみたのですが、私の聞き方が悪いのかうまくいきませんでした。もうしばらくは自分でまちを歩き、頭をひねらねば、ですね。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 新潟博報堂│博報堂 ストラテジックプラニング局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2020年 新潟博報堂に入社。2023年より博報堂にて、一人前のマーケターを目指して修行中。どこに出すわけでもないのですが、個人的に音楽生成や画像生成のAIで遊ぶのにちょいハマりしています。