多種多様なメディアをシームレスにつなぐ画期的な広告配信ソリューション ──「WISE Ads」が変えるデジタル広告の常識
さまざまなWebサイトにデジタル広告を自動的に配信する仕組みはこれまでもありました。その配信先に、地上波テレビCM、屋外広告、動画配信サービスなどを加え、シームレスな広告展開を可能にした画期的なソリューションが、Hakuhodo DY ONEが開発した「WISE Ads」です。「WISE Ads」の開発・販売を手掛けるプロジェクトメンバーたちに、このソリューションがクライアントやメディアに提供する価値や、今後の可能性について聞きました。
青木 龍
Hakuhodo DY ONE
メディアソリューション本部 本部長代理 兼 ソリューション開発局長
後藤 将平
Hakuhodo DY ONE
メディアソリューション本部 第一メディアビジネス局 アドプラットフォーム推進部
山田 恭輔
Hakuhodo DY ONE
第十ビジネスデザイン本部
湯泉 貴登
Hakuhodo DY ONE
第五ビジネスデザイン本部
「製販一体」のプロジェクトを創生する
──今回集まっていただいたみなさんは、普段はそれぞれ別のチームで活動しているそうですね。
- 後藤
- はい。本プロジェクトは組織横断型で、 Hakuhodo DY ONE が開発・提供するソリューション「WISE Ads」の開発、運用、営業を担うメンバーが集まっています。
──プロジェクトが創成された過程を教えていただけますか。
- 青木
- ソリューションの開発がスタートしたのは2023年の8月でした。開発がある程度完了し、外部への提供が本格的に始まったのは2024年になってからです。その時点ではまだ、現在のようなプロジェクトにはなっていませんでした。
- 山田
- 私たち営業メンバーが加わり、プロジェクトの形が整ったのは2025年です。
ソリューションの機能が固まりつつある中で、クライアントへの提供方法や具体的な戦略を練り上げるため、営業の観点を取り入れて、「クライアントのビジネスを成長させるソリューション」へと磨き上げていく ことが、この横断型プロジェクトの目的でした。
- 湯泉
- 開発チームが作った質の高いソリューションを、私たち営業がクライアントに届け、そのビジネス課題を解決し、確かな成果を生み出していただく。その上で得られたフィードバックを開発に戻し、 ソリューションをさらにブラッシュアップしていくような、クライアントの成功を最大化するための 製販一体型の体制を構築することが、このプロジェクトの大きな目標でした。その体制を実現できるデジタルエージェンシーは多くないのではないでしょうか。

──ソリューション開発の背景にあった課題についてお聞かせください。
- 山田
- 生活者が接するメディアやチャネルは年々多様化しています。それに伴い、クライアントはさまざまな生活者接点でのコミュニケーションが必要になっています。しかし、メディアやチャネルごとに個別のコミュニケーションをおこなうことは効率の低下、プランニングやオペレーションの煩雑化を招く要因となっていました。その問題を解決するには、統合的なコミュニケーション戦略を実現できるプラットフォームが必要でした。そのプラットフォームが「WISE Ads」です。
- 後藤
- クライアントの立場に立って考えると、デジタル広告予算を有効に活用するには、バランスの取れた広告配信ができる仕組みが必要になります。大手プラットフォーマーやSNSだけではなく、新聞社、雑誌社といったパブリッシャーのWebサイトも強力なメディアです。そういった多様なメディアに、クライアントの狙いや課題を踏まえて、最適なバランスで広告を配信していくことを目指したのが「WISE Ads」です。
- 湯泉
- 広告配信の統合プラットフォームがあることで、クライアントを支援する私たち広告会社側にも大きなメリットがあります。より包括的な戦略立案やオペレーションが可能になり、クライアント支援のサービスレベルを上げていくことができるからです。
- 青木
- 近年、デジタル広告では「MFA(メイド・フォー・アドバタイジング)」と呼ばれるWebサイトが問題になっています。広告費の獲得やクリック課金だけを目的にした悪質なサイトで、従来の広告の自動配信の仕組みには、このようなMFAサイトに広告費を落としてしまうリスクがありました。それは、クライアントの広告予算を無駄にするだけでなく、ブランド棄損にもつながります。また、質の高いサイトへの広告配信が相対的に減ってしまうので、メディアにとってもデメリットとなります。そういった広告配信のリスクをなくし、メディア価値の高いサイトやコミュニケーションチャネルに広告を正しく配信することも、「WISE Ads」の背景にあった課題意識でした。

地上波テレビCMを統合した画期的な仕組み
──「WISE Ads」の具体的機能についてご説明ください。
- 後藤
- 〈WISE Ads〉は、オープンインターネットに広告を配信するDSP(デマンドサイドプラットフォーム)です。従来のDSPと大きく異なるのは、配信先が従来のデジタルメディアの領域にとどまらないことです。
パブリッシャーのWebサイト、屋外広告、デジタルサイネージ、音声コンテンツサービスなどだけではなく、地上波テレビや、OTTと呼ばれる動画配信サービスなどへの広告配信が可能です。
広告配信のターゲティングをするにあたっては、博報堂DYグループの生活者データプラットフォームや、Hakuhodo DY ONEのDMP(データマネジメントプラットフォーム)である「AudienceOne®」のデータ、さらに外部のさまざまなデータベンダーのデータを活用することができます。
「WISE Ads」はデータを駆使し、多種多様なメディアやチャネルに対し、精度の高いターゲティング配信を実現します。これこそがクライアントや媒体社に提供できる大きな価値です。

- 青木
- Hakuhodo DY ONEには、「YieldOne®」や「FlexOne®」といった媒体社向けサービスもあります。
そういったサービスと「WISE Ads」を組み合わせて、PMP(プライベートマーケットプレイス)と呼ばれる仕組みをつくることも可能です。PMPは特定のメディアの広告枠を柔軟に運用できる仕組みです。このような展開ができるのは、 Hakuhodo DY ONEにメディアレップとしての長い蓄積があるからです。
──MFAへの広告配信をブロックする仕組みも「WISE Ads」の標準的な仕組みなのですか。
- 青木
- そうです。デジタル広告のブランドセーフティサービスを提供するグローバル企業である DoubleVerify との提携により実現した「WISE Ads Brand Suitability (読み:ワイズアズ・ブランドスータビリティ)」によって、100%のブロックを可能にしています。国内において徹底したブランドセーフティを実現している広告配信ソリューションだと自負しています。
──地上波テレビにも広告配信ができる点が、このソリューションの大きな特徴ですね。
- 後藤
- テレビCMとデジタル広告の垣根をなくす「テレデジ連携」の試みはこれまでもありましたが、統合的な広告配信にテレビCMが組み込まれるのは画期的なことと言っていいと思います。
あるキー局から、地上波広告をプログラマティックの仕組みで扱うことができるようになったと連絡をいただいたことが、この仕組みが実現したきっかけです。テレビ局においても地上波とデジタルの広告を一体のものとしていく流れが進んでいます。「WISE Ads」はその流れを捉えた最先端のソリューションです。今後は、ほかの局にもこの動きが広がっていきそうです。
- 山田
- 地上波テレビCMを統合的することができれば、プランニングの幅は格段に広がります。例えば、テレビ広告に接触した人に向けて、別のWebサイトで再度広告を配信して、メッセージングの効果を高めるといったプランニングが今後実現していくと思います。
──「WISE Ads」は、フルファネルマーケティングを実現するツールにもなりそうですね。
- 湯泉
- そう思います。これまでは、アッパーファネルとロウワーファネルで活用できるメディアが異なっていて、それぞれを個別に運用しなければならないケースがほとんどでした。
「WISE Ads」を使えば、アッパーからロウワーまで、すべてのタッチポイントを統合的に管理することが可能なります。
また、データを活用することで、それぞれのタッチポイントにおいて精度の高いターゲティングを実現することもできます。タッチポイントとターゲティングを掛け合わせて、より複雑かつ統合的な戦略を実行し、確実に成果を上げることができるソリューションが「WISE Ads」」であると考えています。
──統合的な戦略を実現するには、「人」の役割も重要です。
- 山田
- おっしゃるとおりです。戦略を立案し、それを実行フェーズに落とし込むのは、私たちの役割です。Hakuhodo DY ONEの専門的なスキルと「WISE Ads」の機能、つまり「人」と「テクノロジー」の連携によって、広告効果を最大化していくのが私たちの目標です。
──広告配信の成果を統合的に把握することも可能になるのですか。
- 山田
- それぞれのメディアやチャネルの成果指標を統合して、トータルな成果として提示することができます。短時間での効果計測が可能なので、PDCAを回しながら最適な広告運用を迅速に実現していけます。
博報堂DYグループにおける連携の可能性
──プロジェクトが発足した2025年度の成果についてお聞かせください。
- 後藤
- 非常に多くの問い合わせをいただきました。売上も、2024年度と比べて大きく伸びています。まさに、営業メンバーが加わって製販一体体制になったことの効果があらわれたと考えています。

──ソリューション活用の具体的なモデルケースを教えていただけますか。
- 山田
- さまざまなケースがありえますが、1つの例として、BtoBビジネスにおける可能性が挙げられます。BtoBの広告配信で思い浮かぶのはタクシー広告が多いですが、すべてのビジネスパーソンがタクシーを利用しているわけではなく、利用している場合でも頻度はまちまちです。
「WISE Ads」を活用することで、タクシー広告だけではなく、多様なメディアやチャネルでビジネスパーソン向けの広告を配信することが可能になります。ポイントは、ビジネスパーソンを一人の生活者と捉えることです。生活者データの中から、従事している業種や職種などの軸でデータを抽出し、そのターゲットに向けて多角的にアプローチしていくことで、広告効果の大幅な向上が期待できます。
- 青木
- 新聞社や出版社などのパブリッシャーのサイトでも、これまでになかった広告展開ができると思います。例えば、サイトのコンテンツを閲覧している生活者に、より親和性の高い商材の広告を最適なタイミングで配信するといった手法です。これは、パブリッシャーとの信頼関係と、細かなターゲティングが可能なデータベースを強みとするHakuhodo DY ONEならではのアプローチです。
──「WISE Ads」で提供できる価値をより大きくしていくための取り組みについてもお聞かせください。
- 湯泉
- Hakuhodo DY ONEだけではなく、博報堂DYグループのさまざまなチームとの連携を強化していくことが必要だと考えています。博報堂DYグループには、多様なソリューションがあり、広範なクライアントネットワークがあります。「WISE Ads」には、グループが持つそれらの資産をつなぐハブになるポテンシャルがあります。そのポテンシャルを活かしていきたいですね。
- 青木
- 具体的には、博報堂の広告配信プラットフォーム「AaaS Demand Platform」との連携などが考えられます。AI活用に関しても、博報堂DYグループ各社の知見を互いに共有しながら推進していきたいと思っています。
- 山田
- 博報堂DYグループの統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」と「WISE Ads」のシナジーにも大きな可能性があると思います。「WISE Ads」はメディア活用を最適化するソリューションです。これに、質の高いクリエイティブを組み合わせることができれば、広告効果は非常に大きくなるはずです。「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の機能を活用し、それぞれのメディアに対して最適なクリエイティブを、生成AIでスピーディに作って配信し、広告効果を確認しながら戦略を修正していく──。そんな仕組みが作れたら素晴らしいと思います。

- 後藤
- 先ほども話に出ましたが、ソリューションの価値を最大化していくのは「人」の力です。プランナー、クリエイター、営業、データサイエンティスト──グループ内の多様なプロフェッショナルと協力しながら、できることをどんどん増やしていきたいと考えています。
統合的デジタルマーケティングの旗艦ソリューションに
──最後に、今後に向けたそれぞれの意気込みをお聞かせください。
- 青木
- 営業メンバーがジョインして1つのプロジェクトになったことで、「WISE Ads」の価値を多くのクライアントに届けることが可能になりました。
今後は、このプロジェクトを超えて社内やグループ内のあらゆる営業担当者が、クライアントがデジタルマーケティングの課題に直面した際、「WISE Ads」がその最適な解決策として真っ先に想起される状態を目指していきたいと思っています。
- 後藤
- 「WISE Ads」の大きな特徴は、デジタル広告の「安心・安全」を実現している点にあります。クライアント、メディア、生活者のそれぞれにとって安心・安全なデジタル広告の環境を作り、メリットが循環していく仕組みを作るのが、私たちが目指していることの1つです。そのことを広く伝えていきたいですね。
- 湯泉
- 「WISE Ads」の売上は2025年度に大きく伸びましたが、Hakuhodo DY ONEの持つポテンシャルを最大限に活かし、さらなる成長を遂げられると考えています。これまでの活動を継続していくだけでなく、見えてきた課題を解決し、ソリューションや体制をアップデートしながら、「WISE Ads」の価値を何倍にも大きくしていくことで、クライアント企業のビジネス成長をより強力に支援することがこれからの目標です。
- 山田
- 「WISE Ads」をHakuhodo DY ONEの旗艦ソリューションに育てていきたいと考えています。Webサイト、屋外広告、地上波テレビ、OTTなどの多様なメディアを「WISE Ads」によってつなげることで、Hakuhodo DY ONEを本当の意味での統合的なデジタルマーケティング企業にしていきたい。それが私たちの強い思いです。

※肩書は取材当時のものです
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Hakuhodo DY ONE
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