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CREATIVITY ENGINE BLOOM Vol.1 ~ 統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」誕生
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CREATIVITY ENGINE BLOOM Vol.1 ~ 統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」誕生

博報堂DYホールディングスが開発した「CREATIVITY ENGINE BLOOM(クリエイティビティ エンジン ブルーム)」。マーケティングやクリエイティブ、メディア、流通など、これまで各領域で細分化されていたデータやツールを掛け合わせ、統合マーケティング戦略立案やビジネス開発支援、社会課題解決のアクションを生み出す新しい統合マーケティングプラットフォームです。

本企画では、CREATIVITY ENGINE BLOOMに搭載された各モジュール/プロダクトの開発の背景や意義、主な機能、利活用のメリットなどを連載形式でご紹介。開発にこめられた想いや本プロダクトの魅力、強みを伝えていきます。

博報堂テクノロジーズ
執行役員 兼 マーケティング事業推進センター センター長
木下 陽介

博報堂
グロースプラニング局 局長
山崎 大介

統合マーケティングプラットフォームが、マーケティングの当たり前を変える

―まずは、「CREATIVITY ENGINE BLOOM(以下BLOOM)」とは何か、概要について改めて教えてください。

木下
前提として、現在海外のエージェンシーがデータやテクノロジーを活用して得意先のマーケティングを推進するという、統合マーケティングプラットフォームに積極投資をしています。昨今はクライアントのビジネス成果を解決するために、データに基づいたマーケティング・コミュニケーション戦略が求められ、さらにAIを活用したマーケティングプロセスの効率化・高度化も求められつつあります。そうした一連の状況に対応すべく、統合マーケティングプラットフォーム開発に至りました。

博報堂DYグループの独自データや、外部データを一元管理している「生活者 DATA PLATFORM」を軸に、プラットフォーマーと得意先のCDPを連携し、そこにAIの機能を組み合わせて、ストラテジー、メディア、クリエイティブ、コマース、エンゲージメント、と5つのモジュールを展開していく。それがBLOOMの全体的な構想です。そのうちストラテジー、メディア、クリエイティブの3つのプロダクト群については、2024年度にすでにリリースされていて、社内での利用を開始しています。また、残りの領域についても鋭意リリース準備を整えている状況です。

―開発のきっかけとなった背景、課題について教えてください。

山崎
さまざまなデータやマーケティングツールが、個別に存在していることでの非効率と、それらを有効活用できる人材が限られてしまっている実態がありました。個人のナレッジやスキルセットへの依存が大きいことで、全体の業務生産性が下がってしまう。これはプラニングサイドとしても競争力の観点から無視できない課題になっていました。

プラニング業務は、型化・標準化できる領域が一定の割合を占めますが、それ以外の課題や環境に応じてカスタマイズしていくパートが腕の見せ所です。プラニングの一定水準のクオリティを担保するためにも、こうしたツールを使ってある程度の型化・標準化を推進することは必要だと感じていました。

―各モジュールの特徴を教えていただけますか。 

木下
「BLOOM」は主に以下の5つのモジュールで構成されています。
「STRATEGY BLOOM」は、博報堂DYグループが保有するオリジナルの生活者データを活用して、市場構造の把握や、ターゲット・価値規定・KPI策定といった、マーケティング戦略をワンストップで実行するモジュールです。生成AIを用いたコンセプトメイク支援や、CMの評価・分析を行う機能もあります。

「MEDIA BLOOM」は、これまで「STRATEGY BLOOM」で策定された戦略をAaaSと連携させ、メディア投資効果を最大化するモジュールです。メディアプラン、アロケーション、PDCAまで一気通貫で支援します。

「CREATIVE BLOOM」は、AIを搭載したモジュールで、クリエイティブの評価、自動生成、予測などクリエイターの発想の支援を行います。パフォーマンス広告で必要な大量のコピー生成も可能になり、効果の高い広告PDCAが期待できます。

「COMMERCE BLOOM」と「ENGAGEMENT BLOOM」はこれから提供予定です。「COMMERCE BLOOM」は博報堂DYグループオリジナルの購買データや外部購買データと連携し、ECプラットフォームやリテールメディアと連携したマーケティングサービスを構想していて、「ENGAGEMENT BLOOM」はクライアントのCDPと連携し、顧客のエンゲージメントを向上させ、One to Oneマーケティングを支援するサービスを想定しています。

マーケティング業務プロセスを標準化し、クリエイティビティを引き出す

―「BLOOM」によってクライアントや博報堂DYグループ内にどのような価値を提供できると考えていますか。

山崎
まずは、得意先ニーズによりクイックに対応できるようになることです。これまで一から対応していたことも、「BLOOM」によって一定水準のクオリティのアウトプットをこれまでより短時間で出すことができ、得意先の課題解決や意思決定の高速化、業務効率化に有効なのではないかと思います。
また、博報堂DYグループにはマーケティング、クリエイティブ、マス、デジタルと様々な専門的なスキルとナレッジを持ち合わせている人財が集まっていますが、これらメンバーの持つスキルとナレッジが蓄積され、体系化されることは、大きな競争力につながるものだと考えています。異なるクリエイティビティを持つ博報堂DYグループ人財のスキル、ナレッジを重ね合わせることでクライアント企業の事業創造や新たな市場へのチャレンジをより強力に支援できることを期待しています。
木下
「BLOOM」によってマーケティング業務プロセスを標準化し誰でも一定水準の業務を遂行できるようになりつつ、定型業務にかかる時間の削減を実現します。またその時間を使い、社員のクリエイティビティを引き出し、得意先のビジネス成果に直結するマーケティング・コミュニケーション施策開発を支援するプロダクトを提供していきます。社員が職種や専門性を超えてワンチームで連携し、次世代のマーケティング業務のデファクトスタンダードが生まれていくように進化させていきたいです。

AIとの共創で、さらなる価値を創造していく

―今後の展望について教えてください。

山崎
現在は、まだ博報堂DYグループ内での利用となっていますが、中長期的には、クライアント企業へのツール提供サービスも見据えて、プラットフォーム開発に取り組んでいく予定です。
木下
「BLOOM」の基盤となっている「生活者 DATA PLATFORM」内において、IDをベースにデータを集約していく取り組みも進めています。それにより、データクリーンルーム対策や得意先CDPとの連携もかなり現実味を帯びてくるでしょう。ゆくゆくはプラットフォーマーやメディアと連携し、独自の広告商品や新たなマーケティングサービス開発の実現につなげていければと考えています。

また、生成AIを活用したマーケティング業務プロセスの効率化については高いニーズがあり、日々問い合わせをいただいています。「BLOOM」では、AIの力を借りて効率化できる業務を肩代わりしてもらうだけでなく、人間の創造性をサポートするようなプロダクトを提供していき、 博報堂DYグループのマーケティングスキルを高めるエージェントAI機能を次々に投入していけたらと思っています。

最後に花がモチーフになっている「BLOOM」のロゴに込めた意味を少しだけ説明させてください。それぞれの花びらの色は、植物が育つために必要な5つの要素である、土、風、光、水、温度を表してデザインされています。ストラテジー、メディア、クリエイティブ、コマース、エンゲージメントの5つの花びらが重なり合うことで異なる個性をかけ合わせ、創発し、未だ見たことのない新たな問いやアイデアを生み出すことがこのプラットフォームの最大のねらいです。新たな市場を作るための方法論やビジネス成果を生み出し、最終的にクライアントに高い価値を提供することを目指します。5つの異なる個性を持つモジュールの重なりによって、私たちは大きな花を咲かせていきたいです。ぜひ「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の今後の展開にご期待ください。

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