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ヒット習慣予報 vol.330『発信モチベケア』
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ヒット習慣予報 vol.330『発信モチベケア』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズ メンバーの宮崎です。

9月になり、秋の匂いを感じられるようになってきました。過ごしやすい気温になってくるので、何か新しいことを始めるにはぴったりの季節だと言えます。「何かを始めたい」と思っている方は少なからずいると思うのですが、始めることと同じくらい続けることも大切だと私は思っています。続けるために大切な「モチベーション」への注目度は上下を繰り返しながらも長いスパンで見ると右肩上がりで上昇しており、その様子はYouTube内検索量の推移にも現れています。

▼「モチベーション」検索量推移(2008年以降・日本)

出典:Googleトレンド(「モチベーション」YouTube検索数推移)

最近SNSを見ていて、「発信」をしている人は、コンテンツの作成を楽しみながら、発信によりモチベーションのケアも行なっているのではないか、と感じる出来事がありました。そんなモチベーションのケアの方法を「発信モチベケア」と名付けて、ご紹介していきたいと思います。

最初の事例は「デジタル日記チャレンジ」です。最近、日記を写真で撮影し、SNSに投稿する様子がよくみられます。日記という人には見せないものをあえて人に見せることで、他者からのフィードバックを得られ、それが次の日の行動への励みになることもあるようです。こうした日記のSNSでの発信は、ただの日記をつけるよりも、自分の行動を意識的に振り返る機会を増やし、より豊かな日常を実現するためのサポートとなると考えられます。

2つ目は、「自己分析シェアリング」です。これは自己分析の過程をSNSでシェアするというものです。自分が何に興味があるのか、どんなことに価値を感じるのかをSNS上で発信することで、他の人からのコメントやリアクションを通じて新たな気づきを得ることができます。また、自分自身の成長や変化を記録しておくことで、将来の自分にとって貴重なデータとなり得ます。このように、自己分析の過程を発信することは、自分を深く理解するための手段であり、同時にその過程を楽しむ新しい習慣として広がりを見せています。

3つ目は「ライフワークVlog」です。私自身、最近、服作りにハマっており、YouTubeでミシンや編み物の動画をよく見ています。その中で、編み物などライフワークをVlogとして発信しているものを多く見かけました。Vlogのテーマは「編み物をする1日」といったもので、作業の様子や完成品を紹介しながら、編み物に対するこだわりや思いを語っています。このようなライフワークVlogは、趣味の共有だけでなく、自分の成長やスキルの記録にも役立ちます。視聴者からのフィードバックや応援が活動の励みとなり、同じ趣味を持つ仲間との交流も生まれます。これにより、ライフワークへの情熱を深めつつ、自分自身の成長も実感できるきっかけになっていると考えられます。

さて、いくつか事例を紹介してきましたが、なぜ「発信モチベケア」が注目されているのでしょうか。

1つ目は、コミュニケーションの多様化です。SNSが普及し、個人が気軽に自分の考えや日常を発信できるようになったことで、自己表現の方法が多様化しました。これにより、モチベーションの維持においても発信が重要な役割を果たすようになりました。自分の取り組みや成果をSNSで公開することで、他者からのフィードバックや応援を得やすくなり、それがモチベーションを高める手助けとなります。特に、自分の進捗を共有することで、責任感や達成感が生まれ、より一層の努力を促進することができるのだと考えられます。

もう1つは、生活者全般によるセルフケアの重要性の自覚があげられます。近年、セルフケアに関する本なども多く出版され、自分自身との向き合い方について考える機会が増えたと感じています。その中で、SNSでの発信は、自己分析の一環として自分の考えや感情を外に出すことでストレスを軽減し、モチベーションを維持する方法として注目されています。また、他者とのつながりを持つことで孤独感が軽減され、自己肯定感が高まることも大きな要因だと考えられます。

最後に、「発信モチベケア」についてのビジネスチャンスを考えてみました。

「発信モチベケア」のビジネスチャンスの例
■発信モチベケア専用のSNSの開発
■モチベーションの状態に合わせた発信スケジュールを組んでくれる発信モチベケアアプリ
■発信コンテンツ作成時のモチベーション向上BGM作成

私も何にでも手を出してはすぐやめがちなミーハー気質なので、「発信モチベケア」を活用して、続ける楽しさにも出会っていきたいと思いました。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂プロダクツ デジタルプロモーション事業本部 アクティベーションプランニング部
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    SNSマーケティング会社を経て、2023年に博報堂プロダクツへ中途入社。ミーハー気質で何にでも手を出し、たまにどハマりするものを見つける。犬2匹と楽しく生活中。