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AaaSを支える若きプロフェッショナル達
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AaaSを支える若きプロフェッショナル達

さまざまなソリューションを次々にローンチし、社内外から注目を集める博報堂DYグループのAaaS(Advertising as a Service)。その開発を支え、日々チャレンジを続ける若手のスペシャリストたちに、開発の裏話や仕事の醍醐味、これからの展望などについて語っていただきました。

鈴木 健太 博報堂DYメディアパートナーズ メディアビジネス基盤開発局
寺田 周平 博報堂DYメディアパートナーズ 統合アカウントプロデュース局
國吉 輝  博報堂DYメディアパートナーズ AaaSビジネス戦略局

若手を中心に部門を超えた連携で臨む新たなソリューション開発

──まずは、自己紹介も兼ねてそれぞれの来歴を教えてください。

鈴木
僕は2007年に大学を卒業した後、SIerの会社で3年ほどプログラマーをしていました。その後事業会社で9年ほどシステムエンジニアとして働き、不動産投資コンサルティング会社でのマーケティング部部長を経て、この5月に博報堂DYメディアパートナーズに中途入社しました。入社後は「Tele-Digi AaaS」のソリューション開発に携わっており、テレビとデジタルの広告効果、中でもリーチとフリークエンシーという広告接触部分を統合的に可視化するダッシュボードや、その裏側のシステム開発を担っています。
寺田
僕は2020年に新卒で博報堂DYメディアパートナーズに入社し、はじめの2年間は、AaaSソリューションの開発業務と、そのソリューションを活用しクライアントのマーケティングPDCAに並走するメディアプラナーの業務の2つの役割を並行して取り組んでおりました。クライアントの生のフィードバックや、自身のプラナー視点での改善点を開発要件に組み込み、ソリューションのアップデートを繰り返しておりました。2022年からは開発を離れ、AaaSのソリューションを軸にメディア統合でのプラニングに従事しております。
國吉
僕は2022年に新卒で入社したばかりで、今年できたAaaSビジネス戦略局に6月に配属されたところです。全体のAaaS戦略の中でも、放送局に向き合いながらテレビビジネスの新たな価値創造が大きなミッションで、社内、放送局、クライアントの三方に目を向けた多くのプロジェクトに携わっています。配属当初AaaSの研修を受けた後、スポット局担(テレビ局担当)の研修留学も経験しました。テレビビジネス、特にスポットビジネスがどう成立していて、放送局の方がどんなことを考えているかなどを現場で学び取ることができ、とても勉強になった1ヶ月間となりました。

──鈴木さんが開発を担い、寺田さんが得意先に向き合いソリューションをアレンジしていき、國吉さんは媒体社向けにビジネス戦略を考えていくという役割なんですね。また、近々リリースされる新しいソリューションにも3人が関わっていると聞きました。

國吉
はい。そもそもは、生活者のデジタルシフトによってテレビ画面で動画広告付きのVODサービスを視聴する生活者が増えてきた環境変化を踏まえ、放送・通信という伝送路の区切りではなく、テレビデバイス上の動画接触を統合的にモニタリングすることで動画広告のプラニング・バイイングを最適化できるのではないか、と考えたのがきっかけです。着想したのは僕の上司にあたる2人で、彼らはこれまでプラナーも業推(業務推進)も経験してきて、クライアントや社内部のさまざまなポジションの方々が抱える悩みを十二分に把握している。それらを俯瞰してとらえ、全方向にメリットを生む形にデザインしたソリューションになっていると思います。

──どのように連携しながら開発を進められましたか。

鈴木
もともとあったソリューションに新たに機能追加することで、テレビもデジタルも同じ物差しでプラニングできる形ができあがっていきました。ひとまずPoC(概念検証)するために、実際に案件として回っていたいくつかの企業のテレビとデジタルにおけるキャンペーンをもとにプロトタイプをつくり、議論しながら検証を進めていく過程で、プラナーである寺田さんとの連携も始まりました。
寺田
開発の話は僕らプラナーサイドにも入ってきていたので、プロトタイプの段階ではありましたが一度クライアントに提案を行い、採用されました。
國吉
僕が配属された6月くらいに、ちょうどこのプロジェクトの企画書をつくっていて、営業、プラナー含めた各所にアドバイスをもらい、開発に落としたのが8月、9月くらい。現在はさまざまなクライアントにPoCのご提案をしているところです。

得意先のビジネス成果が上がる=生活者に喜んでもらえたということ

──業務にあたり、難しいと感じることはありますか。

鈴木
ソリューションを拡販するためにはある程度の汎用性が求められますが、一方でカスタマイズ性が低くなってしまうというジレンマはありますね。
國吉
同感です。誰もが簡単に導入できるソリューションにするためには汎用性をもたせることが大前提なんですよね。とはいえ実際に現場に落としてみると、細かい要望がいろいろと出てくるのも事実。個別のクライアントのニーズをくみ取ることと、汎用化のバランスをどうとればいいか、日々考えています。

それから企画書をつくって説明するにしても、相手が誰かによって、伝えるべきメリットや説得力のある説明の仕方が変わってくる。そうした“向き合い方”に、毎日悩みながら取り組んでいます。テレビの取引は生々しい人と人との交渉事もあり、その基本的なことがわからないままだと、現場の方々にとって的外れなソリューションを提案することになってしまいかねません。そういう意味では、やはり入社してすぐの頃にスポットで研修させてもらえたのは大きかったですね。ケアすべきポイントを最低限把握できたことはよかったと思います。

──AaaSチームにはそうしたメディアのプロフェッショナルたちもいて、日々学びながら取り組んでいるんですね。寺田さんはクライアント向き合いにおいてどんなことが難しいと感じますか。

寺田
お二人の話に続くと、ソリューション開発側に負担をなるべくかけない形でクライアントの要望を実現することですかね。
ソリューションにおいて汎用性とカスタマイズ性を両立させるのは難しいです。
その中で、クライアントと開発チームの間に立ち、なるべく開発チームに負担をかけない形でクライアントニーズに合ったソリューションにカスタマイズしていくことを意識しています。

いまはメディア業界にソリューションが乱立していて、コンセプトやサービス内容での差別化がかなり難しい状況。だからこそスピーディに開発し、社内外のフィードバックをもとにアジャイルにアップデートし続けていくことが求められています。いかに先行優位で戦っていけるかが最大のポイントではないかなと思います。

──なるほど。では逆に、業務においてやりがいや楽しさを感じることは何ですか。

鈴木
やはり自分がつくったものに対して、いい評価をいただいたり、喜んでいただけたりするととても嬉しいし、やりがいを感じますね。
國吉
いろんな人に対してメリットをつくれる形でソリューションを構築できており、いままさにそれが実現化するプロセスにいることに面白味を感じます。またそれぞれの専門性を持った多様なメンバーで一つの大きなものをつくりあげていく醍醐味もある。日々悩みながらも、全力でプロジェクトにコミットしていくことで、個人としての成長も実感できています。
寺田
自身で提案したメディアPDCAスキームを実施した結果、クライアントのビジネス成果が向上したのを目にするとものすごくうれしいです。
僕自身、広告を届けることで自分の身近にいる人に「この商材があってよかった」「嬉しい」と感じてもらいたいからという理由で入社したんですが、クライアントのビジネス成果を上げることは結局、その先にいる生活者に喜んでもらうということでもある。
それをつねに意識しています。

──素晴らしい回答ですね(笑)。ちなみにAaaSのソリューションを導入する際、得意先に対してはどんなことを大切にしていますか?

寺田
ソリューションを導入したことでどのような成果改善があったかをわかりやすくお伝えすることを意識しています。

ソリューションは提供すれば終わりではなく、プラナーがソリューションを活用してメディアPDCAを実行し、クライアントの広告成果が改善することで初めて意味が生まれます。

ですので、ソリューションを導入したメリットは何か、次のメディアプランにどう活かすのかを分かりやすくお伝えすることでAaaSの価値は向上すると考えています。

──さらに國吉さんの部署は、社内外に理解を広め、力を合わせてテレビビジネスの未来を共創していく試みも実践されています。先日立ち上げた組織体「TV AaaS Lab」について教えてください。

國吉
TV AaaS Lab」は、放送局のみなさんを中心としたテレビに関わる全てのプレイヤーが一枚岩となって一緒にテレビビジネスの価値を高めていくための研究開発コミュニティです。課題を見つけ、ソリューションを考えてPoCを行い、最後は汎用化していくまでの一通りのサイクルを回していくことを目指しています。放送局の皆さんにとってナレッジになる記事や、クライアントの方々にテレビの価値をお伝えできる記事、社内の人間が放送局やテレビビジネスとどう向き合っているかなどの記事をアップしているほか、9月に全局向けに行った説明会では400人以上に集まっていただき、我々がテレビビジネスをどうとらえ、盛り上げていこうとしているかの説明をしました。
2022年12月にはサロンも開催予定で、フリーのディスカッションを通して、皆さんでテレビビジネスの将来像について意見交換ができたらと考えています。いまのところ博報堂DYメディアパートナーズからは、各スポット、タイム、プラナー、業推、開発、ネット戦略組織など部署横断で30人ほど、また全国の各放送局から総勢100人ほどがすでにメンバーになっていただいています。皆さんと力を合わせて、テレビビジネスを盛り上げていけたらと考えています。

大切なのは、世の中の流れをとらえ、順応し、挑戦し続けるマインド

──この仕事に必要な心構えや、どんな人が向いているかについて教えてください。

鈴木
まずやってみようというマインドと、かつ、最後までやりきろうというマインドの両方が必要かと考えます。というのも、得意先課題や媒体社課題というのは、そんなに簡単に解決できるものはないから。まずはクイックに試してみて、その結果から次に何をすべきか議論して、次の行動に移すしかない。それを楽しめるマインドということになるかと思います。
この3人には間違いなくそれは備わっていると思います(笑)。

寺田
変化を望む、あるいは楽しめる人が一番強いんじゃないかと思いますね。広告業界は日々進化していて、変化が目まぐるしい。その環境にうまく順応しながら、自分から積極的に変革を起こしていくんだという姿勢で、業務に取り組める人材は強いと思います。
國吉
自分も2人と同じで、世の中の変化、生活者の変化を感じ取れる人が強いと思います。
いまいる部署では、既存のものと新しいものをどう組み合わせれば互いに価値を最大化できるか、ビジネスにつなげられるかが問われているので、なおさら外の変化をいち早くキャッチできる人が求められていると思います。それから、社内外のさまざまな人に話をするなかで、もちろんすぐに賛同してくれる方もいますが、厳しいご意見を頂く機会も多々あります。そういった環境で新しいことにチェレンジを続けていくためにも、傾聴の姿勢で、丁寧、かつ臨機応変に最後まであきらめずにやり切ることを意識しています。

──今後やりたいこと、展望や夢などを聞かせてください。

鈴木
入社以来、僕が強く関心を持っているのが、広告効果をいかに可視化するかです。
広告の表示回数や広告がどれくらい当たったか、サイトにどれくらい来てくれて資料請求までしてくれたか、あるいはアプリをダウンロードしてくれたか、そして広告効果がどう売り上げに寄与したか。それらをシステムによってすべて可視化することが、僕にとってのひとつのゴールかなと思っています。そうすることで、結果的に得意先が、商品開発やサービス提供など、生活者の方に迷いなく向き合える環境を提供することができればと考えています。
寺田
僕は、社内のリソースをフル活用できる人間になりたいですね。
弊社はとにかくリソースが豊富です。
膨大な生活者に関するデータやそれを活用したソリューション、ソリューションを最適に扱える各領域のスペシャリストも揃っています。
一方で、メディア領域は細分化されており非常に多岐にわたりますが、それぞれの領域を越境して網羅的に理解できる人間の貴重価値はまだまだ高いと思います。
社内リソースをフル活用し、複数の領域を越境してクライアントの課題解決をできる人材になりたいですね。

鈴木
確かに寺田さんの仰る通り、人の大事さもありますね。AaaSソリューションの最終的な出目はダッシュボードなわけですが、そこにどういう示唆を持たせるかは結局は人。さまざまな読み解き方があり、プラナーなり媒体社向き合いの人が得意先と寄り添って併走していく必要がある。確かにそれはシステムではできない部分なので、僕の野望が実現するのはまだまだ先になりそうです(苦笑)。
國吉
グループ全体で時代に合ったテレビビジネスの付加価値化に取り組むきっかけづくりにチャレンジしていき、新しい風をどんどん吹かせていけたらいいなと思います。大きな視野で、メディアエージェンシーとしてビジネスとビジネスをしっかりとつなぎ合わせられるような取り組みができたら。先輩方始めさまざまなスペシャリストの方々の力も借りながら、貪欲に臨んでいきたいです。

──改めて感じる、会社の良さ、魅力はありますか。

鈴木
僕は3社くらい経験してきましたが、ここは圧倒的に人がいい。間違いなく、人がとても温かいです。そして話の組み立て方や説明の仕方など、コミュニケーション上手な方々が揃っていると感じます。
寺田
リソースが本当に豊富なので、自分次第でなんでもチャレンジできる環境が整っています。また、若手でもどんどん前に出させてくれて、貴重な経験をたくさん積ませていただけている。もちろん失敗することもありますが、しっかりとサポートしてくれます。挑戦したいと思わせてくれる文化は大きな魅力ですね。
國吉
確かにどんどん前に出させてくれるし、新人にとにかく優しい。そして何より皆さんフラットに接してくださいます。ベテラン社員の方々を前に話をしたときも、新人の僕の話をしっかりと聞き、真摯に質問してくださいました。頑張らざるを得ない、成長せざるを得ない、そういう気持ちに自然になれる。本当にありがたい環境だと日々感じています。

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