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いまどき女子のデジタル活用術! VOL.3 ~日常に溶け込むSNSの利用実態と広告活用のヒント~【前編】
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いまどき女子のデジタル活用術! VOL.3 ~日常に溶け込むSNSの利用実態と広告活用のヒント~【前編】

10代から30代の「いまどき女子」のデジタル生活の実態を伝える連載「いまどき女子のデジタル活用術!」。第3回目となる今回は、博報堂キャリジョ研が行った「SNSに関する定量調査」の結果をもとに、Facebook、Instagram、Twitter、YouTubeの利用実態について、キャリジョ研メンバーが語り合いました。それぞれのSNSの特性を踏まえた広告出稿やクリエイティブのあり方についても掘り下げていきます。(本取材はオンラインで実施いたしました)
(前回までの記事はこちら。VOL.1前編 後編 VOL.2前編 後編

呼吸するようにSNSを見ているいまどき女子

──調査から見えてきたいまどき女子のSNSの利用実態について、まず概要をご説明いただけますか。

佐藤
どの年代もFacebook、Twitter、Instagramを併用しており、どれか一つだけを利用している人は1割にも満たないことがわかりました。また、SNSを利用するのに特別な目的があるわけではなく、日常の情報収集行動の一環として、ほとんど無意識にSNSを開いている人が多いようです。とくに10代は、ほかの行動をしながらの「ながら利用」が少なくありません。
横山
「呼吸するようにSNSを見ている」と言ってもいいかもしれませんね。また、これはいまどき女子に限らないのですが、テレビとの接触が少ない層のうち約4割はSNSを日常的に利用しています。広告を出稿する側から見れば、テレビとの接触の少なさをSNSでカバーできるように思います。
下萩
接触時間を見ると、30代、20代、10代の順で利用時間が長くなります。YouTube、Twitter、Instagramを休日に1時間以上閲覧している人は、10代で約5割、20代で約4割に上ります。とくにYouTubeは、1回あたりの閲覧時間が30分以上という人が10代、20代では約5割もいます。
信川
SNSはいまどき女子、とくに10代から20代前半の若年層にとって、テレビと同じくらい日常生活に定着しているメディアと言えそうですね。

YouTubeは「娯楽メディア」

──いまどき女子は、それぞれのSNSをどのように使い分けているのでしょうか。

佐藤
まず、YouTubeの使い方で一番多いのは、「音楽を聴く」か「ミュージックビデオを見る」で、ほかには「ユーチューバーの投稿」「おもしろ動画」「芸能・エンタメ情報」「スポーツ動画」を見ている人が多いという調査結果が出ています。また、5割の人が「ながら見」をしていることもわかりました。
戸澤
YouTubeを1日に何十回も見ている人たちは、商品やサービスの使い方やレビュー動画など、自分の日常生活に活かせる情報を収集しているようです。
下萩
週1回以上の接触率はテレビや検索サイトに迫る勢いで、10代ではテレビを超えています。SNSの中で「娯楽メディア」という独自のポジションを獲得しているのがYouTubeです。
瀧川
YouTubeはテレビのように見られているわけですが、広告媒体として使う場合は、テレビCMの素材をそのまま流すのはもったいないと思います。テレビCMでは伝えきれない商品の詳細な情報を動画で流したり、音楽雑誌とタイアップして音楽と動画を組み合わせて商品を訴求したりする方法が考えられそうです。

リアルでタイムリーな情報の収集と「本音発信」に利用されるTwitter

佐藤
Twitterは、ほかのSNSと比較すると、「ニュース・最新情報・リアルタイム情報」「交通機関の運行状況」「天気や災害情報」などを見るために利用する人の数が圧倒的に多いことがわかりました。世の中の情報やトレンドをタイムリーに収集するためのメディアということです。
信川
閲覧のみではなく、「気軽に投稿できる・共有できる」メディア、つまり発信メディアとしてもアクティブに活用されているようです。とくに、悩みや不安などの「本音」を発信できるメディアと捉えられています。
瀧川
本音を吐き出して、ほかの人と共有できるのがTwitterの大きな特徴です。Twitterを活用したPRでこれまで多かったのは、「ハッシュタグでツイートしたら特典がもらえる」といった企画でしたが、今後は例えば、みんなが大喜利のように投稿できるお題をハッシュタグにして、本音を語ってもらったり、ボケてもらったりする展開などが考えられます。参加性の高い、インタラクティブな方法がTwitterには向いていると思います。
下萩
母の日やクリスマスなどのイベントに関連させて、みんなが気軽に投稿できるテーマを設定すれば、一般人も有名人も参加して盛り上がりそうですよね。
横山
タイムリーなテーマを投げかけるのも有効だと思います。今なら「テレワークあるある」とか。
戸澤
情報がシェアされやすくて、拡散のスピードも速い。そのTwitterの特徴をうまく活用できるといいですよね。

”好き”と”憧れ”が詰まったポジティブメディアInstagram

佐藤
以前から自分の好きな情報が集まる「キラキラメディア」と言われていたInstagramですが、今回の調査でそれが明確になりました。「食べ物・グルメ」「料理」「ファッション」「美容・コスメ」「ヘアメイク・ネイル」「子育て・育児」など、関心が高い情報を見るためにInstagramを活用する人が非常に多いことがわかりました。好きな有名人の情報をInstagramで見る人も少なくないようです。
下萩
Instagramは独自のアルゴリズムによって、ユーザーが好きな情報、趣味に合う情報が集まる仕組みをつくっています。ユーザーも「自分の好みや憧れが詰まったメディア」と捉えていますよね。だからこそ、オシャレやライフスタイルの参考にもする。最近は、24時間で情報が消えるストーリーズで、日常を切り取った「ライブ感」のある情報を投稿する人も増えています。
戸澤
Instagramは、昔は「写真投稿メディア」でしたが、ストーリーズによって「コミュニケーションメディア」「行動促進メディア」になりました。おしゃれな写真じゃなくても投稿できるようになって、ハードルがぐっと下がったと思います。
信川
発信メディアとして見た場合のTwitterとの一番の違いは、投稿がとてもポジティブなことです。不安や悩みではなく、「好きなこと」「興味があること」を発信するポジティブメディアがInstagramと言っていいと思います。
瀧川
発信情報がポジティブだから炎上しにくいのもInstagramの特徴です。広告戦略を考える場合は、「この商品の使い方の面白いアイデアを教えてください」とか、「このサービスでどんな体験をしてみたいですか?」といった情報発信をするのが有効な方法だと思います。ユーザーのライフスタイルと商品やサービスを結びつけられるようなメッセージを投げかける方法です。
横山
Instagramには、アンケート機能やAR広告の機能など、インタラクティブな展開を可能にする仕組みもあります。また、ショッピング機能もあるので、購買につなげることも可能です。それら機能を上手に使いこなすのもポイントだと思います。
下萩
先ほど出たTwitterの大喜利のアイデアに近いのですが、いろいろな人が自由に参加できる「型」をつくって、クリエイティブな投稿を募ることもできそうです。コロナ自粛中に星野源さんがやっていた「うちで踊ろう」のような方法です。歌、ダンス、イラストなど、いろいろなコラボレーションの型がありそうです。

人との緩やかな「つながり」を維持するFacebook

佐藤
最後にFacebookですが、今回の調査から、Facebookで見られている情報の多くは、友人・知人の近況、とくにライフイベントに関する情報であることがわかりました。情報を発信する場合も、自分のその情報を知り合いに伝えるといった使い方が多いようです。ライフイベント情報を共有して、緩やかな「つながり」を維持するメディアと言えそうです。
信川
TwitterやInstagramと比べると、「オフィシャルな自分」を表現するメディアという側面もありますよね。
瀧川
FacebookはSNSの中では歴史が長く、インターネット上のさまざまなサービスの登録にFacebookアカウントが使われることも少なくありません。その点でも、オフィシャルな性格が強いSNSだと思います。
戸澤
広告を出稿する側から見ると、歴史が長くサービス登録にも利用するものだからこそ、年齢や行動履歴をもとにしたターゲティングの精度が非常に高いという特徴があります。ターゲティングを重視するコミュニケーション展開に適したメディアと言えると思います。
横山
最近は、「PO配信」機能を使うクライアントも増えています。POは「Placement Optimization(配置最適化)」の略で、複数の配信面をまたいで(Facebook, Instagramなど)機械学習によって自動的に効果の良い面に配信されるため、結果的に効率よく広告の配信ができる機能です。
下萩
この5月にはアメリカのFacebookが小規模事業者向けにECサービス「Facebook Shops」を始め、6月には日本での導入も始まりましたよね。今後、EC領域でもFacebookが活用されるケースが増えていくと思います。

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以上、前編ではいまどき女子のSNS利用実態や、使い分けについてご紹介しました。
後編では、SNSごとに違うトライブや相性の良いカテゴリーについて深掘りしながら、プラニングへの活かし方を探ります。

 

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【調査概要】
SNSに関する定量調査
〈調査手法〉インターネット調査(調査実施機関:株式会社H.M.マーケティングリサーチ)
〈調査手法調査エリア〉全国
〈調査対象者〉スクリーニング調査:15歳から69歳の男女(マクロミルモニタ)※調査業・広告代理業・中学生を除く/本調査:1,いずれかのSNSを週1回以上閲覧している方 2,1かつ各SNS高感度層
〈有効回答数〉スクリーニング調査:99,890ss(分析対象数;性年代別構成を人口動態に合わせて抽出した20,000ss)/本調査 :2,892ss
〈調査時期〉スクリーニング調査:2019年12月18日(水)~12月25日(水)/本調査:2019年12月20日(金)~12月27日(金)

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