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メディア価値を高めるデータ活用とは【データマーケティング リレーコラム VOL.4】
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メディア価値を高めるデータ活用とは【データマーケティング リレーコラム VOL.4】

進化するデータマーケティングにとって重要な事は何か?
データドリブンビジネス開発センター データマネジメントプラットフォーム部の若手メンバーがリレー形式で分かり易く説明していく連載コラム。第四回は秦俊一郎が、メディア接触データの活用について語ります。

広告会社が扱う3つのデータ

広告会社は、データを活用して生活者の意識行動を予測・可視化することで、マーケティングに役立てています。
ここで扱われているデータを大きく分類すると、

  1. 購買やホームページ来訪など、特定の広告主から見た顧客としての側面を分析するための「顧客データ」
  2. 広告会社を含む第三者が持ち、生活意識・行動全般を包括的に分析するための「生活者データ」
  3. 番組やコンテンツの閲覧など、特定の媒体社から見た視聴者・閲覧者としての側面を分析するための「メディア接触データ」

の3つに分けられます。

顧客データ・生活者データは、広告主のマーケティング課題をより深く捉え、かつマーケティング活動の成果を把握するために非常に重要なデータです。これまでのリレーコラムでは、顧客データ及び生活者データに主に焦点を当てて活用のポイントを紹介してきました。今回は最近可視化が進み、広告活動をプラニングする上で重要性を増しているメディア接触データの活用についてご紹介します。

データによるマスメディアプラニングの変化

生活者の意識・行動の変化、データ活用も含むマーケティングの高度化にともない、広告主が設定するターゲット像はより繊密になってきています。一方でテレビをはじめとするマスメディアのプラニングは、多くの場合F1・M1など大きな性年代区分を利用して行われてきました。マーケティングターゲットをメディアプラニングに反映出来ないことで、広告主・媒体社ともに機会ロスが生じていたこともあるのではないかと考えられます。しかし、マスメディアにおいても生活者の番組やコンテンツの閲覧データを取得できる環境が整いはじめており、ターゲットの可視化が進んでいます。

例えば、テレビの見逃し配信や、新聞の電子版など、マスメディアもインターネット上でのコンテンツ提供を拡大しています。博報堂DYグループでは、これらのメディアへの接触データに注目しています。例えばテレビの見逃し配信において、広告に接触したユーザーの特性を分析したり、見逃し配信で広告接触したユーザーに再度サービス・商品を紹介したりといった取り組みも進んでいます。また新聞電子版の記事体広告では、特定カテゴリーの記事に関心を持ったユーザーに関連したサービス・商品を紹介したり、ユーザーが記事体広告をどの程度読んだかによってその後のアプローチを変更したりといった取り組みも進めています。

さらに、スマートテレビと呼ばれるインターネットに結線されたテレビ(実視聴データの利用が許諾されているテレビ)においては、誰が・いつ・どの番組を視聴したかという実視聴データの取得が可能になってきています。博報堂DYグループも、この実視聴データとWeb閲覧などのオンラインアクチュアルデータを連携しテレビCMとWeb広告の組み合わせによりコミュニケーション効果を最大化する新ソリューション「Atma(アトマ)」の提供を開始しました。Atmaを生活者DMPと組み合わせることで、ターゲットの視聴番組分析に基づいたメディアプラニングや、テレビとデジタルメディアを横断した広告効果検証などが可能になります。

データによるメディア価値の向上

メディアデータの活用は、生活者へのアプローチ精度を高めるだけでなく、マスメディアの価値を向上することにもなると考えています。例えば、ターゲット含有率の高い番組を見つけることができれば、広告主にとってより価値のある番組を提案することができます。他にも、マス広告とインターネット広告でデータを組み合わせ、認知から態度・行動変容まで一貫したコミュニケーションを取ることができれば、今までよりも広告効果を高めることにもつながります。
このように、広告主の課題に応えメディア価値を高めるようなデータ活用を進めるためには、メディアプラナーとマーケターがお互いの業務領域を理解しあい協業することが重要です。双方がマーケティング戦略やターゲット設定と、データを活用したメディア選定やコミュニケーションプランを意識することで、新たな視点が生まれると考えています。

まとめ

マスメディアにおけるデータの活用はまだ始まったばかりです。
しかし、生活者と広告の大きな接点であるマスメディアで、より緻密なコミュニケーションが実現することのインパクトは非常に大きいと感じています。生活者を多面的なデータで可視化する事によって、生活者との価値あるコミュニケーションを創造する手法を探っていきたいと思います。

 

※本記事は博報堂DYメディアパートナーズHPに掲載した記事を転載しています。
※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

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  • 博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンビジネス開発センター
    2011年大広入社(現:東京プロデュース局デジタルマーケティンググループ)。2016年より博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンビジネス開発センター データマネジメントプラットフォーム部と兼任。入社以来マーケティング部署に所属し、商品・サービスに加え、企業や学校法人など幅広い領域のマーケティング戦略立案、コミュニケーションプラニング業務に従事。現在は、データを起点としたマス/デジタル横断のプラニングを行う。