分断を超え、体験を変える─AI時代における人財育成と教育モデルの再設計
一般社団法人AICX
- 小澤 健祐
業界をリードするトップ人材と語り合うシリーズ対談「Human-Centered AI Insights」。今回は「AI時代における人財育成」をテーマに、企業におけるAIエージェントの実践的な活用を支援し、「分断を超え、体験を変える」社会の再設計に取り組む一般社団法人AICX協会代表理事である小澤 健祐氏と
AIとの出会い、理想と現実のギャップ 森 まずは、小澤さんの経歴や、現在一般社団法人AICX協会での取り組みについてお聞かせいただけますか。 小澤 高校時代に放送部に所属し、「孤独死」をテーマにしたドキュメンタリーを制作して全国大会に出場した経験から情報発信に関心を持ち、大学では新聞学を専攻しました
「作る側」と「使う側」の連携が鍵を握る 野田 生成AIの登場によって様々なアウトプットも出せるようになり、日常的な文書作成やコミュニケーションにも使っている例は多くなったと思いますが、 純粋な興味として、日頃から情報発信を多くされている小澤さんが「バズるワード」を生み出す際に意識されているコツのような
生成AI活用は人間の発達意識レベルで変わる 野田 生成AIの登場で「人が行っていた知的業務」をAIが代替し、さらにはビジネスモデルそのものを変革するほどのインパクトをもたらしています。これまで時間をかけて進めるしかなかったビジネストランスフォーメーションが、いきなり実現できてしまうわけですが、小澤さ
「ゼロから価値を生み出す創造性」が求められる 森 2025年4月に開催された国際学会「CHI(カイ)」では、マイクロソフトやガートナーの研究者たちによる論文が発表され、「生成AIの利用が人間の認知的努力(Cognitive Effort)を低下させる」ということが示されていました。生成AIを使えば使う
「脱100点満点主義」からの脱却が重要 野田 博報堂DYグループが開発した「CREATIVITY ENGINE BLOOM」は、AIと人の共創を前提にした統合マーケティングプラットフォームですが、大きく2つのコンセプトがあります。1つ目は、AIによる自動化・効率化で、過去の博報堂DYグループ独自の蓄積さ
ヒット習慣予報 vol.381『高強度アクション』
博報堂
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。気づけば、今年もあと3ヶ月足らず。1年って本当にあっという間だな、と感じながらも、ちょうど過ごしやすい気候になってきたので、残りの期間を全力で楽しんでいこうと思っています。そんな中、本日は、日々を楽しく過ごすためのアクションの一つとして、「高強度アクション
マーケティングシステムの今 ─ マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.11】生成AI時代にマーケターが自らデータを学ぶ意義
博報堂
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、
マーケティングにおけるデータ活用の進化データ活用と一言で言っても、その姿は時代と共に大きく変化してきました。テクノロジーの進化と、それに伴いマーケターに求められるスキルの変遷を振り返ってみたいと思います。 インターネット黎明期からビッグデータ時代へ(1995年~2017年頃)1995年頃、インターネッ
生成AI時代になぜマーケターは自らデータを学ぶべきなのか生成AIが瞬時にレポートを作成し、分析結果を提示してくれる未来もやってくるでしょう。では、マーケターはもうデータを学ばなくてよいのでしょうか。私はAIという強力なツールを真に使いこなすために、マーケター自身のデータリテラシーは、むしろこれまで以
データドリブンなマーケティングを始めるにあたってでは、データドリブンなマーケティングを始めるために、具体的に何から手をつければよいのでしょうか。「データ活用」と聞くと、高度な分析ツールや専門知識が必要だと身構えてしまうかもしれません。しかし、その第一歩目はシンプルで、大切なのは、「問い」を立てること
データと向き合う文化を作るこのようにマーケターがデータを学ぶことの価値は、個人のスキルアップにとどまりません。データに対する理解を深めたマーケターが組織に増えることで、企業や組織全体で「データで語る文化」が醸成され、持続的な成長を実現するための基盤となります。私たちマーシス局では、博報堂がこれまで蓄
生成AI時代に勝ち残る組織とは?今こそ取り組むべき「AI-Ready化」の実践ステップ ー業務・データ・組織の変革ー
生成AIの登場により、企業におけるAI活用は急速に広がりを見せています。一方で、「AIを導入しても使いこなせない」「データが整っていない」「業務が属人化していて再現性がない」といった課題に直面し、本質的な業務変革や顧客価値創出に結びついていないケースも少なくありません。企業にとっての競争優位は「AI
シリコンバレー投資家が語る日本企業が取るべき戦略とは(後編)
NSV Wolf Capital
- 柴田 尚樹
博報堂DYホールディングス
博報堂DYホールディングス 執行役員/CAIO 兼 Human-Centered AI Institute代表の森正弥が、業界をリードするトップ人材と語り合うシリーズ対談「Human-Centered AI Insights」。 NSVのパートナーとしてシリコンバレーの新興VCへのファンド投資、スタートアップへの直
AI-Readyな社会で生き残るためには経営層のコミットメントが不可欠 森 柴田さんは投資家として、企業の情報を幅広く見渡すことで、他の人が見落としがちなベストプラクティスや現場のペインポイントを分析していることが理解できました。日本全体を見ると、AI-Readyな社会になるべく、各社でデータ整備を
AIを単なるツールではなく「後輩」のように接することが大事 森 当社グループでもDifyのエキスパートが450名以上いて、次々とAIエージェントを作って業務の高度化を果たしています。驚いたのは、これが進むと自然にMCPサーバーを立て始めて、従来のRPAとは全く違う次元の自動化が進んでいるような感覚が
日本のロボット開発は世界の「主要プレイヤー」になる可能性を持っている 森 今日の対談の中でも、柴田さんは「人間と同じ目線でAIと接する」という点を一貫して大事にされていると感じました。アメリカの技術哲学者で有名なダナ・ハラウェイさんの著書『コンパニオン・スピーシーズ・マニフェスト(The Compan
シリコンバレー投資家が語る日本企業が取るべき戦略とは(前編)
NSV Wolf Capital
- 柴田 尚樹
博報堂DYホールディングス
博報堂DYホールディングス 執行役員/CAIO 兼 Human-Centered AI Institute代表の森正弥が、業界をリードするトップ人材と語り合うシリーズ対談「Human-Centered AI Insights」。今回は、NSVのパートナーとしてシリコンバレーの新興VCへのファンド投資、スタートアッ
「一勝一敗」の起業経験が投資家としての基盤になっている 森 まずは柴田さんのこれまでのご経歴や、現在注力されている事業についてお聞かせください。 柴田 私は日本生まれ日本育ちで、現在はシリコンバレーを拠点にベンチャーキャピタルの仕事をしています。キャリアのスタートは楽天で、フィンテックをはじめ、多く
日本の「新卒一括採用」がAI活用に活きる理由 森 柴田さんの『決算が読めるようになるノート』は書籍化もされベストセラーにもなりましたが、決算書の数字から会社の立体的な状況やストーリー、成長の文脈までを分析することで、感覚的に会社の状態や将来像がわかること。さらに、数字の分析だけでなく、多様な人種が集
営業にAIを導入して売上を倍増させるアメリカ企業の共通点 柴田 私は「AIを皆さんの部署に入ってきた新入社員だと思って接してください」とよくお伝えしています。新入社員であれば当然ミスをすることもありますし、次からは間違えないように教えてあげればいいのに、AIがちょっと間違えただけで「ハルシネーション
日本企業が世界で勝つには「バーティカルAI」が鍵になる 森 普段、柴田さんはシリコンバレーを拠点に活動されていますが、アメリカと日本のAIスタートアップを取り巻く熱量やエコシステムにはどう違いを感じていますか? 柴田 アメリカにおけるAI関連ビジネスの伸長は資金面や売上面でも非常に大きく、特にLLM
ヒット習慣予報 vol.380『AIセラピー』
博報堂
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。先日、長い休みをとって、一人で車を借りてアメリカ横断をした知人がこんなことを言っていまして。アメリカの景色の変わらない一本道を、一人で運転していると寂しくなってくるから、生成AIを立ち上げて運転しながら会話をつづけたら、とても癒されたと。なるほど、そういう
メタバース生活者たちと共にデジタル世界のこれからを考える 番外編~ラボメンバーと考える「メタバース世界への誤解」~
博報堂
博報堂は、2024年11月に、メタバース空間における新しい生活者価値の創出と、イノベーションを生み出すことを目指し、研究員全員がメタバース生活者当事者によって構成されたコミュニティ型プロジェクト「メタバース生活者ラボ®」を設立しました。連載「メタバース生活者たちと共にデジタル世界のこれからを
メタバースの誤解①「VRゴーグルがないと、メタバースは体験できない」メタバース生活者ラボ内で、「周囲の人が、どうしたらメタバースサービスを利用してくれるのか?」というテーマで議論した際、「VRゴーグルなどの専用機器がないとできない」という誤解が周囲によくあることが話題にあがりました。もちろんメタバー
メタバースの誤解②「他人との交流が必須である」さらに、メタバースの利用を躊躇させる原因の1つとして「他人とのコミュニケーションが必須である」と誤解している人が多いのでは?とも話題にあがりました。先ほど述べたようなメタバースプラットフォームでは、設定や自身のスタンス次第では実は1人でも十分に楽しむこと
メタバースの誤解③「集中しないと楽しめない」これまで述べたように、実はメタバース空間はVRゴーグルがなくても体験できたり、一人でも楽しめたり、気軽に参加できる側面を持っています。だからこそ、「やるぞ!」と集中しないと楽しめないものではなく、「ながら」でも楽しめます。実際に、過去インタビューをしたメタ
新しいテクノロジーへの先入観を捨て、「当事者」となる大切さこのように実は、「メタバース」には多くの誤解が生まれてしまっており、興味関心がある生活者との間に壁を作ってしまっている可能性があります。過去にこの誤解を抱えていた現ユーザーの多くは、「先住メタバースユーザーの人から、いろいろ教えてもらえた」と
メ環研フォーラム2025【AI as Media~メディアとしての AI~】 vol.4 メディア定点2025で見えた、スマホのインフラ化とテレビが内包する新たな価値とは?
2025年7月29日、メディア環境研究所によるフォーラム【AI as Media~メディアとしてのAI~】が開催されました。レポートvol.4では「メディア定点調査2025」の調査結果を中心に「いま足元で起こっている変化」として、最新のメディア環境をお伝えすると共に、AIがさらに身近になっていくこれから
スマホとテレビの立場の逆転が定着化「メディア定点調査」は、メディア環境研究所が2006年から実施している時系列分析が可能な定点観測調査です。生活者のメディア環境を、メディアへの接触時間やメディアイメージ、所有しているデバイスなど多種多様な観点から分析し、メディア生活全般の現状・変化・兆しを探っていま
インフラ化するスマートフォンまずスマホで利用するサービスについて、過半数以上が「利用している」と回答した項目を見ていくと、トップはSNS(83.9%)。そしてYouTubeなどの無料動画(80.3%)、買い物(77.7%)、ニュース(68.8%)、音楽(61.4%)、ゲーム(51.7%)と続きます。
テレビスクリーンの新たな存在価値スマホが浸透する一方で、テレビスクリーンには新たな存在感が生まれています。テレビスクリーンに訪れた変化を、その利用状況から紐解いていきましょう。まず利用状況について。テレビスクリーンでもっとも利用率が高いのは「リアルタイム放送」(88.9%)、続いて「録画」(69.6
SNSの高まる存在感と、情報への不安感今回の調査では、情報への意識変化も見えてきました。世の中の情報の発信元のイメージについて、「世の中の情報の発信元は、SNSなどのネットメディアだと思う」という回答が、初めて「世の中の情報の発信元は、テレビ、ラジオなどのマスメディアだと思う」を上回ったのです。野田
未来に求められるメディアコミュニケーションとは最後に、その「信頼する情報」についての興味深いデータをご紹介します。メディア環境研究所では別調査の「検索サービス利用実態意識調査2025」において、「検索結果で信頼する情報」についてアンケートをとりました。その結果、年代によって情報の信頼性のよりどころが
マーケティングシステムの今~マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.10】埋もれたデータを「AI-Ready」で掘り起こす – 事業成長を加速させるデータ活用戦略の最前線
博報堂
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、
マーケティングの未来を拓く「AI×データ」の必然性今、マーケティングにおいてAIは、事業成長を左右する不可欠な要素となっています。多くの企業でデータが活用しきれていない現状に対し、生成AIはデータの捉え方や活用方法、意思決定の質とスピードにまで影響を与えるパラダイムシフトを引き起こしてい
「AI-Ready」へと至る道のりと、企業が直面する壁AIの恩恵を最大限に受けるには、「AI-Ready」な状態への変革が不可欠です。しかし、多くの企業が以下の壁に直面しています。まず、業務プロセスの壁です。長年の慣習で確立された業務の多くはAI連携に適した「型」になっていません 。判断が個人の経験に
「AI-Ready」が拓く、次世代のデータ活用戦略「AI-Ready」な状態を実現するには、単にAIツールを導入するだけでなく、「データ」と「業務プロセス」の抜本的な変革が必要です 。データ変革の要諦は、これまでの構造化データ中心の考え方から脱却し、多様な非構造化データをいかに収集・統合し、AIが活用
事業成長を加速させる「AI-Ready」への第一歩「デジタル施策の成果がバラバラ」「オンラインとオフラインの顧客体験に一貫性がない」「データはあるが活用されていない」――もし貴社がこのような課題を抱えているなら、それは「AI-Ready」の必要性を示唆しています 。データをAIで最大限に活用できる状態


