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AIエージェント時代のブランド設計とは? 博報堂の「ブランドに“生きた人格”を宿す」実装最前線【MarkeZine Day 2026 Online 登壇レポート】

博報堂

博報堂テクノロジーズ

AIによる最適化を繰り返すほど、ブランドの個性は薄れ、同質化していく——。生活者との接点が爆発的に増え、そこにAIが浸透する時代に顕在化したこの課題に、博報堂はブランドを“生きた人格”としてAIに実装する「Branded AI Agent」で応えようとして

AI時代における「ブランディング」の新たな課題とは長年、企業ブランディングや新しいブランド体験の創出に取り組んできた博報堂。そんな同社に所属する中島優人は、体験を起点としたブランディングやテクノロジーを活用した新体験の開発に加え、社会テーマに官民共創で取り組む「PROJECT_Vega」にも所属し、

ブランドと生活者の対話が誕生―conversionからconversationへ接点が増え、AIの浸透が進むこの時代において、ブランドの個性をどのように作っていくべきなのか。マスメディアが発達した時代は、商品やブランドの「意味」を伝えることが情報価値を持ち、SNSの発展は「ブランドの個性や価値を、透

「もし、ブランドが“生きた人格”を持っていたら?」Branded AI Agentの出発点Branded AI Agentは、従来のブランドブックのような「静的なブランド定義」のアンチテーゼに当たる。 生活者とブランドの接点が限られた状態で、コミュニケーションも表現物が中心とされる形で

「ブランドらしさ」をAIでどう実装するかブランドの“人格”を、AIにどのように実装していくのか。そして、現時点でどのくらい実現できているのか。 博報堂では2025年、同社グループが開催したフォーラム「博報堂 生活者インターフェース市場フォーラム2025」で、Branded AI Ag

「正解を示すAI」ではなく「対話や雑談を促すAI」の実現こうした“ブランド”らしさを、対話を通じて体験してもらうため、「空気を読む・文脈を読む」対話設計にも力を入れた。岸本は「一方的に正解や知識を提示するAIではなく、相手の意見を聞いて新たな解釈を加え、洞察をサマリーして伝え

ブランドは「形あるもの」ではなく「にじみ出す」時代へ今後、Branded AI Agentを含めて様々なAIエージェントが生活に浸透していくなか、ブランド体験はどのように変化していくのだろうか。 まず岸本が注目するのは、「SEOからAIO(AI検索最適化)」への移行だ。AIに選ばれるための最適化という概念

テレビとデジタルを往還する生活者の行動をリアルに把握する──博報堂とThe Trade Deskの協業から生まれた〈AaaS with TTD〉

The Trade Desk Japan株式会社

  • 山中 竜也

テレビとデジタルをシームレスに行き来する生活者の広告接触実態とリアルな効果をどう把握するか──。博報堂はこれまで、独自の「テレデジ分析」の手法を駆使してその課題に取り組んできました。The Trade Deskの協業から生まれた〈AaaS with TTD〉は、そのテレデジ分析の新しい可能性を示すソリューシ

テレビとコネクテッドTVのクロス分析が可能に──The Trade Desk(以下、TTD)について、あらためてご紹介いただけますか。 山中 TTDは、広告主や広告会社を支援するテクノロジー企業です。自社媒体を持たない独立系のDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)事業者である点に大きな特徴がありま

コラボレーションから生まれた新しい価値──〈AaaS with TTD〉リリース後の反響についてお聞かせください。 小澤 2025年10月のリリース後、たくさんのクライアントからご相談をいただきました。 分析検証のフェーズに入っている案件も増えています。 佐原 ご相談をいただいたクライアントの課題感はさ

広告効果を継続的に高めていく取り組みを ──このソリューションを活用して、今後どのようなことを成し遂げたいか。それぞれの思いをお聞かせください。 佐原 生活者の広告接触行動の実態をありのままの姿で可視化したいと考えています。 例えばリテールメディアなどのプロモーション接点や、従来は効果検証が難しいと考

プラットフォームと共創する「生活者インサイト」の捉え方 vol.3~広告感を消し、リアリティで共感を生む。TikTokマーケティングの最前線

TikTok for Business Japan

  • 吉村 圭司
  • 本田 ロニー

X、Instagram、TikTok、YouTube、Spotify――いまやプラットフォームは単なるメディアを超え、生活者の感情や行動がリアルタイムに交錯する「生活インフラ」へと進化しました。そこで求められるのは、クリエイティブにおける“二刀流”の視点です。ブランドの意志を

MAU4,950万超。全世代が利用するTikTokの現在――TikTokと言えば、以前は若年層向けのイメージが強かったですが、今はかなり幅広い年代へと広がっているそうですね。 吉村 おっしゃる通り、TikTokはもはや若年層だけのプラットフォームではありません。昨年、博報堂に調査いただいたデータでは

常に新しい何かに出会える、トレンドの鮮度――TikTokにおけるトレンドの生まれ方も、変化していますか? 吉村 まず、他のプラットフォームに比べるとTikTokのトレンドのサイクルはもともと速かったですが、それがさらに加速しています。小さな界隈から生まれた熱量の高いトレンドが、一気に盛り上がって大き

フォロワー数よりも「瞬間のエンゲージメント」が重要――では、企業やブランドが発信する場合や、TikTokクリエイターと組んでアプローチする場合についてうかがっていきます。やはり、「フォロワー数」は主要な要素になるのでしょうか? 杉山 意外に思われるかもしれませんが、私はクライアントワークにおいて、K

広告感の払拭と、タイムラインへの馴染ませ方 ――では、企業やブランドのクリエイティブ制作において、杉山さんと古川さんが意識していることは何でしょうか? 古川 商材によりますが、ひとつは、徹底して「広告感を出さないこと」です。直近の例を挙げると、雑誌『ブレーン』(宣伝会議)のオンライン動画コンテスト「B

「TikTok Shop」では、リアリティが購入を後押ししている――昨今注目されている「TikTok Shop」については、どのような成果が出ていますか? 吉村 TikTok Shopは昨年6月に日本でローンチして、ちょうど1年が経過しました。当初は若者向けコスメなどの商材が中心でしたが、最近ではドライヤ

生活者の「AI生成物への印象」を見極める、クリエイターの役割――昨今のAI活用のトレンドについては、どう感じていますか? 杉山 生活者がAIの生成物に慣れてきている今、クリエイターとしてAIを使うことへの抵抗感はありません。今後は「AIを使うこと」が目的ではなく、「課題解決のための手段」としてどう組

クライアント、TikTok、クリエイターの議論から新しい表現を――AI活用の話は、まさに現在進行形で変化していると思うので、クライアント企業とプラットフォームとクリエイターの三者でよく議論して判断する必要がありますね。 杉山 まさに、そうですね。AI活用が当たり前になったからこそ、どのような課題を解

マーケティングシステムの今~マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.23】「撮影して、加工して、投稿する」の繰り返しから抜け出せるか? SNS画像制作にAIエージェントを持ち込む試み

博報堂

マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、

ある日のSNS担当者少し、想像してみてください。あなたは化粧品メーカーのSNS運用担当者です。来週のSNS投稿に向けて、新商品のボトルを使った画像を用意しなければなりません。スタジオを押さえ、カメラマンに連絡し、背景のスタイリングを考え、撮影に半日。戻ってきたデータを編集ソフトで開き、背景のトーンを

画像生成AIだけでは足りない理由では、今話題の画像生成AIを使えばいいのかというと、話はそう簡単ではありません。たとえばM 画像生成AI に「化粧品ボトルの画像を作って」と指示すると、それらしい画像は出てきます。ただし、それは「それらしい何か」であって、特定の商品ではありません。ラベルのデザイン、ボトル

我々が描いているエージェントの姿具体的にどんな体験を目指しているのか、利用シーンとしてお話しします。担当者がWebブラウザを開き、SNS投稿に使いたい商品の写真をドラッグ&ドロップでアップロードします。スタジオで撮影した画像でもいいし、オフィスのデスクでスマートフォンで撮ったものでも構いません。次に

いきなり作らない。まずPoCで「分からないこと」を減らすこの構想を聞いて、「面白そうだけど、本当にそんなにうまくいくのか」と思われた方もいるかもしれません。率直に言えば、我々もすべてが完璧にうまくいくとは考えていません。だからこそ、PoC(概念実証)から始めるアプローチを取っています。PoCで検証し

「作る時間」を「考える時間」に変える最後に、この取り組みの先にある世界について触れておきたいと思います。SNS担当者の日常を再び想像してください。これまで画像制作に費やしていた時間が大幅に短縮されたとしたら、その空いた時間で担当者は何をするでしょうか。おそらく、投稿のタイミング戦略を練ったり、フォロ

AI時代、音楽の価値はどう生まれるのか?―生成AI時代の美的リテラシー

StuioENTRE

  • 山口 哲一

origami PRODUCTIONS

  • 対馬 芳昭

博報堂

生成AIの進化がクリエイティブのあり方を激変させている昨今。テキストや画像、映像など、あらゆる領域で自動化が進む中、音楽の世界でも「テキストを入力するだけで、数分でプロ顔負けの楽曲が完成する」という音楽生成AIが急速な台頭を見せています。誰もが瞬時に一定レベルのクオリティの音楽を作れるようになった時

音楽生成AIがもたらす構造変化と現在地(レポート・ダイジェスト)第一部は、2026年3月に事前公開した音楽生成AIの音楽・産業・文化への影響に関するグローバルリサーチのレポートを、執筆者であるUoC前原よりダイジェストで共有した。日本国内ではまだ体系的な情報が少ない中、海外の最新動向やヒアリングを基

テクノロジーの受容と、「スキル」と「クリエイティブ」AIによって、これまで専門的な教育や訓練が必要だった「作詞・作曲・編曲」という行為が、技術的には誰にでも開放されました。この変化をプロの現場はどう捉えているのでしょうか。 前原 まずこのセッションですが、音楽生成AIをめぐってはまだ世界中で誰も行方

「聴き手」の目利き化と、AI時代におけるプロの役割 前原 今の「創る側」のお話に対して、次の問いになりますが、「『聴く側』の変化、そしてプロの役割や期待はどうなっていくのか」。だんだんその境目も曖昧化してはいますが……。 対馬 この『誰もが作れる時代』というのは、創り手だ

音楽の「身体性」――空間性、空気の振動、ポケット 前原 音楽といえば、やはり「『身体性』」とは切り離せないと思いますが、AI生成音楽における身体性、あるいは人間が肉体を使って音を鳴らす意味はどうなるのでしょう? 山口 愚直に身体性でいうなら、楽器を演奏できるフィジカルAIもあるんでしょうが、まあ、こ

生成AI時代に大切な美的リテラシーとは 前原 いまの身体性や感性といった話と繋がるのですが、最後の問いになります。「このAI生成音楽が世の中に溢れる時代だからこそ、なぜ『美的リテラシー』、つまり人間の審美的な判断力がこれまでより重要になるのか」について、お考えを聞かせていただけますか? 山口 これか

プラットフォームと共創する「生活者インサイト」の捉え方 vol.2~ターゲットのタイムラインを想像する。Instagramで求められる、生活に溶け込む広告

Meta日本法人

  • 永久 眞規

博報堂

X、Instagram、TikTok、YouTube――いまやプラットフォームは単なるメディアを超え、生活者の感情や行動がリアルタイムに交錯する「生活インフラ」へと進化しました。そこで求められるのは、クリエイティブにおける“二刀流”の視点です。ブランドの意志を届け、中長期的な

「インスタ映え」から、日常をシェアするプラットフォームへ―まず、Metaの永久さんにうかがいます。最近のInstagramの動向や、ユーザーの特徴的な変化について教えてください。 永久 世界では現在、36億人のデイリーアクティブユーザーがいます。日本でも、FacebookとInstagramのユーザ

気分とライフスタイルから発想するプラニング―そうした媒体特性を踏まえて、杉山さんはどのようにプラニングされているのですか? 杉山 「気分」を重視するようになっています。たとえば、欲しい炭酸飲料が決まっているときにInstagramで調べる人は、あまりいないですよね。でもその手前で、ユーザーが「何か飲

フィードはランディングページ――Instagramの中で完結させる設計―運用面では、どういった工夫が有効ですか? 杉山 フィード(投稿一覧)は、ブランドのランディングページだと考えています。いまはSNSで情報発信をしているブランドも多いので、気になった商品があったら、まずInstagramの公式アカ

スキップ対策より、「溶け込む」クリエイティブが重要に―クリエイティブを作る上で、杉山さんが意識されていることは何でしょうか? 杉山 上下にバナーが貼ってあって、CMが中央にあるようなクリエイティブは、タイムラインの中で浮きますよね。いかにタイムラインの中に溶け込ませるかが大事です。 最近は、飛ばされ

生活者のタイムラインをどれだけ想像できるか―最後に、今後に向けてトライしたいことを教えてください。 杉山 AIの進化もあって、天気・時間帯・気分にピタリとはまるクリエイティブを量産して届けることが現実的になってきています。CMでは、15種類のバリエーションを天気ごとに出し分けることなど絶対にできませ

AIとの対話で創造性を高める― 先端事例から読み解く、AIと人間のこれからの関係性

近年、生成AIが私たちのビジネスや生活に急激に浸透しつつあり、もはや「AIを使うべきか」ではなく、AI活用を前提に「どう使いこなすか」「どんな価値を生み出すか」が問われる時代を迎えています。そこで今回は、クリエイティブ領域におけるAI活用に取り組む博報堂DYホールディングスでCAIO(最高AI責任者

クリエイティブ領域で加速する、「獲得」と「認知」の両面からのAI活用 藤川 近年、私たちのビジネスにおいてもAI活用が浸透しつつあり、仕事のプロセスや価値創造のあり方が大きく変わってきたと感じています。現在は各業界、各企業がそれぞれ試行錯誤を重ねている状況だと思いますが、博報堂DYグループのようなク

「暗黙知」を「組織知」に変え、AI時代に信頼されるプロフェッショナルへ 藤川 クリエイティブの現場でAIを活用されて、課題に感じていることはありますか。 森 よく言われるのが同質化の問題です。AI活用が進むことで、コンテンツがどんどん同じようなものになり、競争力を失ってしまうのではという懸念です。実

AIが人の創造性を高めるには、インタラクションを誘発するUIが重要 藤川 創造性を高めるという観点で、CREATIVITY ENGINE BLOOMはどのように設計されているのでしょうか。 森 「STRATEGY」領域でコンセプトメイクを担うモジュールとして、当社グループ企業の Chief Creativ

AIが人間のネットワークを広げつなげる未来 藤川 今日はいろいろと未来に向けたヒントになる話が伺えましたが、最後に、森さんや博報堂DYグループが考えるAI活用の未来図があれば、教えていただけますか。 森 当社グループでは、CREATIVITY ENGINE BLOOMの機能を拡充させつつ、将来的にはグル

2025年10月~2026年3月人気記事ランキング 経営とデータの融合、CRM×AIの進化、AI検索の未来など 注目のトピックスTOP20【後編】

「"生活者データ・ドリブン"マーケティング通信」、2025年度下半期(2025年10月~2026年3月)の人気記事ランキング【後編】をお届けします。【前編】では20位から11位までを発表。AI検索や消費者調査、エンタメ変革などへの高い関心がうかがえました。今回の後編では、TOP1

2025年10月~2026年3月人気記事ランキング 経営とデータの融合、CRM×AIの進化、AI検索の未来など 注目のトピックスTOP20【前編】

生成AIの社会実装がさらに進み、データ活用が経営の核心へと組み込まれつつある昨今、ビジネスの現場では日々さまざまな変化が生まれています。このような環境のなか、2025年度下半期(2025年10月~2026年3月)において、特に多くの関心を集めた記事を、前後編のランキング形式でご紹介。前編となる今回は

「広告表現はどこまで生成AIで自動化できるのか」#04

Hakuhodo DY ONE

前回の記事「生成AIと企業ブランディング」#03では、企業がブランド価値を損なうことなく生成AIを活用するには、透明性の確保やブランドガイドラインとの整合、人間による最終審査が不可欠であることを述べました。また、生成AIを「使えるかどうか」ではなく「どのように使うべきか」を検討すべきだと結論づけまし

AIは広告表現の「何を」自動化しはじめているのか?現在の広告制作実務において、生成AIが大きな力を発揮しているのは、まず間違いなく「初稿生成」や「大量生成」の領域です。コピー案やトーン違いの表現を量産したり、構成の叩き台をつくったりといった、表現のバリエーション展開は、これまで人間が相当の時間をかけ

自動化できるのは「作ること」であって、「通すこと」ではないしかし、ここで見落としてはならないのは、広告表現の実務は単に「形にすること」で完結するものではない、という点です。実際の広告制作の現場で本当に難しいのは、それが世に出せるのか、違法性はないのか、ブランドを毀損しないのかを判断することです。たと

法律だけではなく、生活者からの「印象」と「受け止められ方」が問われる広告表現の法務判断について、しばしば「条文に当てはめれば済む話」と見られがちです。しかし実際には、広告法務においてもっとも難しいのは、条文そのものよりも、生活者がどう受け止めるかという点にあります。同じ文言の広告表現において、ある媒

では、AIは広告表現に使えないのか?もちろん、そういうことではありません。むしろ私は、生成AIは広告表現の実務において、今後ますます不可欠な存在になると考えています。ただし、それは「人間を不要にする代替者」としてではなく、人間の検討を加速し、選択肢を広げる推進力としてです。たとえばクリエイティブの大

自動化が進んだ先で求められる「クリエイティブ法務」ここで、「クリエイティブ法務」という考え方が重要になります。広告表現の自動化が進むということは、制作量そのものが増えることを意味します。制作量が増えれば、当然、確認すべき表現、見極めるべき論点、調整すべき境界線も増えていきます。つまり、AIが制作を加

広告表現はどこまで生成AIで自動化できるのか最後に、冒頭の問いに戻りたいと思います。広告表現はどこまで生成AIで自動化できるのか。私の答えは、次のとおりです。広告表現は、生成・量産・一次整理のかなりの部分まで自動化できる。しかし最終的な判断、責任、そして<通す>ための設計はなお人間の領域に残るこの線