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ヒット習慣予報 vol.395『フレーバーレス消費』
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ヒット習慣予報 vol.395『フレーバーレス消費』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。

年があけて、なんだかようやく寒くなってきましたね。寒くなってきたからなのか、自分の年齢のせいもあるのか、わからないですが、かつては飲むことがなかった、白湯を最近飲むようになってきました。寒い日の朝に、白湯を飲むと、身体が温まるのはもちろんですが、気持ちもほっこりしますよね。「白湯」について、Googleトレンドで見てみると、寒い時期に注目度が高まるのはもちろんのこと、ここ数年、より注目されているように伺えます。

出典)Google トレンド(「白湯」で検索)

昔は「味のしない」ものを飲むなんて、自分とは縁遠いと思っていたのですが、最近は様々なジャンルにおいて、あえて「味のしない」あるいは「味付けのない」ものへの注目度が高まってきているようです。そこで、今回はこの事象を「フレーバーレス消費」と名付けて、いくつかのヒットの兆しを紹介していこうと思います。

まずは、「フレーバーレススナック」です。
スナックの代表例の一つといえば、ポテトチップ。そして、ポテトチップといえば、やみつきになるような様々な味わいを楽しむもの、という印象があると思いますが、食塩不使用のものだったり、ポテトそのままの味を楽しむ素焼きだったりを楽しむ機会が増えているようです。また、ポテトチップでなくても、素焼きのアーモンドなど、ナッツでも、フレーバーレスのものをあえて選ぶ人が出てきているようです。実際に、「素焼き」についても、Googleトレンドで年々伸長しており、注目度が高まっている様子です。

出典)Google トレンド(「素焼き」で検索)

ちなみに今回の話とは少しずれるのですが、私の友人には、素焼きのものを買ってきて、それに、お気に入りのアウトドアスパイスを活用して、自分の好きな味わいを楽しんでいる人もいるので、素焼きが広がるポテンシャルはまだまだあるな、と個人的にも感じています。

続いては、「フレーバーレスキャンディ/ガム」です。
前述のスナックよりもフレーバレスとなると違和感を感じるキャンディやガムですが、実は結構話題になっているようです。スナックと異なり、そのものの味わいを楽しむのではなく、仕事や運転など、何かしらをしながら味わえるのが、キャンディやガムのひとつの特長かと思います。その時に、甘さなどが邪魔になるというニーズを捉えて、このような展開が出てきているようです。単純に口の中を潤したいだけだったり、眠気を飛ばしたいだけだったり、自分の気持ちを落ち着けたいだけだったり、時と場合によって求めることは異なると思うのですが、そのニーズだけに応えるには、付加されたフレーバーがない方が好都合ということのようです。私も気になって、食べて見たのですが、確かに食べた後の口残りが少なく、自分のニーズだけをミニマムで完遂できることがとてもよいな、と感じました。その時と場合で、味ありとなしを選ぶ、ということが今後広がっていくだろうな、と感じています。

そして最後は、「フレーバーレスプロテイン」です。
プロテインといえば、チョコやバナナ、ストロベリーといった、味付けをされているものというのが当たり前になってきているかと思います。ただ、それらの味わいは、人工甘味料による味わいであることが多く、なかにはその味が苦手、という人もいらっしゃいるようです。先日、仕事仲間と会話していると、「プロテインを飲み始めてみようと思って買ったけど、どうにもあの味を身体が受け付けなくて、飲めないから、プロテインいりませんか?」という話をされて、少し気になって調べてみました。すると、昨今は、人工甘味料や香料を使わず味付けされていないプレーンなプロテインが出てきており、甘さが苦手な方や、スムージーなどへのアレンジを楽しみたい方、あるいは単にたんぱく質だけを摂取したいというニーズに応えている動きが進んでいるようです。

では、なぜこのような「フレーバーレス消費」が注目を集めるようになってきているのでしょうか。その理由を大きく2つあると思います。1つ目は、「身体に取り入れるものへの意識の高まり」にあると思います。塩分や甘味などの味わいを気にするようになる人が増えていることに加えて、その成分、香料や人工甘味料についても気にする人が増えてきているように感じています。これらは健康志向の高まりから、より具体的に、自分の身体に取り入れるものを意識するようになっていることから、フレーバーレスへの注目が集まってきているのではないでしょうか。そして2つ目は、「リセットしたい欲」にあると思います。気持ちをリセットしたいのはもちろんのことですが、味覚も合わせてリセットすることで、より自分自身リセットすることができるのではないでしょうか。自身の目的に合わせて、ちょっと気分を上げたりしたいときは、フレーバーありなのかもしれませんが、気分を一度落ち着かせたり、リセットしたいときには、フレーバーレスのほうが、味覚に邪魔されることがないのも、広がりを生む一つの要因になっているのかもしれませんね。

では、最後に「フレーバーレス消費」にどのような可能性があるか、新たなビジネスチャンスを少し考えてみました。

「フレーバーレス消費」によるビジネスチャンスの例
■「ブレーバーレスドリンクバー」として、温度や硬度だけが異なる水専門のドリンクバーを開設
■「ゼロ調味料コンビニ弁当」として、タレやソースのないより健康志向が強い弁当を発売
■「素のまま居酒屋」として、調味料を使わずに素材そのものの味を楽しんでもらう居酒屋を開業

など

いつもは、コーヒーや甘い飲み物などを飲みながら、仕事をしているのですが、今回、水を飲みながら、この「フレーバーレス消費」について考え、書いてみたところ、味覚から余計な情報が入ってこず、なんだかいつもよりしっかり向き合えた気もするので、今後の仕事のお供にもフレーバーレスを導入してみようかな、と思いました。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。 
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。 

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  • 関西支社 第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2011年 博報堂に入社。
    入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。