ヒット習慣予報 vol.350『だしおやつ』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
寒い日々が続いていますが、みなさん、体調崩したりされていませんでしょうか。本日は、寒くなると食べたくなるあれ、そう「おでん」!……ではなく、今回はその「出汁」に注目してみようかと思います。「出汁」について、Googleトレンドで調べてみると、実は結構伸びてきています。
「出汁」ってずっとあるにもかかわらず、未だに伸長している理由ってなんだろう?と不思議に思い、色々調べてみました。すると、直近では、第二次出汁ブームなどと言われており、「出汁カレー」や「出汁巻き卵ドッグ」などの食事が話題になっているようです。その中でも、最近注目が集まっているのは、「おやつ」ということなので、今回は、「だしおやつ」と題して、いくつかヒットの兆し事例をご紹介していこうかと思います。
まずは、「出汁チョコレート」です。
カツオ出汁とカカオのハーモニーがマッチして、優しく香ばしい味を実現しているようです。カツオもカカオも、美肌効果やリラックス効果が期待できることから、女性からの注目も高いようです。ちょっと私は味の想像がつかないな、と思っていたのですが、ふと考えると、和の素材、抹茶や生姜、日本酒などのチョコレートは世の中に多く存在しており、実はカカオと和素材の相性がいいのかも?と考えると、なんだか美味しいのでは?と思うようになってきました。実際に食べたことがある人によると、微かに出汁の香りを感じて、徐々にうまみが口の中で広がっていくようです。コーヒーではなく、緑茶と合うチョコレートかも、とのことなので、一度トライしてみたいと思います。
続いては、「出汁アフタヌーンティー」です。
「ヌン活」と言われ、アフタヌーンティーが注目を集めていますが、その中でもそのセットすべてが様々な出汁からできているセットがあるようです。それは、カツオ出汁や昆布出汁などの食事に使われるものから、桜や、フルーツ、スパイスなどから取られた出汁を元にアフタヌーンティーセットを作っているようです。さらに、実際にカツオ出汁を削って、それをハンドドリップで、ドリンクとして提供するなど、徹底した出汁による提供にこだわっているようで、スイーツからもドリンクからも出汁を感じられ、それぞれの出汁の原料の違いをたのしむこともできそうですよね。改めて、出汁の幅って広いな、と感じさせられるものです。
そして最後は、「だし入りコーヒー」です。
「おやつ」のお供といえば、「コーヒー」という方も多いかと思いますが、そのコーヒーにもだし入りがあるようです。コーヒーも、抽出するという点では、出汁と近しいところがあるとは思うのですが、出汁とコーヒーの相性っていいの?コーヒーは、コーヒーだけの方がいいんじゃないの?と思ってしまいますが、これが意外と悪くないらしいです。コーヒーを飲み終わった後の余韻が、美味しい和食を食べた後に、コーヒーを飲んだような余韻を感じられるらしく、ついついくせになってしまう人もいるようです。
では、なぜこのような「だしおやつ」が注目を集めるようになってきているのでしょうか。その理由を大きく2つあると思います。1つ目は、「出汁の持つ懐の深さと優しさ」にあると思います。出汁には、うまみ成分がたくさん含まれており、優しい味が多いかと思います。その味わいが、ちょっとホッとしたい気持ちをまるっと包みこんでくれる感じがするため、注目を集めているのではないでしょうか。
そして2つ目は、「健康的なイメージ」にあると思います。今回ご紹介させていただいたようなおやつは、近年の健康志向を考えると、太るかも、などという印象からできるだけ節制している方も多いかと思います。それに対して、出汁は、深い味わいであるにも関わらず、健康的なイメージがあるので、美味しく楽しめることからも「だしおやつ」が注目を集めているのではないでしょうか。
では、最後に「だしおやつ」にどのような可能性があるか、新たなビジネスチャンスを少し考えてみました。
「だしおやつ」によるビジネスチャンスの例
■だしおやつ専門店を展開する
■出汁入りコーヒーをコンビニコーヒーで提供する
■「DASHI SWEETS」として、インバウンド需要を図る商品開発を実施
など
「だしおやつ」について調べていると、ちょっと試してみたくなったので、まずは、出汁チョコレートを探しに、百貨店にでも行ってみようかと思います。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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関西支社 第一ビジネスデザイン局第一プラニングチーム
ヒット習慣メーカーズ メンバー2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。