おすすめ検索キーワード
ヒット習慣予報 vol.338『自己肯定感アップエンタメ』
PLANNING

ヒット習慣予報 vol.338『自己肯定感アップエンタメ』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です。
先日、会社で仲良くしてもらっている後輩たちと韓国旅行をし、プロのヘアメイク体験をしてきました。仕上がりを見てみると、ナチュラルな感じなのに普段のメイクと違ってより個性を引き立たせる感じに美しくなっており(さすがプロ!)、いつもは全然撮らない写真を撮ってみたり、「今の私、いいね!」となんだか自分に自信がわき前向きな気持ちで過ごせたのが印象的な体験でした。
このように、自分に対してポジティブな評価を持ち、自分を肯定的にとらえることを自己肯定感と言います。Googleトレンドで見てみるとこの「自己肯定感」というトピックは過去と比べると注目されてきていることがわかります。

(出典:Googleトレンド「自己肯定感」で検索 ※トピック)

そんな「自己肯定感」を楽しみながらあげていく習慣を「自己肯定感アップエンタメ」として今回はご紹介したいと思います。

まずは、本を読んで自己肯定感アップです。
いわゆる、自己肯定感の上げ方といった手法が書かれている本ではなく、小説やマンガなど楽しむ目的で読書をした結果、前向きな気持ちになったり自分に自信がついたりするものを指します。SNSでも実際に自分が読んで自己肯定感があがった本を紹介する投稿が出てきていたり、雑誌でも、読んで幸福感や自己肯定感を高める本の特集が組まれるようになったりしています。

また、音楽を聴いて自己肯定感アップもあります。
ひと昔前と比べ、最近人気になっている歌の歌詞を見てみると、自分自身に対して肯定する内容を歌にしているものが増えてきているように感じます。アツい応援ソングというよりかは、割とアップテンポでストレートに自分に対しポジティブな言葉「かわいい」「最強」などを使っていることも特徴の一つで、「自己肯定感爆上げソング」として、Z世代を中心にSNSで共有され話題になっているようです。私も最初このタイプの曲を聞いたときは“こういう歌が今は流行っているのか!!”と衝撃を受けましたが、聞いているうちに、自分に対して無理せず前向きでオープンな気持ちになれるかもと思うようになりました。同じく曲を聞いていた友人にも印象を聞いてみると、「私のいいところは私が知ってる感じ、わかる~ってなる!」と言っていました。

さらにもう一つ、ゲームをして自己肯定感アップです。
スマホアプリのゲームや、近年どんどん人気が出てきているカードゲーム、ボードゲームなど様々なジャンルのゲームがありますが、これらにおいても、キャラクターを活用したりしながら、自分自身や他人をほめたり背中を押すといった楽しく遊びつつ結果的に自己肯定感も上がるゲームが登場してきています。また、ゲームの種類によっては一人でプレイするものもあれば複数人でプレイするものもあり、周囲の人と楽しみながら相互でポジティブな気持ちになれるのも良いポイントなのではないでしょうか。

ではなぜこのような「自己肯定感アップエンタメ」が広がりを見せているのでしょう。
SNSの浸透で周囲の友人や他人の様子に手軽にアクセスでき、何なら勝手に情報が入ってくるため、思わず自分と他人を比べてしまう状況が、大きな理由の一つとして考えられそうです。さらに近年、様々なところから「自分らしさを大切に」と言われている風潮に対し、「自分らしさ」っていったい何だろうと悩む人が増えていることも影響しているのではないかと考えています。多様性が尊重される現代において、自分の個性について自分で探し当てなければいけない状況は、苦しく窮屈に感じる人もいるのではないでしょうか。しかしその一方、やらなきゃいけないことややりたいことで忙しい毎日を過ごしている人たちにとっては、わざわざ自己肯定感を上げるという目的のために新しく時間を割くのはこれまた大きなハードルになるため、日常生活のなかで自然な形で自己肯定感もあげられるものを求めているのかもしれません。その結果、普段から様々な人の身近にあり、楽しく明るく自分を認められる手助けをしてくれるエンタメを活用することが今注目をされてきているのではないでしょうか。

最後に「自己肯定感アップエンタメ」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。

「自己肯定感アップエンタメ」のビジネスチャンスの例
■「自己肯定感が上がる」と多くの人から支持された歌だけを集めた爆上げフェス開催
■他人に自分を演じてもらい自分の良さを第三者視点で実感できる演劇プログラム
■自分の特徴を伝えると大喜利でポジティブ&面白く返してくれるアプリ開発

楽しみながら、自分を自分で認めてあげる状態を上げていく。私も少しずつトライしていこうと思います。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 関西支社第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ちのマーケター8年目。ヘルシー&ビューティー関連が大好き。最近新しい“推し”と出会ってしまい、日常生活がとても活き活きしています。