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先端技術を活用し生活者の未来を拓く「HAKUHODO-XR」
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先端技術を活用し生活者の未来を拓く「HAKUHODO-XR」

テクノロジーの進化により、メタバースや、AR、VR、MRなどが我々の生活を大きく変えようとしている。そんな潮流の中で、マーケティング&コミュニケーション手法に先端技術を融合させ新たな付加価値を提供している「HAKUHODO-XR」。
博報堂DYグループの強みを結集させた同プロジェクトのリーダーを務める尾崎徳行とビジネスプロデューサーである多田宜広に目指すところを伺った。

研究開発からクリエイティブ、運用までワンストップでXRを手掛ける

「HAKUHODO-XR」は、何を目的として誕生し、どんな活動を行っているのですか。

尾崎
AR、VR、MRの3つを総称して「XR」※と呼んでいますが、新しいテクノロジーを活用して、 新しいビジネスや顧客体験を創出できることがXRの特徴です。5GやIoTといったテクノロジーの進化によって、あらゆるモノ・場と生活者がつながり、私たちの生活の新たなインターフェースになろうとしています。ここから生まれる新たな市場を博報堂DYグループでは「生活者インターフェース市場」と位置付けていて、ここで大きな可能性を秘めているのが、このXR領域です。だからこそ、XR領域のクリエイティブ、ソリューション開発を全社横断で対応する「HAKUHODO-XR」というプロジェクトチームを立ち上げたのです。博報堂、博報堂DYホールディングス、博報堂DYメディアパートナーズをはじめ、制作会社の博報堂プロダクツ、博報堂アイ・スタジオなども入っています。研究開発に始まり、コンサルティング、クリエイティブの制作や運用までも手掛けるという、ワンストップ性も「HAKUHODO-XR」の大きな特徴だと思います。
 このような新しい領域では技術先行になりがちですが、我々は生活者発想を起点にしているので、「生活者の気持ちが動くこと」や、「ワクワク感を享受できるか?」ということにこだわっています。生活者の感情を動かすことや、新しい価値観を提示して共感してもらうことに努めてきましたが、現在はそれをこえて「生活者エンパワーメント」という概念を打ち出して、実際に生活者の能力を拡張していくことを支援することまでを目指しています。メタバースというと、仮想空間における空間の箱を設計することにとらわれがちですが、仮想空間上の生活者であるアバターを介した体験自体にどんな付加価値をつけられるのか、しっかり見据えてプランニングをすることが大前提であり、極めて重要だと思います。

※AR:拡張現実、VR:仮想現実、MR:複合現実、XR:クロスリアリティ

多田
メタバースは基本的に何でもできます。フィジカルな制限がないことで、“自分ではない自分”になれることも非常に大きな魅力だと思います。そんな空間において、まったく新しい形で生活者のモチベーションやコミュニケーションが生まれるはず。 そこに対して我々は、これまで生活者発想で培ったものと、メタバースで生まれる独自の発想をどう掛け合わせていくかがカギになるでしょう。尾崎を中心にして、「HAKUHODO-XR」でそれを追求しているところです。
尾崎
「HAKUHODO-XR」の具体的な活動には、広告コミュニケーション、コンテンツ開発、ソリューション&プラットフォーム開発、コンサルティングという4つの柱があります。現状で、この分野に積極的な企業としては、まずはアパレル関連。アバターはファッションとの親和性が高く、特にハイブランドの企業はメタバース上でのファッションを高額で販売していますね。また、金融業界からもお声がけをいただくことも多く、メガバンクだけでなく地方銀行も関心が高い。新規ターゲットとしてZ世代にアクセスしたいとか、金融リテラシーを高めるための最初の一歩にしたいという動機でメタバースを活用したいなどのご相談をいただきます。

「HAKUHODO-XR」の実績例

多田
クライアントのフェーズにも変化が表れています。少し前までは、「メタバースやXRっていったい何?」という視点での問い合わせが大半でした。現状では、それが具体的な相談にシフトし始めているという印象です。各業界ともにリアルな対面接客が難しくなってきたタイミングで、メタバースでコミュニケーションする新しいチャネルを作ろうとしている。メタバース上でプロモーションを仕掛けたいという相談も多いです。「知りたい」から「生かしたい」という段階にクライアントのフェーズが変わっています。

多くの企業がメタバースに参入しようとしていますが、クライアントが抱える悩みとはどのようなものなのでしょうか。

尾崎
今は経営層の方からの相談が一番多いです。「今の時代は、DXの文脈で本格的にメタバースなどを活用した未来シナリオを検討しないといけない」という認識をもつトップの方は少なくないようです。面白いのは、メタバースを考えていくと、皆さん自社の事業ドメインの原点に立ち返るんですよ。メタバースは、言わばもうひとつの世界を構築するものなので、「自分たちの生業は何なのか」という原点を改めて考えることになるのです。
私から少し未来予測的な視点を申しあげるとすれば、ターゲットの考え方がガラッと変わるんじゃないかと思います。現代はソーシャルメディアで複数のアカウントを持ち、複数の自分を演じている人が多いので、複数人格に対するターゲティングが重要になります。中年男性が若い女性のアバターを使うケースも多い。ターゲティングの考え方がかなり複層的になるので、これまでの方法論では対応できなくなる可能性があると感じています。
多田
私自身もメタバースのヘビーユーザーですので、その視点で言うと自分がそのメタバースに入っている人格やモチベーションが侵犯されないことが大事だと感じます。例えば現実とは別人格で入っているメタバース上で名前や住所、年収などといったリアルなパーソナルデータの開示が必要になるのは違和感がありますし、現実世界や既存WEB等でできること、メタバースでなくてもできることに対しては参加モチベーションが低くなりがちです。メタバースだからこそできる体験と、その空間での生活者意識を企業側が見誤ってしまうとミスマッチになってしまいます。そこをうまく成立させる企画が必要ですね。

株式会社博報堂 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局 局長代理 クリエイティブディレクター/HAKUHODO-XRリーダー 尾崎 徳行

博報堂の強みは「つなげる」こと ハブとなって価値創造をしたい

メタバースが実行フェーズへと移行しつつある中で、博報堂DYグループの強みとは何でしょうか。

尾崎
メタバースは、空間を作り出すことから入りがちですが、重要なのはその空間の目的や、そこでどう行動をつくるかというモチベーション設計です。そこで我々が広告コミュニケーションで培った力が大きく生きるはず。そもそものパーパスや目的の設定やモチベーション設計をしっかりデザインできることが、博報堂の強み。またメタバースは一企業ではできません。企業同士の繋ぎ役が必要になり、それは広告会社が最も得意とするところです。クライアント、メディア、コンテンツホルダー……。我々がそんな企業同士を結ぶネットワークのハブになれると思います。
先行事例の「バーチャル大阪」は、大阪府と大阪市から業務移管され、KDDI、吉本興業と博報堂の3社で「未来大阪プロジェクト」を組成して運営を実施しています。特に吉本さんが入っていることで、コンテンツが充実するのが強み。まだこれからですが、リアルな都市とバーチャルな都市空間がリンクするような実証実験が様々な企業と始まっています。
多田
何が体験できるかが重要なので、実験をしながら作っていますが、これからのチャレンジが大事ではないかと思っています。地域への貢献・還元といった意義のある空間づくりなど、ソーシャルグッドな視点もこの領域の可能性の一つかなと考えます。

株式会社博報堂 DXプロデュース局 ビジネスプロデューサー HAKUHODO-XR ビジネスプロデューサー 多田 宜広

これから「HAKUHODO-XR」は何を目指していくのでしょうか?

尾崎
博報堂は「価値創造」ができる会社だと思いますので、誰かがハッピーになれる体験を提供して、企業が生活者に新しい価値を提供することでブランドの価値が高まるという、そんな価値を生み出すことをベースにしたい。メタバースは新しい広告のフィールドでもあるので、クリエイティブに携わる様々な人にとって新しい創造性のキャンバスであればいいなと思っています。
多田
WEB3時代を迎えて、インターネットの3D化という大きな潮流がある中で、メタバースやXRという領域にはNFTやDApps※をはじめとしたテクノロジーや文化が付随してくるため、そこも活用してマーケティングや生活者体験を構築していくというユースケースをつくらなければならないと思っています。
 博報堂にはマーケティング・テクノロジー・センターという研究セクションや、メタバースでの生活者意識を科学的に調査研究する「Helix Lab(ヘリックスラボ)」という活動もあり、XR領域でのPoCや、メタバース生活者意識調査を発表しています。
 今も新たな開発会社やテック企業が続々と現れていますが、それらの企業とも手を組み、生活者発想という我々の軸をぶらさずに新しい体験を創出し、テクノロジーをどう掛け合わせていくのか、というミッションに取り組んでいきたいと思います。

※DApps:decentralized applicationsの略称で、ブロックチェーンの技術を利用した分散型(非中央集権型)のサービスやゲームのアプリケーションのこと。

尾崎
繰り返しになりますが、博報堂の強みは「つなげること」にあると思います。この領域は、一企業が他社と差別化しながら戦っていくという図式にはなりません。企業がつなぎ合いながら共創し、挑んでいく領域であると思うので、ハブとなって価値創造していくことが我々の役目になるはずです。
多田
以前から生活者発想・クリエイティブといえば博報堂と呼ばれてきた自負・歴史がありますので、そのDNAを持った人材や文化が継承されてきていると思います。それらを生かしながら、我々がハブの役割をしっかり果たしていきたいですね。

「日経ビジネス電子版 Special」2023年3月17日に公開
掲載された広告から抜粋したものです。禁無断転載©日経BP

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  • 株式会社博報堂
    生活者エクスペリエンスクリエイティブ局 局長代理
    クリエイティブディレクター/HAKUHODO-XRリーダー
    1998年博報堂入社。以来、100を超える企業やブランドのブランディング、統合コミュニケーション、 商品・サービス開発などに従事。多様なクリエイティブ領域の経験を生かして、新しい体験価値の創造を実践している。
    伊豆好きでリモート&新幹線通勤をする、4児の父。
  • 株式会社博報堂
    DXプロデュース局 ビジネスプロデューサー
    HAKUHODO-XR ビジネスプロデューサー
    消費財・通信・金融クライアント等のコミュニケーション、IMC開発、新商品/店舗開発、メディアプラン設計/運用を担当。同領域におけるデジタルを中心としたメディア運用/コンテンツ開発のリーダーをつとめた後、2021年4月より現職。DX・データマーケティング領域、及びXR・メタバース領域におけるビジネスアーキテクト、プロデュース業務を推進中。

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