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データをひきだすファシリテーション術第3回
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データをひきだすファシリテーション術第3回

―盛り上げる技術―

データを極めているみなさん、こんにちは!
VoiceVisionの佐和田です。

今回は、「ひきだし力」の中にある“もりあげ”=対話をもりあげ、より価値ある生声データをひきだす技術についてです。

私はこれまでmixi、Facebook、Instagramなど、様々なオンラインコミュニティ運営に携わってきましたが、オンラインならではの魅力は「視点の数が圧倒的に広がる」という点に尽きます。
なぜならオンラインは、オフラインで集まるよりもはるかに様々な場所から参加できるため、多種多様な意見をいただくことができるからです。
(お題に対して、視野を広げてくれる新しい角度の意見がきたときは毎度感動してしまう私です…!)
視野を広げてこれまでに無い未来を描くためにも、今回の「もりあげ」はぜひ押さえておいてください☆

盛り上げ力は、共感力。

前回、良いお題の立て方について田中よりお伝えしましたが、せっかく立てた良いお題を活かすも殺すも、「もりあげ」にかかっていると言っても過言ではありません。

では、「もりあげ」とは一体何なのでしょうか?
それは、参加者が会話を続けたくなる雰囲気をつくることです。
2回以上の対話のキャッチボールをすることで、参加者のインサイト(=潜在的なニーズ)を理解することができると考えています。
立てたお題に対して、参加者がどのように考えているのか。その考えを一緒にひも解いていくためにも、コメントをしたくなるような雰囲気づくりが重要になってきます。

その雰囲気づくりのカギとなるのが「共感」です。

共感を示すと、参加者はより意欲的に意見を書き込むようになります。逆に共感が伝わらないと、会話のキャッチボールを続けることができなくなってしまいます。
そこで今回は、オンラインコミュニティで「共感」を伝えるために必要な“ファシリテーターの姿勢”“3つの極意”、そして今からでもすぐに始められる“ちょっとしたコツ”をお伝えしたいと思います!

ファシリテーターの姿勢は、心頭顔の3つにアリ!

オンラインコミュニティは、一期一会です。参加者は1回でも嫌な想いを抱いたら、すぐに退出し、戻ってくる可能性は限りなく低いのではないかと考えています(オフラインであれば、挽回の余地はアリですが)。つまり、コメントに返信をするファシリテーターの役割はとても重要になってくるのです。
そこで、私が日頃から意識している3つの姿勢についてご紹介します!

① 心:参加者へ好意を持つ
→どんな意見の書き方をされていても、それだけで相手の事を判断せず、みなステキな人生の先輩方だと好意をもって接しましょう。そうすると、次のステップ②も身に着けることができます。

② 頭:すべての意見を柔軟に受け入れる
→コミュニティでの対話は、たったひとつの正解探しではなく、様々な意見から浮かび上がってくる未来図を探り当てることを目的としています。自分が立てた仮説や論理と異なっていても、「なるほど!そういう見方もあるのか!」という姿勢で、多様性を受け入れることが重要です。

③ 顔:表情を伝える工夫をする
→文字だけで伝えるよりも、記号(♪や☆など)やシンプルな顔文字(^^や><など)を入れた方が、参加者がより心を開いてくれるようになります。オンラインで顔が見えないからこそ、こちらの表情を分かりやすく視覚的に伝えることで、「あなたの意見や感情を理解しています」と示す工夫をしてみましょう。

すべての参加者に対してフラットな目線で寄り添うことで、共感力が身に付きますし、自ずとコメントする人数も増えてきます。

対話を盛り上げる3つの極意!

ファシリテーターとしての姿勢を理解していただいたところで、参加者との対話を活性化させる3つの極意を伝授したいと思います。

其の壱:「感謝」を述べる
まずは冒頭で、コメントをくれたことに感謝の言葉を伝えます。ただ単に「ありがとう」だけではなく、「的確なコメントをありがとう」「熱いコメントをありがとう」など、コメント全体を象徴するようなヒトコトを添えると、温かみのある返信になります。
何度か投稿してくれる方には、「いつもコメントありがとうございます!」と書くと喜ばれますよ♪

其の弐:「自己開示」をする
参加者は、何かしらの主張があってコメントを投稿しています。何を言わんとしているのかをきちんと見極めて、その部分に共感することが大切です。自分自身の経験と結びつけたり、人から聞いた話の中から同じような状況に身を置いたうえで、そのエピソードを交えて共感すると、より参加者のインサイトに近づくことができるようになります。

其の参:「期待」を込めて質問を返す
対話のキャッチボールを続けるためにも、必ず添える必要がある質問。なぜそう思ったのか、他の状況でも起こり得るのか、どういう背景があってその主張が生まれたのか、「あなたのことをもっと知りたい!教えて!」という期待を込めて質問を返すことで、参加者自身も「あ!だから私はこういう想いを抱いたのか」と気付くことも多々あります。ちなみに、確実に返信をしてもらうためには、質問は1点に絞ることがカギです。一度に2つ以上の質問をしてしまうと、「何に答えたら良いの?」という混乱を招く恐れがあるので要注意です!

今日からできる対話のちょっとしたコツ♪

これまで説明した“姿勢”や“極意”は、習得するまでに少し時間を要します。
そこで、最後に今すぐに始められる対話のちょっとしたコツをお伝えします!

さ:「さすが」
例)~という視点、さすがです!
→的を得た発言があったときに使える言葉です。

し:「知らなかった」
例)~ということ、知りませんでした・・・!
→まったく予想していなかった発言があったときに使える言葉です。

す:「すごい」
例)~という気づきは、とてもスゴイと思いました!勉強になります。
→面白い発言があったときに使える言葉です。

せ:「せっかくだから」
例)せっかくの機会ですから、ぜひお話いただけませんか?
→特別感を演出するときに使える言葉です。

そ:「そうなんですね」
例)なるほど!そうなんですね!
→深く共感し、納得したときに使える言葉です。

このようなフレーズをいくつもストックしておくと、参加者の気分を盛り上げることができ、対話をスムーズに運ぶことができるようになります。
ちなみにこのコツは、日頃の会話にも使えて円滑なコミュニケーションを生むのでぜひ実践してみてください^^

おまけ:否定的な意見には、新たな視野が隠れている!

たまに、投げたお題や、別の参加者のコメントに対して「私はその考えに賛同できません」と書き込む参加者がいらっしゃいます。
ちょっと気分が下がるかもしれませんが、このような書き込みは逆にチャンスです!
否定的な意見であっても「なるほど、見落としていましたがそういう考えもあるんですね。詳しく聞かせてください!」と共感の姿勢で接することで、そのお題に対する見解が広がります。
ちなみに、どんなに反発的な方であっても、邪険に思うのではなく共感を示しながら丁寧に対応することで、その方がファンになり積極的に活動されている姿をよく見ることがあります。

「どんな発言でも受け入れられる場をつくる」
これは、私がオンラインに必要不可欠だと思う考え方です。
そして、オンライン上で生活者の価値ある生声データを引き出す技術は、データドリブンマーケティングをさらに深化させていくものだと確信しています。
生活者の気持ちを盛り上げて、インサイトに迫り、新しい未来の可能性を広げていく。
そんな楽しさを、ぜひ一緒に味わいませんか?

次回は「聞き出し」について。お楽しみに!

VoiceVisionのInstagramでファシリテーションの“ちょっとしたコツ”を配信中!

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  • (株)VoiceVision コミュニティプラナー
    WEBページの構築、ならびにソーシャルメディアの運用を経験の後、「働くママが生きやすい世の中をつくりたい!」という思いから、(株)VoiceVisionに入社。女性活躍支援にまつわる、各種プロジェクトの企画からアウトプットまでをプロデュース。
    “笑顔あふれる和気あいあいとした場づくり”をモットーに、ワークショップやオンラインコミュニティでのファシリテーションを運営。
    約30,000人が集う「はたらくママの声を届けよう!プロジェクト」では、参加者の声から働き育て生活する新しい文化を提唱。
    現在、宮古島での在宅ワークと東京でのオフィスワークの2拠点生活を実現させながら、一人娘の母として奮闘中。